Ep0 コンビニ深夜勤務のお仕事 @便利屋来訪赤子-コンビニ来る天才赤ちゃん-(脚本)
〇和室
月の灯で満天の星空はよりキラキラしていた深夜
1人で住むには少し贅沢な一戸建ての家、
その窓際、少し暗いピンクと紫の中間色の様なカーテン、
その中には、暗い部屋の
中でベッドの上でふかふかの布団に包まれた一人の青年が眠っていた。
近くにあった携帯が、2度点滅すると
~~♪
アラーム音を鳴らした。
青年は、眠そうに携帯へ手を伸ばし、時間を見た。
初めは好きだったが、いつも眠い中起こされていつの間にか嫌いになった
携帯のアラーム
本当いつ嫌いになったんだろう?
最初はこれなら気持よく起きれるって思ってたんだけどなぁ・・・・・・。
そんなことを思いながらも、体は勝手に動く。
ゆっくりと体を起こし、ベッドから起き上がる。
携帯電話を明かり代わりに、ふらふらと眠気の残るまま別の部屋に行く
電気をつけ、仕事用のズボンに着替え、携帯電話とipadと充電ケーブル、財布
そして、読みかけだった啓発本を手提げバッグに入れ、髭を剃り、口をゆすいで。
まだ起ききってない身体のまま仕事へ向かう。
〇コンビニのレジ
半年前まで原付きで出勤していたのだが、一応車を持つことになり
快適な通勤になった。
原付き出勤は辛かった。
まず、防寒服に着替えないといけない。夏でも夜は寒いので
出勤の時は、防寒服をほぼ必ず着ていた。
そして、十回の出勤に一度は雨が降るその時が少し大変だった。
今はそうでもない、防寒服も不要で、特に慌てることなく準備して
出勤できる。雨の日の憂鬱な気持ちにもならない。
そんな自分の出勤先は、約5km程離れたコンビニエンスストアだ。
約8分ぐらいで着く。
そんな通勤中何度あくびするだろう。
時間が時間なので目が覚めるまでは少し辛い。
とはいえ、1年半勤めているので大分慣れてきた。
12時55分前後、仕事先へ到着する。
手提げバックを持ち、車から離れ、車の鍵のリモコンボタンを押しロックする。
ロックが出来ると車のライトが光る。
「行ってきます」
別に車に言った訳ではない、
ただそれを言った後に、表情が変わるのだ。
いわゆる、仕事モードというやつだ。
半目だった目は、しっかり開き、ハニカミ笑顔になり、コンビニの自動ドアが開く。
主人公「お疲れ様ですー」
店員A「あっ、お疲れ様ーっ」
店員B「おっつー」
年の近い男女の自分と同じアルバイトが出迎えてくる。
ちょうどレジの精算が終わった所のようだ。
バックヤードに入り、制服に着替え、コンビニのパソコンのキーボードの出退勤ボタンを押して
『1』→『Enter』→名札のバーコードをスキャンする。
※1→出勤 2→退勤 3→休憩入り 4→休憩戻り である。
再び、アルバイトの男女に挨拶をし、ふーっと深呼吸。
心のなかで、『今日も頑張る!』と念じながら
ファーストフードを入れる紙のケースを作る。
箱を広げ、爪楊枝をつけるだけの簡単な仕事なのだが
朝方にこれをやるとお客の波で中々出来ないのだ。
数分で終わる作業の後、時折くるお客さんのレジをしながら店内の床清掃モップがけをする。
水がついたモップで普通に掃くだけでいいのだが、時折、靴で擦ってこびり付いた汚れがあるのだが、
そこは、モップを足で押さえつけ床に擦り付けてとる。
力を込めてこすりつけないといけないので、意外と体力を使う。
そんなこんなで店内の半分を清掃していると引き継ぎ事項があれば、教えてもらい
何もなければ、レジの差額の報告だけを聞き、僕が入る前の時間に働いていた2人は、少量のコンビニ廃棄を貰い、
少しの買い物をして帰っていく。
店員B「お疲れ様ー、後宜しく」
店員A「またねー」
主人公「お疲れ様」
適当に挨拶をして、モップでの清掃を終わらせる。
今度はパソコンで、返本案内(販売期限切れの雑誌一覧表)を出し、その本を探す。
〇コンビニの雑誌コーナー
少年雑誌から始まり、週刊誌、情報誌、単行本、ついでにエッチな本
返本案内を見ながらその本を探す。
最初のうちは凄く時間がかかったが、今ではなんとなく、どれがどの雑誌かがわかる。
時間がかかったというのは、『bibi』という雑誌があったとする、雑誌の表紙上部に書かれている『bibi』という文字
その文字の半分以上がが表紙のモデルに上書きされていて、凄く認識し辛いのだ。
しかし、1年半も働けば、なんとなく雑誌の表紙傾向がわかり、
殆ど隠れている雑誌ロゴの一部で何の雑誌かがピンと来るようになるのだ。
返本案内を頼りに返本回収が終わると、今度は返本作業である。
〇店の事務室
ペットボトルのお茶やお菓子が入っていた段ボール箱を利用して
返本作業をする。
手順は以下のとおりだ。
返本ページを呼び出し、返品する雑誌・本のバーコードをスキャンし、個数を入力する。
段ボール箱が区切り良く一杯になったら、(一箱や二箱) 確認キーを押し、伝票を印刷する。
物品受領書と店内控え の2種類が印刷される。
その伝票に検収印を押し、物品受領書とかかれている方を箱の一番上に入れ
ガムテープで封をし、ダンボール正面に、シールを張って完成だ。
〇店の事務室
それが終わると暫くの自由時間、仕事の時間は、深夜1時から朝の8時半前後までなので
強制的に休憩時間が45分入っている。
とはいえ、防犯カメラを見てレジから目を離すことは出来ない。
コーヒーマシンの清掃を忘れていたので取り掛かる。
マシンの清掃は結構簡単で、操作をすれば殆ど自動でやってくれる。
時間になったらコーヒーマシーンが、『ピーッピーッ』と音で知らせてくれるので
バックヤードで時折防犯カメラを見ながら、自由な時間を過ごす。
来客のベルを当てに防犯カメラを見たいのだが、極稀に来客のベルが鳴らない時があり、
気がつけばお客さんがレジに居たという経験を何度かしたことがあり、
それから心底くつろげる時間はなくなり、家から持ってきた本の読書効率も落ちた。
とはいえ、1時半から6時までの間、仕事の量はそこそこあるものの
ご飯は食べれるし、マイペースでやれるのは凄く楽だ。
時々忙しくて、休憩時間が全く取れない時もあるが、
平均的に毎日差し引かれている45分休憩で引かれている+α休めているので今の仕事は、特に不満はない。
〇コンビニの店内
そして、三時を過ぎた当たりで、冷凍便(冷凍食品・アイス・店内調理のファーストフード・中華まん・他)が来て、
検収印を押していると、程なくして、パンの便が来る。
内容はというとデザート系と、菓子パン、調理パンなどが来る。
日によって少ない時と多い時があるがお客が来なければ十数分で終わる量だ。
そして、店内調理のパンの具材をフライヤーで調理しながら、揚げている間の時間を待ち
それらの商品の陳列をする。 時々くるお客さんの相手をしながら
夜は明けていく。
四時過ぎると、少しゆっくり出来る時間がある。
とはいえ、レジ周りの清掃をしたり、
棚に虫やホコリがたまってないかを確認もしないといけない
そうこうしていると、四時半が過ぎ、一番忙しい朝の弁当便が来る。
おにぎり、弁当、サンドイッチ、パスタやラーメン、うどんなどの麺類
更には飲料も来るので、結構な量と時間がかかる。
そして、週刊誌やマンガなどが来る。
働いていて驚いたのは、週刊少年ジャンプは、毎週約四〇冊ぐらい来るということ
平均的に八割型売れ、時にはその日中に完売することも多々あった。
因みに、その他の雑誌は、それに比べるとかなり少ない
朝四時半からは、本当に忙しくお客がいない時に、制服を脱ぎ、一度トイレに行くぐらいしか休む暇はないが、
気がつけば六時が過ぎて、調理をする人とレジのフォローをしてくれる人が来ているので時間の経過はあっという間に感じる。
そして、レジのフォローをしてくれる人が来る少し前から店内調理のファーストフードを揚げ始め、
ファーストフードのケースの内面を拭きあげる。
そして、六時半頃にオーナーが来て、後は適当に接客をしながら、商品の前置、売り切れたファーストフードを揚げ、
8時半になる頃に、お仕事終了だ。
そして、少しだけ廃棄を貰って、家に帰り、二、三時間適当に過ごしてから眠る。
昔は、連日勤務の時もあったが自分の体のためと自分のやりたいことのためシフトを減らしてもらい7割型次の日は休みだ。
収入は少なくなるものの、自分の好きなこと将来のことと常に向き合える生活環境は悪くはないと思う。
そして、5時間から7時間の睡眠をとり、目を覚ましてから、本を読んだり創作に打ち込んだりする。
とま、長々と語ってしまったが、これが僕の(コンビニ)深夜勤務である。
そんな深夜勤務の日々に予期せぬ変化が訪れたのは、その少し後だった。
それから約半年程たった頃だった、変わったお客さんが来ることになり、それはボクの人生を変えるキッカケとなった。
同じ会社でも支店や支社が変わるだけでも覚えないといけないことが沢山ありますよね。コンビニで働いた経験はないですが、発注、レジ、管理、掃除・・短期間に集中して頑張れば、色々なことが覚えられますね。接客がマニュアル的すぎる場面にがっかりすることもありますが、やはりコンビニがないと困る人たくさんいるように思います。すごく読みやすい文章でした。
時間経過も交えた深夜勤務の空気感がリアルに伝わってきますね。雑誌関係は、慣れていないと最初は手間取りますよね。ビックコミックもスピリッツやらスペリオールやらがあって、どれがどれだかという感じでw