さいごのネフテとさよならのレドイ

宇野木真帆

34醒:ママのネックレス(脚本)

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〇華やかな裏庭
フォンティーヌ「パパ!おかえりなさい!」
デミル「おお、フォンティーヌか。」
ハウス型ロボット「おかえりなさいませ。 御鞄お持ちいたします。」
デミル「ありがとう。」
デミル「ローズはいるかな?」
ハウス型ロボット「はい。お部屋でお休みになられています。」
フォンティーヌ「ねぇ、パパ!」
デミル「すまない、フォンティーヌ。 急ぎでローズに話があるんだ。」
デミル「また後で。」
フォンティーヌ「なによ。 パパに話したいことがあったのに...。」
ハウス型ロボット「フォンティーヌさんは、本当にお父さんの事が好きですね。」
フォンティーヌ「パパはいつもママの事ばっかりだわ。」
フォンティーヌ「面白そうなことしているのに、何も話してくれない...。」
フォンティーヌ「そのせいで、いっつも引っ越しになってるのに!」
ハウス型ロボット「何か...大事な事をされているのですね。」
フォンティーヌ「こーやって、ママに急ぎで話がある時は、また引っ越しよ!」
フォンティーヌ「あーあー!やってらんない!」

〇黒

〇華やかな裏庭
  フォンティーヌ、どうしたの?
フォンティーヌ「エミリア姉さん...」
フォンティーヌ「私たち、また引っ越しよ...」
フォンティーヌ「ここのお家、せっかく気に入ってたのに...。」
  あら、残念だわ...
  慣れてきたところなのにね...。
フォンティーヌ「それだけじゃないわ。 まだこの辺りは探検し尽くしていないのよ。」
フォンティーヌ「まだ何処かに面白いものが眠っているかもしれないのに...」
フォンティーヌ「それを見過ごして、離れなければならないなんて...」
フォンティーヌ「辛すぎる...。」
  ふふ。
  フォンティーヌは本当に冒険が大好きね。
フォンティーヌ「そうよ!!」
フォンティーヌ「だって今日はね! とっても面白い発見をしたのよ!」
フォンティーヌ「それなのにパパったら、全然話を聞いてくれないんだもの!」
  フォンティーヌ。
  パパはとても大切な事をされているの。
  ...仕方ないわ。
フォンティーヌ「わかってるわよ。」
  私の部屋で一緒にお茶を楽しみましょう。
  明日になれば、パパもきっと話を聞いてくれるわ。
フォンティーヌ「はーい、エミリア姉さん...。」

〇黒

〇豪華な部屋
デミル「おはよう。 みんな揃ったね。」
フォンティーヌ「パパ。大事な話ってなーに?」
デミル「これから話すことは、家族に関わるとても大事な話になる。」
デミル「昨日、ローズと話して、君たちにも考えてもらうことにした。」
フォンティーヌ(あれ、引っ越の話じゃない...?)
デミル「すまない。 私としたことが回りくどくなってしまった。」
デミル「結論から言うと...」
デミル「私の大切なことは、もう終わってしまったんだ。」
デミル「だから、引っ越しはこれで最後になる。」
デミル「が、私は一緒に行けない。」
デミル「私にはまだ、大切なことが残っているんだ。」
  ごめんなさい、お父さん。
  話がよく見えないわ...
フォンティーヌ「...」
フォンティーヌ「ねぇ、パパは...」
フォンティーヌ「パパは、一人でもその大切なことを続けるの?」
デミル「...」
デミル「もちろん続ける。」
デミル「これは私が生涯をかけて成し遂げたいこと...」
デミル「探求心、というものだ。」
フォンティーヌ「探求心...」
フォンティーヌ「パパ...」
フォンティーヌ「無理だったら、いいんだけど...」
デミル「なんだい?」
フォンティーヌ「あのね...」
フォンティーヌ「私もお手伝いしちゃだめ...?」
デミル「そうか!そうか! 手伝ってくれるか!!」
デミル「私にはフォンティーヌの力が必要だよ!」
フォンティーヌ「本当!?」
フォンティーヌ「嬉しい!!!!」
  ちょ、ちょっと待ってください...!
デミル「なんだい、エミリア?」
  フォンティーヌに何をさせるつもりですか?
デミル「面白いことだよ。」
デミル「永遠の命と、夢を渡る力を授けるつもりだ。」
  そ、そんなこと...
  そんなこと、どうやって!?
デミル「サイボーグにするんだよ。」
  い、今何と!?
デミル「失敬。古い言葉だ。 半ロボットと言えば分かりやすいかな。」
  妹にそんな...
  そんなことさせません!!!!
デミル「分かったよ、エミリア。」
デミル「それが君の考えだね。」
  わ、わたくしも、だ、駄目です!!
デミル「ふむ。シルメットもか。」
  い、妹が、そ、そそそんなことになって、なって...!
デミル「落ち着くんだ。シルメット。 深く息をしなさい。」
デミル「ローズ。君は、昨日話した通りだね。」
デミル「あとは、フォンティーヌだ。」
デミル「お手伝いの内容を聞いて、どうかな?」
デミル「もちろん、君の意志を尊重するよ。」
  フォンティーヌ!!
  駄目よ!!
フォンティーヌ「エミリア姉さん...」
  お父さんは、お父さんは...!
  大切なことが終わってしまって...!
  見境がなくなっているのよ!!!!
  自分を失っているんだわ!!
フォンティーヌ「...」
フォンティーヌ「ごめんなさい。エミリア姉さん。」
フォンティーヌ「私、パパについてく。」
  フォンティーヌ!?
  あぁ、なんてことなの...
  どうしてこんなことに...

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