S級スキル竜化持ちの俺、トカゲと間違われて実家を追放される

猪木洋平

エピソード2 第一王子、トカゲになる(脚本)

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〇豪華な王宮
  ゴゴゴゴゴ!
  俺からあふれる闘気と魔力を受けて、周囲が揺れている。
ガルド「こ、これは・・・・・・!」
バリオス「おお・・・・・・!」
  ガルドと父上が驚いたような顔をしている。
  今までの竜化よりも、手応えはある。
  これはひょっとするとひょっとするかもしれない。
  俺は最後の仕上げとばかりに、力をさらに開放する。
ライル「ぬああ! ぬあああぁー!」
  ゴゴゴゴゴ!
  周囲にさらなる振動が伝わる。
  俺の周りに、砂ぼこりが巻き起こる。
  そして、その砂ぼこりが収まり始めた。
  変化した俺の姿を見て、父上、ガルド、それに他の者たちが息をのむ。
  そしてーー。
バリオス「ちっ。期待させおって」
ガルド「ぷははははっ。やっぱり、無能のライルにはその姿がお似合いだぜ」
ガルド「図体だけはでかい羽付きトカゲに変化したところで、何もできやしねえよ」
ライル「また・・・・・・失敗か・・・・・・」
  S級の竜化スキルではあるが、今のところはこの羽付きトカゲの姿になる力しかない。
  体長は2メートルぐらい。
  下級の兵士や一般冒険者よりは強いだろうが、これがS級スキルの力だとは思えない。
ガルド「はっ! これで分かったろ? 無能のライル」
バリオス「改めて宣言する。ライル、お前を我がブリケード王家から追放する!」
  周りに立っている貴族たちが、俺に侮蔑の視線を向けてくる。
バリオス「ふん。いつまでそこにいる気だ? ライルよ。さっさとここから立ち去れ!」
ガルド「はっ! なんなら俺が、ぶっ殺してやろうか? なあに、ただのトカゲ退治だ。だれも気にしないぜ」
  ガルドが剣を抜き、俺ににじり寄ってくる。
ライル「ま、待ってくれ。俺とお前は、兄弟だろう? 自分で出ていくから、その剣をしまってくれ」
ガルド「お前みたいな無能が兄だなんて、俺の人生の汚点だよ。兄弟だなんて、二度と口にするな。死にさらせやゴミが!」
ライル「ひいいっ!」
  俺はトカゲ状態のまま、命からがら王城の謁見の間から逃げ出した。
  後ろでは、俺をあざ笑う父上や貴族たちの声が響いていた。

次のエピソード:エピソード3 第一王子、街から逃げ出す

コメント

  • 授かるスキルにランクがあるのが面白いです!
    これからライルがどのように進んでいくのか楽しみです☆

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