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第2話 ドブネズミ編(脚本)

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〇黒
  父との最後の会話は良く覚えている
  あ?何?死にたいだ?
  こんな惨めな生活になったのは
  お前らお荷物のせいだろうが
  死んで楽になりたいは
  こっちのセリフなんだよ
  その日
  私は初めて神様というものを知った

〇黒
  私は1つ、他の人とは決定的に違うところがある

〇黒
  私は神様が見捨てたクズを⋯

〇白

〇小さい会議室
  NS製薬会議室
野本明美「・・・・・・・・・」
野本明美「折角私が会議室のセッティングをしたというのに・・・」
野本明美「全員オンライン参加ですって!?」
野本明美「ベテラン社員はともかく、新人は挨拶兼ねて顔を見せにくるものでしょう」
野本明美「これだから、ゆとり世代は嫌なのよ 全て受け身、ストレス耐性0、要求だけは一丁前・・・」
野本明美「はぁ・・・ これはOJT(教育係)にも責任があるわね」

〇オフィスのフロア
永井啓介「・・・って事がありまして」
後藤美鈴「総務部の新人一同、野本さんの逆鱗に触れてしまいました・・・」
藤井ゆい「まあ新人に小言を言うのが毎年の恒例行事だから、あまり気にしなくていいよ」
藤井ゆい「そもそもコロナ禍だから、 オンライン参加も可能って会社が認めている訳だしね」
永井啓介「はい、自分もそう言ったのですが・・・」
後藤美鈴「建前を文字通りに受け取ってラクしていたら、社会人失格と怒られ」
永井啓介「新人なんだからはじめに礼儀はしっかり学びなさいと」
永井啓介「結局会議室に呼び出され、1時間近く礼儀を叩き込まれました・・・」
(オンライン会議の意味が・・・)

〇小さい会議室
  野本明美さん
  人事部の係長である。
  NS製薬に新卒で入社してから約25年、この会社に対する思い入れは大きく
  新人に対する「熱心な指導」でも有名な
  おつぼ⋯ベテラン社員である。
野本明美「藤井さん」
野本明美「あなた、総務の新人のOJTよね」
藤井ゆい「はい、そうです」
藤井ゆい「先日のオンライン会議の件でしょうか?」
野本明美「そうじゃないわよ」
藤井ゆい「え?」
野本明美「ああいうのは、氷山の一角にしか過ぎないの」
野本明美「根本的な人間性に問題があったら 起こしたトラブルをいくら注意してもキリがないでしょ」
藤井ゆい「ええっとつまり・・・ 彼らの根本的な人間性に問題があると?」
野本明美「そうよ」
野本明美「入社してから約半年、少しは社会人らしくなってるかと思いきや・・・」

〇休憩スペース
  この間も
永井啓介「会社から髪色の規制は特にないって聞いてたのにさ」
永井啓介「先週髪染めてきたらさ 「おつぼねさん」にすごく睨まれたよ・・・」
後藤美鈴「でも永井は男だからまだ良いよ」
後藤美鈴「私が染めてきた日には「おつぼねさん」にまた会議室に監禁されるわ・・・」
永井啓介「しかもあの監禁お説教タイムさ」
永井啓介「内容より、おつぼねさんが密室でノーマスクで怒鳴り散らす方が気になっちまって」
後藤美鈴「わかる! お年寄りアルアルだよね、話す時に限ってマスク外すの!」
「はあ・・・」
  私がいないと思って随分好き勝手に言ってくれてたけど

〇小さい会議室
野本明美「チャランポランすぎて、話にならないわよ」
藤井ゆい(まあ永井と後藤も気を抜き過ぎだけど・・・)
藤井ゆい(この人、そこまで言われてなお 私にもノーマスクで怒鳴り散らすのね・・・)
藤井ゆい「そうですね・・・ 私の教育が行き届いていなかった点は申し訳ありません」
野本明美「ええ、この件は、本部長にも報告します」
藤井ゆい「は?」
野本明美「幸いにもまだ本採用前ですからね。 本採用は見送る様に人事部長と本部長に伝えておきます」
藤井ゆい(この勢いで恭介さんにも怒鳴り散らすのか?)
藤井ゆい(恭介さん持病もあるから・・・ 余計な菌をばら撒いてほしくないんだけど)
  ああ・・・
  こういう動物、何だっけな・・・
  あっちこっちに
  動き回って菌をばら撒く・・・
藤井ゆい「あ、ドブネズミだ!」
野本明美「はっ!?何!?ネズミ!?」
藤井ゆい「いや、ドブネズミ」
藤井ゆい「まあ、それはともかく」
藤井ゆい「本部長は出張中ですから、メッセージでご連絡されるのが良い──」
野本明美「重要な事は対面で言わないと伝わらないでしょう!」
藤井ゆい「では、ビデオ通話で宜しいのでは?」
野本明美「はぁ・・・ なるほど・・・」
野本明美「あなたがその調子だから、彼らもお子様のままって事ね」
野本明美「良いわね、若いままで」
野本明美「私もあなた達みたいにお子様になって、能天気に過ごしたいわ」
野本明美「それじゃあ 出張から帰ってきたら、お伝えしとくわね」
藤井ゆい「ふーん、そうなんだ」
藤井ゆい「ドブネズミの駆除方法は、調べなくても良さそうね」

〇黒
  神様というものは慈悲が深いらしい
  ならば
  慈悲のない天使も
  必要でしょう?
  そう
  祈る神もない害虫は
  赦す必要もない

〇個別オフィス
  人事部長室
藤井恭介「え?」
藤井恭介「は!?」
藤井恭介「ど、どういう事だっ!?」
藤井恭介「な、何で人事部長室に赤ん坊が!?」
藤井恭介「お、俺は・・・ 人事部長の隠し子を見てしまったのか?」
清水康範(人事部長)「おはよう、藤井君。 朝から打ち合わせの予定だ──」
清水康範(人事部長)「き、君!!!」
藤井恭介「清水さん・・・」
清水康範(人事部長)「藤井君・・・」
  二人の間に、余計な詮索はしないという日本人特有の謎の気遣いと、盛大な勘違いが発生した。

〇おしゃれなリビングダイニング
藤井ゆい「恭介さん、おかえりなさい」
藤井恭介「ああ、ただいま」
藤井恭介「はは、今日は朝から酷い目にあったよ・・・」
藤井ゆい(人事部長がこっそりカタを付けると思ったのに、まさか恭介さんも居合わせるなんて)
藤井恭介「ん?何か言ったか?」
藤井ゆい「ううん、疲れたよね? ご飯食べよう!」
藤井恭介「ああ、いつもありがとうな!」
藤井恭介「そういえば・・・」
藤井恭介「会議室にネズミが出たとかいう話を聞いたが、大丈夫だったか?」
藤井ゆい「うん、変な感染症持ってたら危ないし、さっさと駆除しちゃったよ?」
藤井ゆい「ネズミ自体は可愛いんだけど」
藤井ゆい「ドブネズミは害虫だからね」
藤井恭介「最近害虫と無断欠勤が良く出るな・・・」
藤井恭介(あの規律に厳しい野本さんが無断欠勤なんて・・・)
藤井ゆい「大丈夫、害虫は私がしっかり駆除しておくから」
藤井ゆい「恭介さんは持病があるんだから、 無茶はしちゃだめだからね」

〇ソーダ
  ドブネズミ駆除完了★

次のエピソード:第3話 ムカデ編

コメント

  • 次はどんな害虫や害獣が出るかと思うとワクワクしますね!
    力?のルーツも気になります

  • ドブネズミ…なるほど、妙に納得!!(失礼)
    方法はファンタジーだけどやっぱりサイコ😂
    赤ちゃんを前に察し合う男二人がツボでした🤣
    それにしてもすごい技術力の製薬会社😂

  • 粛々と害虫を駆除していくゆいさんの手際に惚れ惚れします!

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