謎色の(脚本)
〇広い和室
あれ? 早起きだね、おはよ。
タクミ「おはよー・・・ああ二日酔い・・・」
昨日スゴかったね? なに話したの?
タクミ「・・・んー、社長おめでとー、みたいな?」
タクミ「よっ、社長! みたいなのとか? おだてられてばっかでさ」
ん? お義母さんとは?
タクミ「は?」
あれ?
タクミ「ユキノも酔ってた?」
ああ、ええ? なるほど、なんでかな?
うん、酔ってたかもねー。
タクミ「仕事行きたくねー、サボりてー、 寝たいよー」
いやいや、逆よ、今日は頑張ってよ?
もう社長代理だからね?
就任式までは出来るだけ出社して?
ちゃんとしてるって社内にも社外にも
見せなきゃ。
タクミ「はーい・・・あーあ、めんどく・・・」
さくない! 面倒とか言わないの!
あ、でもちゃんと早起きしてたの偉いよ。
タクミ「叩き起こされたんだけどね、冴島さんに 超怖いよあの人」
全然怖くないよ?
私の秘書になってもらう事になったの。
タクミ「そうなの? そっか・・・」
タクミ「え、じゃあ俺も秘書とかいるの? てかユキノじゃないの?」
違うよ、私は肩書き的には副社長だって。
そうだよね秘書、必要だよね?
誰になるのかな?
タクミ「まだ決まってないんだったらさ、 俺が決めたりしてもいいの?」
「ユキノ、了解しなさい!」
おっと? おか・・・マリ・・・、
うん、いいよタクミが決めて。
タクミ「ん! じゃあ声かけてみるわ」
誰にするの?
タクミ「同期の子にしたいなー 入社した時は普通の社員として働けって 言われてさ、そん時一緒だった子がいいな」
へえー。じゃあ決めたら教えてー。
タクミ「りょー」
あ、食べたら早めに着替えなよ?
私はもう出れるから。
タクミ「マジでー、あー、誰かアーンして くれちゃったりしないかなー?」
タクミ「二日酔いだしさー、食欲ないしさー、 箸持つのも重いしさー」
『箸が重い』それ新しいね、ウケる。
はい、アーン?
タクミ「ウケるー」
「・・・うちの子、こんな感じだったの? やっぱり甘やかし過ぎたのね・・・」
うふふ。
〇休憩スペース
・・・ああ、これは死ねる・・・。
社葬ってヤバくない? こんな大変?
フリどころじゃなくて
ガチかかりっきりなんだけど。
マリエ「まだまだこれからよ、頑張りなさい!」
わ、普通に出た。
マリエ「なによ、人を幽霊みたいに・・・あ!」
マリエ「幽霊だった!」
・・・うわ、引くわ。
社員「九条さん、お先に失礼します!」
あ、はい、え? お疲れ様でーす。
社員「お疲れ様です!」
はーい、皆さんお疲れ様でーす。
・・・あーあ。
だー! もうこんな時間!
あっという間! なんなの!
マリエ「本当に騒がしい子ね ちゃんと仕事になってるのが不思議だわ」
ホントそういうの生きてるうちに・・・
あ! 質問に答えるって言ってた!
マリエ「そうね、言ったわ」
はい! 質問!
マリエ「はいユキノ、どうぞ?」
なんで私と冴島さんにしか見えないの?
みんな通ったのに見えてなかったし。
マリエ「私が好意を持ってる人にしか見えないと 受付の方が言ってたわ」
マリエが好意を・・・え、マジで?
じゃあタクミは?
マリエ「『好意』じゃ収まらないんでしょうね 無償の愛なのよ、きっと」
へえ・・・え、受付って?
マリエ「ああそうだ冴島の所にも顔を出してくるわ また家でね」
・・・へえ、ふーん、そっか。
タクミが赤ちゃんの時に
お義父さんが亡くなったみたいだから、
結構長い付き合いになるよね。
マリエと冴島さん。
やっぱりそうなのかな?
『好意』か・・・。
ユキノさんのリアクション、というよりもキャラクター自体が魅力的ですね。一言一言が何かツボです。夫くんはアレですけど、、、