恋におちたフェミニスト

冬木柊

エピソード3(脚本)

恋におちたフェミニスト

冬木柊

今すぐ読む

恋におちたフェミニスト
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇研究施設のオフィス
  研修が終わり、本格的に仕事が始まった

〇事務所
  わたしは、
  岩見海運を正式に担当することになった

〇研究施設のオフィス
  仕事が本格的に始まると・・
  わたしは岩見海運の追加注文をこなすだけで毎晩遅くまで仕事になった
  二見さん
  鳥取の港の新システムを発注します
  ありがとうございます、承知しました
  二見さん
  発注に際し、見積もりを送ってください
  承知しました
  二見さん
  富山と新潟にも新システムを追加発注します
  ありがとうございます、見積もりを送ります
  二見さん
  請求は各事業所単位で、また富山の事務所は古いので導入できるか現地を視察していただいてからの発注とさせてください
  請求の送付先承知しました
  富山に技術者を派遣し、現地を見て受注といたします
  二見さん
  秋田の事業所にシステムの使い方、店舗データの集約方法を電話で教えてあげてください
二見明日香「それわたしがしないといけない?」
翔太「二見、夜遅くまで大変だな」
二見明日香「そうだね 毎日毎日仕事ばかり、仕事が終わらない・・」
砂田真帆「二見さん 頼まれた岩見海運様の鳥取の見積もりお送りしましたよ」
二見明日香「ありがとうございます」
二見明日香「でも、また富山と新潟に追加注文が入ったのですよ」
砂田真帆「追加なのですね、わかりました、対応します」
二見明日香「いや、もう遅いから明日でいいですよ 漁師さんたちってそういうの大らかなので」
砂田真帆「わかりました」
翔太「砂田さん、うちの西田重工のシステムって今どんな感じでしたっけ?」
砂田真帆「エンジニアさんが今設計中で 納品はご希望通りの月末の予定です」
翔太「よかったー 西田重工さん、そういうこと神経質で遅れるとすごく怒るんですよー」
砂田真帆「西田重工さんは、中村さんの先輩が担当の頃からそうでしたからね、急ぎで対応しました」
翔太「ありがとうございます 砂田さんのおかげですよ」
砂田真帆「じゃ、今日は大丈夫なようなので わたし帰りますね」
「おつかれさまでーす」
二見明日香「砂田さんってすごいね わたしの案件、ほとんど砂田さん」
翔太「あの人は、スーパー派遣社員だからね」
二見明日香「派遣社員・・さん、なんだ・・」

〇ビジネス街
  翌朝

〇研究施設のオフィス
  わたしがパソコンを起動すると・・
  二見さん!
  急ぎで、島根の美保関、笠浦、御津、恵曇、小伊津、十六島、宇龍にシステムを導入してください!!
課長「二見、大漁受注だな!」
二見明日香「でもこれだと、わたし一人で無理ですよ」
課長「そうだな、川崎さんチームに頼んで来い」

〇オフィスのフロア
川崎りおな「ね、昨日、ネットチャンネルのアイドルラブストーリー観た?」
葉村葉子「観たよ、ゆづはやっぱり沼だねー」
川崎りおな「今日も動画公開だよね、たしか?」
葉村葉子「今日は生でライブ配信じゃない?」
二見明日香「川崎さん、おはようございます」
川崎りおな「おはよう、二見さん」
二見明日香「実は大量の受注があって 課長が川崎さんに相談するようにと」
川崎りおな「どんな案件なの?」
二見明日香「急ぎで、島根の美保関、笠浦、御津、恵曇、小伊津、十六島、宇龍にシステムを導入です」
川崎りおな「・・・・・。」
葉村葉子「それって砂田さんに頼めばいいんじゃない?」
川崎りおな「そうね、まず砂田さんに頼んでみて」
二見明日香「・・わかりました」

〇研究施設のオフィス
二見明日香「砂田さん、おはようございます」
砂田真帆「おはようございます」
二見明日香「実は、大量の受注があって、砂田さんに相談したいのです」
砂田真帆「どんな案件でしょう」
二見明日香「急ぎで、島根の美保関、笠浦、御津、恵曇、小伊津、十六島、宇龍にシステムを導入です」
砂田真帆「・・・・・。」
砂田真帆「それはわたし一人では無理ですね 課長さんに相談してみてください」
二見明日香「課長は川崎さんチームにに相談してみてと言って、川崎さんは砂田さんに相談してみてと言うのですよ」
砂田真帆「・・・・・。」
砂田真帆「わかりました、対応します」
二見明日香「よろしくお願いします」

〇ビジネス街
  数ヶ月後

〇研究施設のオフィス
二見明日香「山坂さん、岩見海運の十六島、宇龍のシステム今どうなっています?」
山坂「あ!、すみません・・ 今、エンジニアが対応はしてるはずです」
二見明日香「そうですか」
山坂「確認して、後で連絡します」
二見明日香「わかりました」
磯村「二見さん 岩見海運の東曇のシステム納入しました! ぎりぎりだったけど間に合わせましたよ!」
二見明日香「ありがとうございます」
翔太「すごいな、二見、続々納入だな」
二見明日香「ありがとう、でも毎日毎日、ぎりぎり納入で大変だよ」
翔太「磯村さんは適当だけど納品は守るからね」
二見明日香「その適当な感じがわたしには辛いの」
翔太「まあ終わりよければそれでよしだよ」
二見明日香「その男性的発想がわたしには辛い」
二見明日香「でも最近男性の派遣社員さん多くない?」
翔太「そうだよな 夏が終わって可愛い派遣さんいなくなった」
玲奈「派遣社員は性的ステータスじゃないのよ 女性も男性も関係ない」
翔太「いや、高見沢、そういう意味じゃないよ」
涼子「ベテランさんたちに無理押し付けられて みんな辞めていったみたいだよ」
涼子「だから残るのが心が強い 男性の派遣社員ばかりなんだって」
翔太「そうなんだ」
涼子「たしか、砂田さんも辞めるって聞いたよ」
「えっ!」

〇高層ビルのエントランス
二見明日香「砂田さん、おつかれさまです」
砂田真帆「二見さん、おつかれさまです」
二見明日香「お願いしていた 美保関のシステムはどうなっています?」
砂田真帆「大丈夫ですよ、ほぼ終わらせて 磯村さんに引き継いでいます」
二見明日香「よかったです、ありがとうございます」
砂田真帆「そうなのですね」

〇研究施設のオフィス
課長「砂田さん、中村の大きな契約だ フォローしてあげてほしい」
砂田真帆「わかりました」
翔太「よろしくお願いします 関東全域のシステム構築です」
砂田真帆「全域って何拠点でしょう?」
翔太「えーと、10か所以上らしいです」
砂田真帆「納品日は?」
翔太「二ヶ月くらいですね」
砂田真帆「それって大至急案件ですよ そうですよね?、課長?」
課長「そうだな!」
課長「中村、大至急でシステム設計だ!」
翔太「そうですか、どうすればいいでしょう?」
砂田真帆「まず、納品先の確定と お客さまのシステム担当者の 連絡先を教えてください」
翔太「わかりました!」

〇オフィスのフロア
川崎りおな「じゃ、仕事の割り振りねー」
川崎りおな「楽な案件は葉村さん」
葉村葉子「はい」
川崎りおな「(実績の大きな)この案件はわたし」
川崎りおな「うーん」
涼子「どうしました?」
川崎りおな「涼子ちゃんに任せたいけど 大変すぎるのよ、この案件は」
川崎りおな「あちこちにメールで連絡して その返信の対応も大変なの」
涼子「そうですか」
葉村葉子「砂田さんでいいんじゃない?」
川崎りおな「そうね、この案件は砂田さんで」

〇研究施設のオフィス
砂田真帆「磯村さん、東曇の案件進んでいます?」
磯村「あっ!?️」
磯村「やっていなかった!」
砂田真帆「じゃあ、対応始めてくださいね」
磯村「わかったぜ!」

〇研究施設のオフィス
  砂田さん
  今日夜20時に検収書送るのでよろしく!
  わかりました、対応します
  砂田さん、川崎です
  西田重工さんの九州地域、
  6件に請求書再送付頼みます
  わかりました
  砂田さん、三浦涼子です
  体調が悪く、明日休みますので
  西田重工四国地域の納品連絡お願いします
  わかりました
課長「砂田さん、西田重工の案件 遅れているって中村から聞いた フォローお願いできるかな?」
砂田真帆「はい、対応中です」
  砂田さん、西田重工の上本です
  東海地区の納品連絡ありがとう
  検収書を送ってください
  承知いたしました、対応いたします
  砂田さん、僕の遅れている案件って
  なんだったっけ?
  二見さんの岩見海運です
  そうだった! ありがとう!
砂田真帆「はい、なんでしょう?」
西田重工 上本「あー、砂田さん 今、岩見海運さんの見積もりが届いたけど これって・・・、」
西田重工 上本「なにも見なかったことにするから」
砂田真帆「えっ!」

〇ビジネス街
  翌日

〇研究施設のオフィス
課長「岩見海運の見積もりを間違って 西田重工に送ってしまったか・・」
派遣会社 主任「三田課長、すみません・・」
課長「重大なミスだが、 先方がなにも見なかったことにしたい と言っている・・」
課長「わたしもなにもなかったことにしたい・・」
派遣会社 主任「ありがたいお言葉です・・」
砂田真帆「いえ、それでは許されないミスです」
課長「砂田さん! 僕もなにもなかったことにしたいんだ!」

〇高層ビルのエントランス
二見明日香「砂田さんは、みんなに愛されているのですね」
砂田真帆「愛されてますか・・」
砂田真帆「みんな都合よく便利に愛してくれるのですね」
砂田真帆「今回のことを許していただいても また、みんなに都合よく使われて」
砂田真帆「また一度ミスをすると、 今まで自分がしたことが、 すべてなにもなかったことになります・・」
砂田真帆「それって悲しいだけじゃないですか?」
砂田真帆「二見さん・・」
砂田真帆「さよなら」
  砂田さんは去って行った
  わたしは今までありがとうございました
  も、
  さよならも言うこともできなく
  砂田さんに去られてしまった
  そうなのだ
  わたしもまた、都合よく、
  彼女を便利に使った一人なのだ──。
  わたしはなんてひどい女──。

次のエピソード:エピソード4

成分キーワード

ページTOPへ