37醒:私はレドイのロボットのネフテ(脚本)
〇沖合(穴あり)
フォンティーヌ「やったわ!パパ!」
フォンティーヌ「開いたわよ!!」
デミル「おお!これは素晴らしい!!」
デミル「世界の折り目を、この眼で拝めるとはな!!」
デミル「だが、急がなければ...」
デミル「折り目はすぐに戻ってしまう。」
フォンティーヌ「じゃぁ、もう行くわ。」
フォンティーヌ「またね、パパ。」
デミル「気をつけなさい、フォンティーヌ。」
デミル「向こう側で何が起こっても良いように、最大限の事はした。」
デミル「こちらに戻ってきたら、声を届ける。」
デミル「それを頼りに戻ってくるんだ。」
フォンティーヌ「わかったわ! それじゃぁ行ってくる!!」
〇黒
〇黒
〇豪華なベッドルーム
ネフテ「ん..」
ネフテ「ここ..は...」
ネフテ「どこ...?」
ダッダッダッ...!
バン!!!!
レドイ「ネフ!!!!!!」
レドイ「良かった!! 目が覚めたんだね!!」
ネフテ「...」
レドイ「ずっと目が覚めなかったんだよ!!」
レドイ「もう1か月も経つんだから!!!!」
ネフテ「そ、そんなに経つの...」
ネフテ「ごめん。 心配かけたわ。」
ネフテ「でも、記憶はバッチリ戻った。」
ネフテ「どこにも異常はない。」
ネフテ「だからもう、泣かないの。」
ネフテ「ちゃんと私は戻ってきたでしょ?」
レドイ「うん。 良かった。」
〇黒
〇豪華なベッドルーム
ネフテ「少しは落ち着いたかしら?」
レドイ「うん。」
ネフテ「それじゃぁ、デミルに会いに行くわよ。」
レドイ「...」
ネフテ「あいつには聞きたいことが山ほどあるわ。」
レドイ「ネフは...」
レドイ「ネフはフォンティーヌなの?」
ネフテ「そうよ。 私はフォンティーヌ。」
ネフテ「でも、今はネフテよ。」
ネフテ「レドイのロボットのネフ。 それは変わらないわ。」
ネフテ「今も、これからもね。」
レドイ「そっか。良かった。」
レドイ「記憶が戻って、ネフが変わっちゃったら...」
レドイ「って思ってたの。 フォンティーヌがネフのままで良かった。」
ネフテ「頭がね、フォンティーヌのままなのよ。」
ネフテ「だから、私は私のまま。 変わらないのよ。」
レドイ「頭が人間で...」
レドイ「身体はロボットってこと...?」
ネフテ「そうよ。」
ネフテ「怖い...?」
レドイ「全然!!」
レドイ「すごいね!! だから夢をみられるんだね!!」
ネフテ「そうよ。 それに私は、殺戮兵器なんかじゃなかった。」
ネフテ「ドリーミング型ロボットって言って、世界を渡る力を持つロボットなの!!」
レドイ「世界を!?」
レドイ「すごい!! 私も行ってみたいな!!」
ネフテ「歩きながら話すわ。 私には二人の姉さんがいてね...」
〇黒
〇マンションの共用廊下
レドイ「へぇー! ネフはお姉さんと仲が良かったんだね!」
ネフテ「そうよ! 姉さんたちはとても立派なの!」
ネフテ「上品で、清楚で、自慢の姉さんたちなのよ。」
レドイ「私も会ってみたかったなぁー!」
レドイ「そうだ!あとで映像見せてよ!」
ネフテ「いいわよ!」
レドイ「あ、ここだ!」
レドイ「ネフ、着いたよ!」
ネフテ「ようやく着いたわね。 早く入りましょ。」
レドイ「入ったらきっと驚くぞ~!」
〇黒
〇綺麗なリビング
レドイ「懐かしいでしょ?」
レドイ「どんな部屋がいい、ってデミルさんに聞かれたから、作ってもらっちゃった。」
レドイ「デミルさんはとっても良い人だったよ。」
デミル「そう言ってもらえると嬉しいよ、レドイくん。」
ネフテ「いきなり出てきたらびっくりするでしょ!」
デミル「す、すまない...」
デミル「ネフテくんが目覚めてから、いつ登場しようかと、ずっと伺っていて...」
デミル「今しかない!と思ったんだが...」
ネフテ「まったく。 そういう所は、パパらしいわね。」
ネフテ「ホログラムを使ってるくらいだから、パパの人格データを投影した、ブレインってところでしょ?」
デミル「さすがは私の娘だ。 その通りだよ。」
ネフテ「あなたには聞きたいことが山ほどある...」
ネフテ「けれどまずは、お茶を淹れてこなくちゃね♪」
レドイ「賛成~!」