白い月の光

ましまる

拍手喝采(脚本)

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〇テーブル席
美由紀「ところで、アンタって、 クラシック音楽について語り合う相手って 今までいたの?」
美由紀「アタシは周囲にピアノ関係者がいて、 いつでもそういった会話はできていたけど」
わたし「いやいや、ほぼゼロですね!」
わたし「「クラシック音楽好き」は公言してたけど そもそも「クラシック音楽」の範囲って すごい広いじゃないですか!」
わたし「同じ「漫画好き」でも、 純粋培養の「りぼんっ子」と、 「福本和行先生信者」が、 必ずしも共感し合える訳ではないように」
美由紀「それは分かりやすいかも・・・ アタシは少女漫画は好きだけど、 ギャンブルしないから、福本マンガは 無理だからね・・・」
わたし「クラシック音楽もそうですよね? 時代によって作風が全く違うし、 宗教音楽、器楽曲、オペラとか、 ジャンルも多様ですから」
美由紀「確かに! アタシはピアノ関係は詳しい自信あるけど オペラとか全然知らないから」
わたし「ピアノ経験者はショパンやリスト、 クラシックバレエならチャイコフスキーと 「軸」になる存在がいて共感しやすいけど」
わたし「それ以外のジャンルを好きな人は、 心底理解し合える存在を見つけるのは 結構難しいのですよ」
美由紀「まぁ確かに・・・」
美由紀「ちなみにだけど、 アンタの好きな時代やジャンルは 何なの?」
わたし「そうですね、一番好きなのは バロック期の音楽ですね。 宗教曲よりも器楽曲のほうが!」
わたし「J.S.Bach なんて大好きです!」
美由紀「大バッハが好きな人はたくさんいるから、 すぐに「同好の士」が見つかりそうだけど」
わたし「それが、J.S.Bach を好きな人って、 プライドが高すぎる「信者」タイプが 多かったんですよ・・・」
わたし「マウントを取りたがる人も多くて、 「同好の士」なんて空気を築くのも 無理っぽかったですね・・・」
美由紀「うわー、メンドクサー!」
わたし「ですので、 「なんとなく音楽が好き」タイプとの 交流を築くほうが気楽で楽しいです」
わたし「市民オーケストラだとか、 高校の吹奏楽とかの演奏会には、 よく誘われて聴きに行っていましたね!」
美由紀「「親戚が・・・」とか 「友人の友人が・・・」とかで、 お誘いを受けることが多いよね!」
わたし「はい、高校生の時はそういった理由で、 音楽に全く縁のない人から誘われることも 結構ありましたね」
わたし「「聴くときのマナーってあるの?」とか 真顔で聞かれたりしたり」
美由紀「あー、行ったことないと気になるよね! 特にクラシックって、 敷居が高いイメージがあるからね!」
わたし「そうなんですよ! 「スタンディングオベーションって、 やっぱりしたほうがいいの?」とか・・・」
美由紀「やっぱり、クラシック演奏会って そのイメージも強いよね!」
わたし「まあ、聞かれたら、 「やりたければしてもいいけど、でも、 日本ではレアなので相当目立つよ」と 答えてました」
美由紀「会場で1人だけやっている人もいるけど、 アレかなり目立つよね、悪い意味で・・・」
わたし「同感です。 曲の余韻を味わいたいときに、 アレをやられたら邪魔でイラっとしますね」
美由紀「うん、気持ちはわかる!」
わたし「それで、高校生の時なんですけど、 スタンディングオベーションの経験を 同級生に聞かれたんですよ」
わたし「私はその経験がないことを伝えたうえで、 こう言ったんですよ」
わたし「「心から感動する音楽に出会って、 会場で是非ともやってみたい!」と」
美由紀「うわー、素敵なセリフ!」
わたし「でも、このセリフのせいで、 またもや厄介事が起こったんですよ・・・」
美由紀「えっ、また!?」
わたし「ちょっとイカガワシイ内容のデマが 周囲に広まることになりまして・・・」
わたし「犯人は先日の「ドビュッシー事件」の 連中で・・・」
美由紀「またソイツらっ!?」
美由紀「で、どんなデマを流されたの?」
わたし「私が変態痴女で、 その性癖を大っぴらに語っていると・・・」
美由紀「へっ、何で?」
美由紀「その性癖って、どんなの?」
わたし「私の性的願望が、 演奏会の観客席で、 公衆の面前で立ちオ●ニーをしたい! というものです」
美由紀「そんな具体的な性癖、一体どこから・・・」
わたし「先程のスタンディングオベーションに 関する会話を、 連中は断片的に聞いていたみたいで、」
わたし「しかも、 「スタンディングオベーション」を、 「マスター▲ーション」の一種だと 勘違いしたみたいなんです・・・」
美由紀「ソイツら、サイテー!!」
わたし「誤解を解くのに大変だったんですよ! そんな恥ずかしい話を、 何度もする羽目になったのですから!」
美由紀「でもさー」
美由紀「「誤解を解く」ってことは、 周囲の人は一旦は信じたってことよね?」
わたし「はい・・・」
美由紀「それって、 「アイツならやりかねない」と思うような 言動が、普段からあったんじゃないの?」
美由紀「アンタの自業自得なところも、 多分にあった気がする!」
わたし「うっ・・・」

次のエピソード:四重奏~quartette~

コメント

  • クラシックはよくわかりませんが(すみません)、漫画の例えはよくわかりました。噂話をする人たちは、どんな妄想をしながらイメージを膨らませ噂を流してるんでしょうね笑

  • クラッシックの音楽の範囲が例えが分かりやすかったです!マンガの例えに出て笑ってしまいましたwそれぐらい範囲が広いんですね!

    そして、クラッシックのマナーからの、まさの『ドビュッシー』再来😆スタンディングオベーションも彼らにとっては恰好の的なんですねw

  • やっぱり楽しい😆ずっと聞いてられますね👍
    ドビュッシー事件の誤解にクスッと来てしまいました😂

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