できない彼女と、できる私

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第4話「私の好きな人が」(脚本)

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〇異世界のオフィス
水瀬加菜「おはようございます」
一木壮太「・・・・・・おはようございます」
水瀬加菜(もう目も合わせてくれなくなっちゃった・・・・・・)
水瀬加菜(後輩じゃなくなるって、こういうことなんだ・・・・・・)
水瀬加菜(フリーランスになるって決めたのは自分だけど)
水瀬加菜「好きな人に相手にもされなくなるのは厳しいな・・・・・・」
水瀬加菜「これ・・・・・・」
一木壮太「みんなから水瀬さんへ・・・・・・っていうか」
一木壮太「水瀬さんは、みんなから慕われていたから」
一木壮太「個人個人で贈り物を用意したって感じかな」
水瀬加菜「ふふっ」
一木壮太「水瀬さん?」
水瀬加菜「真夏なのに、よく見つけて来られたなーって」
水瀬加菜「見てください」
水瀬加菜「サンタさんがプレゼントを入れてくれそうですよね」
水瀬加菜「ふふっ、ははっ」
水瀬加菜「意外と嫌われていなかったんだなーって」
水瀬加菜「もちろん、周りの空気に合わせてプレゼントをくれた人もいると思うんですけど」
水瀬加菜「それでも、嬉しいなって」
水瀬加菜「私、この会社に勤めることができて幸せでした」
一木壮太「そっか」
水瀬加菜「はい」
水瀬加菜(ん?)
水瀬加菜(餞別にカップラーメン?)
水瀬加菜(誰かが、ご飯のついでに買ってくれたのかな・・・・・・)
水瀬加菜(まあ、こういう『ついで』が普通だよね)
水瀬加菜「・・・・・・・・・・・・」

〇異世界のオフィス
水瀬加菜「体調を気遣うのも大切ですけど」
水瀬加菜「好きな物を食べることも、同じくらい大切だと思うんですよね」
水瀬加菜「好きな物を口にしているときって、少しだけ気持ちが上がりますから」

〇異世界のオフィス
水瀬加菜(まさかとか思っちゃう私は、やっぱり馬鹿なのかもしれない)
水瀬加菜(一木さんは、いなくなる後輩にカップラーメンなんて贈らない)
水瀬加菜「もっとセンスがいいものを贈ってくれるはず・・・・・・」
水瀬加菜「・・・・・・・・・・・・」
水瀬加菜「あの!」
水瀬加菜「一木さん!」
水瀬加菜「私・・・・・・」
市川真央「おはようございまーす」
水瀬加菜「・・・・・・・・・・・・」
「おはようございます」
「今日は残業避けるぞー・・・・・・」
「まだ朝なのに、もう残業の話とかしたくない・・・・・・」
水瀬加菜「・・・・・・・・・・・・」
一木壮太「水瀬さ・・・・・・」
水瀬加菜「なんでもないです」
水瀬加菜「退職の挨拶の準備があるので、失礼します」
一木壮太「・・・・・・・・・・・・」
市川真央「いよいよ今日だね、壮太」
市川真央「壮太?」
一木壮太「なんでもないよ」
市川真央「そう? 元気がないみたいだけど」
一木壮太「俺なら大丈夫だよ」
一木壮太「俺よりも、真央の体を大切にしないといけないだろ?」
市川真央「私?」
市川真央「そうだよね! そうだった・・・・・・」
一木壮太「ん?」
市川真央「安静にしなきゃダメだよね」
一木壮太「・・・・・・・・・・・・」

〇異世界のオフィス
水瀬加菜「入社から今日まで、ご指導をいただき」
水瀬加菜「大変感謝しております」
水瀬加菜「みなさんから教わったことを大切にして」
水瀬加菜「第二の人生を頑張ってまいります」
水瀬加菜「今まで本当にありがとうございました」

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