ネクタイリング

サトJun(サトウ純子)

理想の幸せ(脚本)

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〇モヤモヤ
  どうして、あの、ネクタイリング
  まだ、してるんですか?
  ”俺、今でも玲菜が一番好きだから”
  涼太はそう言った。

〇テラス席
  ・・・だから、なに?
河村杏奈「・・・なの! ねぇ!玲菜。聞いてる!?」
岩本玲菜「あ、ごめん」
岩本玲菜「ちょっとボーっとしてた。 なんだっけ?」
河村杏奈「だからぁ。今回の夫婦喧嘩の原因!」
河村杏奈「「夕飯、何食べたい?」に対する旦那さんの返事が、いつも「なんでもいい」問題よ!」
岩本玲菜「「なんでもいい」って言うんだから、むしろ楽なんじゃないの?」
河村杏奈「それが違うのよ!」
河村杏奈「「じゃ、焼き魚にしようかな」って言うと、「魚じゃない方がいいなー」って」
河村杏奈「「じゃあ、肉もの?ハンバーグとか?」って言えば「脂っこいのを食べる気分じゃない」とか言うし」
河村杏奈「「それじゃあ、何なら食べられそう?」って聞けば「思いつかない」って・・・」
河村杏奈「ホント、ばっかじゃないの!」
岩本玲菜「まあまあ」
河村杏奈「こっちは、朝、昼、晩と、毎日つくってるのよ!」
河村杏奈「たまには、メニュー考えて欲しい!」
岩本玲菜「私は、夜は晩酌とおつまみだけってことが多いから、しっかりした夕飯、羨ましい」
河村杏奈「えー。私はたまには一人で好きなもの食べたいけどなー」
河村杏奈「余分なものがない、スッキリした部屋で、間接照明つけて」
河村杏奈「”今日はワインにしようかなー” って、顔パックしながらお洒落な部屋着でソファーに座ってるの!」
河村杏奈「・・・」
河村杏奈「・・・はぁ。玲菜が羨ましい」
岩本玲菜「なにー。ため息なんかついて!」
岩本玲菜「この年で独身、彼氏無しだと、いろんな意味で気を使われたりするのよ」
岩本玲菜「かと思えば、「子供が急に熱出して。仕事、お願いできますか?」って」
岩本玲菜「ひとりだから大丈夫でしょう?、的な扱いも受けるし」
岩本玲菜「さすがに『誰かの愛人していて、行き遅れたんじゃないか』って噂された時は、キレたけど」
岩本玲菜「・・・」
岩本玲菜「私の理想はね。台所で音楽を流しながら夕飯の準備をしているの」
岩本玲菜「”ただいまー!ママ!今日の夕飯、カレーでしょ!” って、覗き込んでくる子供」
岩本玲菜「”パパが帰ってくるまでに、宿題終わらせておきなさいねー” と、笑顔で振り向く私」
岩本玲菜「・・・」
岩本玲菜「・・・はぁ」
  そんな事を、夢見た日があったなぁ・・・

〇シックなリビング
足立涼太「・・・」
足立涼太「なんだよ、これ」
足立涼太「目玉焼きは黄身が半熟って言っただろ?」
足立涼太「本当にオメーはなんもできないヤツだなぁ」
足立涼太「昨日の晩飯も、冷えた飯なんて食えないから捨てといたわー」
足立涼太「あ?親の誕生日?そんなの知るかよ。 俺にはかんけーねー」
足立涼太「俺はお前の親と付き合ってんじゃねーから」
足立涼太「俺を優先できねーなら、親との縁切れよ。 今すぐ。ほらぁ」
足立涼太「あー、面倒くせー」
  いつか、変わってくれると思っていた。
  それなのに、その前に
  涼太は私の前から
  去った。
  私には手にする事ができない幸せ。
「・・・今、パパ、電話中だから。 うん。カイシャの人。そうそう。 ノボルだよ。 ちょっと待ってて」
「・・・怖い夢見たの? わかった、わかった。ママと一緒に絵本読んであげるから」
  ──どうして、涼太は手に入れてるの?

〇テラス席
  涼太は変わったのだろうか。
  ・・・変えたのは美桜さん?
岩本玲菜「・・・」
岩本玲菜「家庭を持ってる、杏奈がうらやましい・・・」
岩本玲菜「一人って寂しいわよ」
岩本玲菜「実家の母から電話がかかってくると、なんか申し訳ないって思っちゃうし」
岩本玲菜「淡々と過ぎていく日々が、とにかく恐ろしい」
河村杏奈「・・・」
河村杏奈「やっと、本音を話してくれたわね!」
河村杏奈「まだ、33歳じゃない! これからよ!」
河村杏奈「その前に」
河村杏奈「決着つけなきゃね!」
河村杏奈「足立さんの事が気になっているんでしょ?」
岩本玲菜「そ、そんな事ない・・・」
河村杏奈「そんなわけないでしょ!」
岩本玲菜「・・・えー」
河村杏奈「・・・」
河村杏奈「この間、足立さんと偶然会った瞬間の玲菜の顔、凄かったのよ」
河村杏奈「今まで見た事がない顔だった」
岩本玲菜「・・・そうだった?」
河村杏奈「最初は、焼けぼっくいに火がついたと思ってたんだけどね」
河村杏奈「飲みに行った時は、足立さんの話題が出ると凄く怖い顔になって」
岩本玲菜「・・・」
岩本玲菜「足立さん。お子さんの年齢からすると、私と別れてすぐに結婚したのかなーと・・・」
河村杏奈「えーっ!二股疑惑!? それは許せん!」
岩本玲菜「付き合っている時から、元カノの話しは聞いていたんだけどね」
河村杏奈「奥さん、その元カノなのっ!?」
岩本玲菜「そうみたい」
河村杏奈「さいてー!」
河村杏奈「飲みの日、玲菜、なんか殺気立ってたから。 そりゃー、私でもそうなるわ」
岩本玲菜「殺気・・・立ってた?」
  ”また、あの女と比べたの・・・?”
  ”それは愛なの? 情なの?”
  ”ハッキリしなさいよ!”
岩本玲菜「・・・えっ?」
  ──今の声、私?
岩本玲菜「・・・」
岩本玲菜「・・・思い出した」
岩本玲菜「ねぇ、杏奈」
岩本玲菜「今から少し付き合ってくれない?」
  確認したいことがあるの──

〇華やかな寮
岩本玲菜「さすが杏奈。 ママネットワーク情報、完璧ね! 助かったわ」
河村杏奈「こんなの、朝飯前よ!」
河村杏奈「で、いきなり奥さんに詰め寄るの!?」
岩本玲菜「さすがにそんな事はしないわよ」
岩本玲菜「ちょっと確認したい事があって」
河村杏奈「奥さんの顔、知ってるの?」
岩本玲菜「ううん。知らない」
河村杏奈「じゃあ、わかるわけないじゃんー」
河村杏奈「まぁ、知ってても、こんなに大勢のお迎えの中では見つけられないわよー」
岩本玲菜「・・・」
岩本玲菜「ねぇ、あの人。 あの、ショートカットでグレーのスーツを着ている人」
河村杏奈「ああ、あの街灯のところにいる人ね?」
岩本玲菜「多分、あの人が奥さまだと思う」
河村杏奈「な、なんでわかるの!?」
岩本玲菜「杏奈。悪いけど、声かけてくれない? あの人の声が聞きたいの」
岩本玲菜「私は電話で『声バレ』してるかもしれないから」
河村杏奈「いいけど、何て言えば良いの?」
岩本玲菜「「赤井さんですか?」で大丈夫」
河村杏奈「えっ、えっ!なになに? なんか探偵みたい!ワクワクしてきた!」
岩本玲菜「怪しまれないようにできる?」
河村杏奈「どれだけ昼ドラ見てきたと思ってんのよ」
岩本玲菜「じゃ、行くわよ」
河村杏奈「任せてっ!」
「あのぉ。 すみません」
「・・・はい。なんでしょう?」
「同じ広報の赤井さん・・・でしたよね? 今日のミーティングの部屋を忘れちゃって」
「・・・」
「・・・いえ。私は会計の足立です」
  ・・・ビンゴ。

次のエピソード:ネクタイリング

コメント

  • 魚を三枚におろすときの、うろこを取るような、一つ一つ作業をすすめるように、相手に近づく玲菜さん。行動の理由が次回で明かされる、勝利の方程式ですね。

  • 2話目にして急展開!!
    目的が決まると行動に移すまでの時間が早いですよね😆思わず応援したくなっちゃいました📣

  • 昼ドラで得た能力!
    次回山場ありそうですねぇ。さて、美桜は何を語るか

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