魔王コレクターK

エピソード1(脚本)

魔王コレクターK

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〇神殿の門
K「私は魔王コレクターK」
K「美しき人形の魔王、ジュリアよ お前を幸せにする 早くこの扉を開けろ」

〇謁見の間
魔王ジュリア「・・・お前が魔王コレクターKか」
魔王ジュリア「古今東西の魔王をたぶらかし 監禁しているという・・・・・・ 気持ち悪いぞ」
魔王ジュリア「幸せにするなんざ傲慢極まりない 不埒者めが」
魔王ジュリア「一刻も早く私の城の前から立ち去れ さもなくば魔王の雷で八つ裂きにするぞ」

〇神殿の門
K「私は狙った魔王を手に入れるまで 不死身だ」
K「魔王に恋い焦がれる気持ちが 私に永遠の命を授けるのだ」
ジュリア「これまでの魔王では満足できなかったのか?」
K「私はすべての魔王が欲しい」
K「全て手に入れるまで 不死身なのだ」
ジュリア「恐ろしく気持ち悪いな 塔から稲妻を落としてやろう」
K「今私には魔王しか見えていない 稲妻など見えはしない」
K「かすりもしないのだ もう私が魔王と一体化してしまうようだ」
ジュリア「なんなんだお前は さっさと扉の前から立ち去れ」
ジュリア「邪魔だ 迷惑だ 魔王なんざいくらでもいるだろう」
ジュリア「よそにいけ シッシッ!」
K「だめだだめだ 魔王ジュリアでなければならないのだ」
ジュリア「他の魔王にもそのように お前でなければならぬとほざいて 回っているのだな?」
K「そうだ」
ジュリア「最悪だな」
K「魔王ジュリア、お前は魔王なのに ピュアなのだな ますます燃える」
K「魔王ジュリアよ 美しい人形を囲ってひきこもる魔王よ」
K「数多の美しい人間を妖気で誘い込み 一番美しいパーツをえぐり取り」
K「集めたパーツは魔王の手によって さらに磨きかけられ 美しい人形へと生まれ変える・・・」
K「そんな人形の魔王、ジュリアを 私の魔王標本塔の一柱に必ず加える」
K「私が望むものは世界が望むもの 私の幸福は世界の幸福」
ジュリア「何言ってんだこいつ はやく失せろ」
K「それはできない 魔王城に背を向けるとき 私は死ぬだろう」
ジュリア「私はお前が死んでも全く構わん そこで干からびるがよい」
K「私は干からびることはない 魔王ジュリアを手に入れるために ここにいるからだ」
ジュリア「もう相手にするのも面倒だな 早くよその魔王に 気が逸れればいいのだが」
K「手に入れるまで 気が逸れることはない」
K「そしていくら 手に入れても満足はしない」
K「私はそこらの凡俗コレクターとは 違うのだ」
K「私は魔王コレクターだ 魔王級のコレクターなのだ」
ジュリア「はいはい とんだ災難だなこれは・・・・・・ 放置しよう」

〇黒
  次の日

〇神殿の門
ジュリア(まだいるな ピクリとも動かないぞ 石像みたいだ)

〇黒
  その次の日

〇神殿の門
ジュリア(まだいる・・・)

〇黒
  その次の次の日

〇神殿の門
ジュリア(・・・・・・ ここで扉を開けたら負けな気がする)

〇黒
  その次の次の次の次の次の次の次の次の・・・・・・

〇神殿の門
ジュリア「Kよ お前は私を幸せにすると言ったな? 私はお前のせいで不幸だ 気が散ってしかたがない」
K「私は魔王の気を散らせて とても幸福だ 魔王の注意がが私に集まるのを感じる 力がみなぎってくる!」
ジュリア「怪人の言う幸福なんて 人間並みに信用ならんな 私はお前さえ消え去ってくれれば いつ何時でも幸福なのだ」
K「本当に? 従順な人形と へなちょこ勇者しか来ない城で 孤独に過ごしているのに?」
ジュリア「貴様、私の幸福に口出しするな 決めつけるな 殺すぞ」
K「喜んで」
ジュリア「ほう・・・ 最上階まで来るがよい」

〇謁見の間
K「やっと実物に会えたぞ テンション上がる」
魔王ジュリア「おい、早すぎるぞ 3秒もかかってない 城内の魔獣と争う音もしなかった」
K「魔王以外は空気だ 相手にならない」
魔王ジュリア「なんなんだこいつ・・・ さっさと終わらせよう」
魔王ジュリア「踊れ、踊れ、我が人形 音をたてるな、我が人形 命を忘れよ、我が人形」
魔王ジュリア「お前に私を美しく殺せるか?」
K「狂え、狂え、我が欲動 全て集めよ、我が欲動 全て求めよ、我が欲動」
K「私は魔王を美しく殺す」

〇黒
  この魔王と怪人の戦いは三日三晩続き、
  魔王は抵抗する気が失せていく

〇謁見の間
魔王ジュリア「何なんだお前は・・・ お前に殺されるくらいなら 自分で死ぬ」
魔王ジュリア「今ここで魔王をやめよう 私はでかい魔王城風の屋敷に住む 人形作家だ」
魔王ジュリア「これでいいだろう さあどっかいけ! シッシッ!」
K「つまらん・・・・・・ 魔王は魔王に執着してこそ魔王だ」
魔王ジュリア「そうだ 私は魔王ではない」
K「さようなら 元魔王」

〇神殿の門
ジュリア(ふう、厄介払いできて清々したぞ さて魔王に戻るか 早速まお活だ 悪いことするぞ、人間を捌くぞ フハハハハハ)
ジュリア(気のせいか?)
K「いいぞいいぞ 魔王はそうでなくっちゃな」
ジュリア「うわ 心を読まれた 悪いことする気も失せるわ なんなんだこいつ」
魔王コレクターコレクター「お前だな! 魔王コレクターK!」
ジュリア「なんかまた来たぞ! 変なやつじゃないことを祈る!」
魔王コレクターコレクター「変なやつじゃない! 俺は魔王コレクターコレクターだ!」
ジュリア「変なやつだったー!!」
K「魔王コレクターコレクター? 初めて聞いたぞ 魔王にしか興味ないから」
魔王コレクターコレクター「お前がオレに興味を持っていようが なかろうがどうでもいい!!」
魔王コレクターコレクター「魔王をつけ回すお前が理解できない!! 理解できないのが我慢ならない!! 徹底研究しなければならない!!」
魔王コレクターコレクター「魔王コレクターK!! オマエを倒す!! うおおおお!!」
K「邪魔をするな 私は魔王に忙しい お前もそうとう狂っているので 深呼吸とかした方がいいぞ」
魔王コレクターコレクター「相手をしろ!! さもなくばお前の恥ずかしい過去を 魔王の前で晒してやるぞ!!」
K「バカバカしい 過去など存在しない 魔王に集中する今しかない 過去は生ゴミだ」
魔王コレクターコレクター「ほ~言ったな!!」
魔王コレクターコレクター「見ろ!! これはオレが独自に入手した 魔王コレクターKが中二だったころの 魔王級の魔王研究黒歴史ノートだ!!」
K「中二か そんなときもあったな そのノートのおかげで今がある 過去の自分に感謝」
ジュリア(変なやつのおかげで魔王コレクターKの 気が逸れて感謝 ・・・・・・これは逃げるチャンスだな)
ジュリア(この場所が気に入っていたが仕方ない 引っ越すぞ!)
ジュリア「魔王念力発動! 魔王城をワープさせる! 我が人形たちよ、揺れに備えよ」

〇黒

〇魔界
  魔王城は異次元に引っ越した
魔王コレクターコレクター「城が跡形もなく消えたぞ!!」
K「アーーーーー!! 魔王魔王魔王魔王魔王魔王魔王!!!」
魔王コレクターコレクター「フハハハハハハハハ 愉快愉快愉快!!!」
K「お前のせいでお前のせいでお前のせいでお前のせいでお前のせいでお前のせいで」
魔王コレクターコレクター「やっとオレに倒される気になったか!! Kよ!!」
K「許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない」
  魔王コレクターコレクターは
  一瞬で肉塊になった
K「・・・私は狙った魔王を逃したことはない 異次元に行った魔王を手に入れるには どうすればいいか ・・・考えろ考えろ」
K「そうか」
K「私が魔王になればいいのだ」
K「どうしてこれまで諦めていたのだろう」
K「何歳になっても、魔王にはなれる あの中二の情熱を思い出せ」
K「・・・永遠の青春が永遠の生命なのだ」

コメント

  • 魔王コレクターコレクターコレクターが出てくる前にお話が終わってホッ。最後は綺麗にミイラ取りがミイラになって終わったなあ〜。それにしても「まお活」って可愛い響きですね。

  • 魔王コレクターって一体なんだろうと思いましたが、本当に想像の斜め上を行く魔王コレクターでした笑
    中二の時は、自分はノートに理想のドラゴンを書いていました。ドラゴンコレクターだったのかもしれません。

  • 魔王をコレクションする怪人とは斬新な発想だと思いました。最終的に自らがそれに成り変わってはと考えるあたり、相当なマニアックなんでしょうね!

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