さいごのネフテとさよならのレドイ

宇野木真帆

33醒:隠し扉は開いていました。普段はガッチリ閉まっています。(脚本)

さいごのネフテとさよならのレドイ

宇野木真帆

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〇森の中の小屋
レドイ「ねぇ...」
レドイ「さっきの、ロボット兵器って、なに?」
ネフテ「あぁ。それね。」
ネフテ「大したことじゃないわ。」
ネフテ「無駄に時間があるから調べてたのよ。 自分の中を。」
ネフテ「そしたら色々と物騒なモノが搭載されてたってわけ。」
ネフテ「さぁ、着いたわ。」
ネフテ「ここからは、何が起こるか全く想像がつかない。」
ネフテ「自分の身は自分で守りなさいよ。」
レドイ「わかった。」
ネフテ「こんなロボット兵器を呼び出すヤツなんて、危険なヤツに違いないんだから。」
ネフテ「どうしても危ない時...」
ネフテ「その時は、守ってあげるけど。」
ネフテ「私だって、いつでも守れるわけじゃないんだから、期待しないで。」
レドイ「うん! ネフの足手まといにならないように頑張るよ!」
ネフテ「それじゃあ、入るわよ!」

〇黒

〇小さな小屋
  ギギギギ、バタン...。
ネフテ「誰もいない、か...。」
ネフテ「こういう時は、必ずどこかに...」
ネフテ「隠し階段とか...」
「ネフ! この絨毯の下!」
ネフテ「早いわね!レド!」
ネフテ「ここから下に降りるわよ!!」

〇黒

〇研究装置
レドイ「...」
ネフテ「...」
  おぉ!やっと会えた!
ネフテ「だ、誰!?」
ネフテ「どこにいるのよ!?」
ネフテ「出てきなさい!!!!」
  それは傷つくなあ、フォンティーヌ...
レドイ「フォンティーヌって...」
ネフテ「私はフォンティーヌじゃない!!」
ネフテ「ネフテよ!!」
  いいや。フォンティーヌだよ。
  間違えるはずがない。
  私の娘なんだから。
レドイ「じ、自分の娘を、兵器にしたの...?」
レドイ「そんなの、酷すぎる...」
レドイ「酷すぎるよ!!!!」
  ふむ。そう言われると、困ってしまうなぁ...。
  では...
  そうなることを希望したのは、フォンティーヌ自身だとしたら、どうかな?
レドイ「嘘だ!!!!」
レドイ「ネフがそんなこと望むはずがない!!!!」
レドイ「だってネフは...」
レドイ「ネフは...」
レドイ「お姉ちゃんみたいに優しいんだから!!!!」
  なるほど。なるほど。
  それは一理ある。
  フォンティーヌは三姉妹の末娘だ。
  お姉さんのように振る舞うことに憧れがあったのかもしれない。
ネフテ「フォ、フォンティーヌって呼ばないで...」
ネフテ「私は、ネフテよ。」
ネフテ「わたし、は、ネフ、テ...」
ネフテ「ネ、フテ、ネフ、テ...」
レドイ「ネフ!! しっかりして!!!!」
ネフテ「わた、わた、し、は...」
レドイ「ネフはこんなヤツのロボットじゃないでしょ!!」
レドイ「私のロボット!!!!」
レドイ「レドイのネフでしょ!!!!」
レドイ「しっかりして!!!!」
ネフテ「わ、わたしは...」
ネフテ「レドイのロボット...」
ネフテ「でも、フォンティーヌは、兵器...」
  その様子を窺う限り、記憶を失って戻って来たのか。可哀想に。
  大丈夫。
  ちゃんと元に戻してあげよう。
レドイ「駄目!!!!」
レドイ「これ以上ネフに触らないで!!!!」
レドイ「もう私たちは出て行く!!!!」
レドイ「ここから出して!!!!」
  兵器のままでかい?
  その子が、兵器だというままで...
  本当に良いのかな?
レドイ「兵器だって、何だって、ネフはネフだ!!!!」
レドイ「早くここから出して!!!!」
  ふむ。レドイ君の考えは分かった。
  ネフテくん、だったかな。
  君はどうかな?
ネフテ「わたし...は...」
ネフテ「...」
ネフテ「知りたい...」
ネフテ「知りたい。本当のことを。」
レドイ「駄目だよネフ!!」
レドイ「コイツのことなんて何も信じられない!!」
レドイ「またネフが酷いことされちゃう!!」
  わかった。
  レドイ君には申し訳ないけれど、ちょっと落ち着いてもらおうかな。
  メンテナンス隊!!!!
メンテナンス隊「はーい!」
メンテナンス隊「お呼びですか?」
メンテナンス隊「どのようなご用件で!」
  レドイ君を別室に案内してあげて。
  少しばかり取り乱しているようだから。
「かしこまりました!」
レドイ「い、いや...」
「さぁ行きますよ!」
レドイ「やめて!!」
「まぁまぁそう言わず!」
レドイ「触らないで!!!!」
「レド!?」
ネフテ「やめて!レドに乱暴しないで!」
  メンテナンス隊、下がって。
ネフテ「...」
ネフテ「レド。」
ネフテ「ごめんね。ごめんねレド。」
ネフテ「私がしっかりしなきゃいけないのに...」
ネフテ「私があんたを守らないといけないのに...」
レドイ「ううん。そんなことないよ。」
ネフテ「...」
ネフテ「私の...」
ネフテ「最初で最後のお願い聞いてくれる?」
レドイ「うん。きく。きくよ。」
ネフテ「見届けてほしいの...」
ネフテ「私がまた、再び目覚めるのを。」
レドイ「それって...」
レドイ「記憶を戻すってこと!?」
ネフテ「そう。確かにコイツは信じられないけど...」
ネフテ「ようやく辿り着いた...」
ネフテ「真実かもしれない。」
ネフテ「それを目の前にして、見過ごすことはできないわ。」
  ...
ネフテ「だから、レドには見届けてほしいのよ。」
ネフテ「もし、私が目覚めなくても...」
ネフテ「あんたなら...」
ネフテ「あんたなら、また私を起こしてくれるでしょう?」
レドイ「うん!また目覚めさせるから!」
レドイ「また目覚めさせるから...」
レドイ「今度は一緒にいよう!」
ネフテ「わかった。」
ネフテ「今度は置いていかない。 一緒にいるわ。」
レドイ「うん。うん。」
ネフテ「さぁ、こっちの準備はできたわよ!」
ネフテ「記憶を戻してちょうだい!」
  それでは、さっそく始めよう。
  記憶の渦へ...
  いってらっしゃい。

次のエピソード:34醒:ママのネックレス

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