30醒:Adolescence【思春期】(脚本)
〇本棚のある部屋
コン、コン...。
「...」
ネフー!入るよー?
「...」
ガチャン...。
レドイ「もう、まだ寝てる...。」
レドイ「ネフ!起きて!!」
レドイ「もうお昼だよ!!」
ネフテ「う、うーん...」
ネフテ「もうちょっと...」
レドイ「もうー。どうしちゃったの。」
レドイ「デミルさんのお家から帰ってきてから、眠ってばっかり。」
レドイ(数字の場所も巡って、疲れちゃったのかな...。)
ネフテ「今、何か夢を見ていたような...」
ネフテ「あ、あれ?」
ネフテ「あんたが起こすから忘れちゃったじゃない!!」
レドイ「えー!! ネフが早く起きないからいけないんでしょ!!」
ネフテ「私にとって夢は大事なの!!」
レドイ「もう知らない!!」
ネフテ「ま...」
ネフテ「またやっちゃった...」
ネフテ「もう、今日、レドとお別れしようと思ってるのに...。」
〇黒
〇綺麗なリビング
レドイ「ねぇ!ハウス!!」
レドイ「ネフがさ!」
ハウス「ど、どうしたの、レドイちゃん。」
レドイ「せっかく起こしてあげたのに、私のせいで夢を忘れちゃったって!」
ハウス「それは困ったわねぇ。」
ハウス(善意が通じない時もあるって、難しいわよね。)
レドイ「もう知らない、って言って出てきちゃった...。」
レドイ「どうしよう、ハウス...。」
ハウス「そうねぇ...」
レドイ「...」
レドイ「ごめん。ハウス。」
レドイ「やっぱり自分で考えるよ。」
レドイ「いつもハウスに頼ってちゃだめだよね。」
ハウス「レドイちゃんが頼ってくれるのは、私は構わないけれど...」
レドイ「部屋に戻るね。」
ハウス「レドイちゃんの成長は嬉しいけれど、私はちょっと寂しい。」
ハウス「ネフテちゃんも、そんな感じかしらね。」
〇黒
〇黒
さみしい...
それは何時からだろう。
あぁ、ハウスの家族ごっこに付き合わされた頃からだ。
ハウスが妹、とか変なこと言うから。
そんな気は全然なかったのに、そんな事言われたら...
なんとなくそんな気になっちゃうし。
だってレドってば、妹みたいに、私の行く先へついて回ってくるんだもん。
そう。妹みたいに。
私はお姉さんになりたかったのかな...
今は、なんとなくそんな気がしてる。
それなのに、それなのによ!
最近のレドときたら、全然可愛くない!!
私に盾突いてきちゃって...
なんなのよ、アイツ。
もう、お別れしなきゃいけないのに...。
できることならば、この先も、ずっと、レドと一緒にいたい。
それができない自分に、一番イライラして、レドに当たっちゃう私は...
ばかだ。
〇黒
〇黒
お姉ちゃん、に憧れていた。
ううん。なる方じゃなくて。
お姉ちゃん、に憧れを抱いている妹...
だから、ネフが目覚めた時、私は嬉しくて嬉しくてしょうがなかった。
私のロボット、じゃなくて本当は、私のお姉ちゃん。
お姉ちゃんだから、いつも私のことを見ていてくれるし、叱ってくれるし、私を正しい方へ導いてくれる。
それなのに...
最近のネフは、私が見えていない。
透きとおって、溶けていってる。
そんな時、心がすごく痛くなって...
それから、すごくイライラしてしまう。
ここにいるよ!!
っていう想いで、つい大きな声が出てしまうんだ。
だって、もしも..
そのままふっと、ネフがいなくなったら...
私は完全に溶けてしまう。
透過させないで。
私はネフとだったら、どこまでも行けるよ。
うんと遠くても、どんなに辛くても、ネフと一緒ならどこまでも行けるよ。
ちゃんと頭を使えるように、私なってきたよね?
大丈夫だよね?
置いていかないよね?
ねぇ、ネフ...?
レドイの心情が、ネフと会ってから少しずつ変化していくのが面白いです。心情描写もとても共感できました!