エピソード1 笑顔の裏側(脚本)
〇豪華な部屋
リア「行ってきます、お父様、お母様」
私は、毎朝亡くなった養父母の遺影に
挨拶をしてから出かける。
今日から、大学の新学期が始まる──。
???「待ちなさい、リア」
リア「お兄様・・・」
私を呼び止めたのは、義兄(あに)の
アルフレッド。
とても・・・優しい人だ・・・
だけど・・・
アルフレッド「ほら、髪から耳が出ている。 身だしなみには気をつけなさい」
リア「ありがとう、アルフお兄様」
アルフレッド「俺も一緒に出よう。 ・・・行ってきますのキスを──」
リア「・・・・・・・・・・・・」
行ってきますのキス──
それは、私たち兄妹の間では当たり前の
事だった。
だけど、養父(ちち)が生きていた頃は、
頬にキス、だったのに──。
義兄はいつしか、私の唇を求めるようになった。
口の中で、ねっとりとしたものが絡みつく。
リア「・・・・・・・・・・・・」
リア「お兄様・・・。 こういう事は・・・もう・・・」
アルフレッド「もう・・・なんだ?」
リア「・・・・・・・・・・・・」
私は、その先を言えずにいた。
アルフレッド「戦災孤児のおまえを養いここまで育て、」
アルフレッド「しかもゴンドル族であるおまえを 匿っている恩を仇で返すつもりか・・・?」
リア「決して、そういうつもりでは・・・!」
〇戦場
私は、戦争中に養父に拾われた。
赤ん坊の頃、森の中に放置されていたらしい。
敵対していたゴンドル族の赤ん坊であるにも関わらず、養父母は私を育ててくれた。
〇豪華な部屋
義兄も、昔は私をかわいがってくれた。
しかし、数ヶ月前に養父が亡くなってから、
義兄は変わってしまった────。
〇新興住宅
お隣さん「あら、おはよう〜。 アルフレッドさんにリアちゃん」
アルフレッド「おはようございます」
リア「おはようございます・・・」
お隣さん「いつも兄妹仲が良くていいわね〜。 うちの子たちなんて、いつもケンカばかりで・・・」
アルフレッド「ええ。 リアは本当に良くできた妹で・・・」
リア(ああ・・・)
リア(外面だけは、いいんだから・・・)
〇大学の広場
アルフレッド「じゃあな、リア。 今日もまっすぐ帰ってくるんだぞ」
リア「はい、お兄様」
リア(・・・抗えない)
このまま逃げ出してしまいたいと、
何度思ったことか。
・・・でも
ゴンドル族である私には、行く当てなど
ないのだ────。
リア(お父様・・・)
リア(なぜ、私を助けたのですか・・・?)
〇大学の広場
大学での講義を終えると、近くで義兄が
車を停めて待っていた。
アルフレッド「リア。 やっぱり心配だから、迎えにきたよ」
ジェシー「きゃあー! 誰、あのイケメン!」
モニカ「えっ? リアのお兄様なの!?」
リア「お兄様、今日は友達と帰るから・・・」
ジェシー「何言ってるのよ、リア! せっかくイケメンのお兄様が迎えに来て くれたのに!」
モニカ「そうよ。あたしたちとは、また大学で 会えるでしょ?」
リア「えっ、でも・・・・・・。 私もパンケーキ行きたい・・・・・・」
アルフレッド「リア」
「きゃあーーーーっ!」
リア(ああ、もう・・・ 人の気も知らないで・・・)
リア「うう、わかりました・・・」
リア「ジェシー、モニカ、 またパンケーキ行こうね」
ジェシー「うん、また今度!」
アルフレッド「すまないね、君たち」
「い、いえいえ! パンケーキはいつでも行けますから!」
モニカ「じゃあね、リア」
私は、2人と別れ、しぶしぶ義兄の車に
乗った。
彼女たちは知らない──。
義兄の本当の顔を。そして、私がこれから“何をされるのかも”
〇豪華なベッドルーム
リア「あ・・・あぁっ・・・!」
こんな事は間違っている。
間違っているのに・・・
身体は反応してしまう・・・
アルフレッド「友達とパンケーキか・・・ いいご身分だな」
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口では憎しみを語っているが、その胸中は果たして…。
まだ1話ではタイトルの意味も含め未知の部分が多くて、続きが気になりますね!
ドキドキ……😳😳😳
少し照れながら読んでいます。
義兄様は憎しみは故に歪んでしまった愛情になったのかそれとも、本当に復讐になると思って行動しているのか気になります😆😆😆😆😆😉
あ……好きですこの感じ(〃´෴`〃)テレテレ♡
こちらも楽しく読ませていただきます!