ゴリラと流れ星と願い事

ぐらっぱ

第五話 ゴリラと花のゴリラ園(脚本)

ゴリラと流れ星と願い事

ぐらっぱ

今すぐ読む

ゴリラと流れ星と願い事
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇星
  さぁ、キミ達は何を願う?
「大金持ちだよ なんてなぁ そんなうまい話が・・・」

〇黒

〇黒
  人は失ってから
  ソレの大切さに気付く
  元々は手放すつもりだったのに
  いざ手元からなくなってしまうと
  どうしてこんなに切ないんだろう・・・

〇動物園の入口
  3ヶ月前、動物園を手放した
  元々赤字続きだったから
  いずれは閉園するつもりだった
  餌代も払えなくなったので
  人気のあった動物達を手放す事になり
  給料も払えなくなったので
  従業員もみんな辞めていった
  犬や猫、鳩
  それくらいしかいない動物園なんて
  お客が来るわけがない
  最後の足掻きで動物達の絵を描いたが
  そんなハリボテで客が来るわけもなく
  祖父から引き継いだ動物園を
  自分の代で終わらせるなんて
  とても申し訳なかったが
  とうに見切りをつけていた両親は
  さっさと売却してしまえと言い残し
  去っていった
  もう生活は火の車
  もうどうしようもない
  お先真っ暗
  ただ時間が過ぎていくだけ
  そんな時、ニュースで流星群の事を知った
  その日の夜、
  星を見ようなんて思ったのは
  現実逃避したかったからかもしれない
  まさか流れ星が願いを叶えるなんて
  そんなおとぎばなしが現実に起こるなんて
  誰が信じるんだ?

〇ファミリーレストランの店内
男「──ってわけでさ」
小柄な少女「それであなたは流れ星に願ったんだな 動物園と引き換えに大金をくれ、と」
男「そういう事」
小柄な少女「後悔はしていないの?」
男「うーん・・・ 無いようなあるような」
小柄な少女「もし、願い事をキャンセルすると 言われたらどうする?」
男「や、それは無理無理! もうこの生活変えるつもりないし」
小柄な少女「そっかぁそうだよねぇ」
男「まぁ、最後まで手元にいたあの子だけは また会いたいとは思うけど」
小柄な少女「あの子ってあなたの絵に出てくる あの動物?」
男「ああ、あの子は・・・」

〇黒

〇ゴリラの飼育エリア
ケンタ「これは・・・」
マサル「まじか・・・」
ケンタ「これってよく見たら・・・」
マサル「ハリボテ、だな」
ケンタ「ゴリラ園の巨大看板だな!」
マサル「いやあ、焦ったぜー まさか自分の家がゴリラ園なんて シャレになんねーし」
ケンタ「だよなぁ 誰だよ、こんなイタズラしたのは」
マサル「全くだぜ 俺んちはこの看板をどかせば・・・」

〇密林の中
「・・・」
「ジャングル!?」
マサル「俺んち・・・なのか?」
ケンタ「きっとそう・・・」
マサル「俺の家・・・何も無いのかよぉ チャリとかも消えたっていうのか」
マサル「ん?」
ケンタ「もしかして、あれがチャリ?」
マサル「まさか、そんなわけあるはずが・・・」
ケンタ「おや?」
ケンタ「さっきの猪が首輪を落として行ったぞ ・・・最速のマサル号って書いてある」
マサル「・・・」
ケンタ「まさか」
マサル「俺の自転車につけた名前じゃないか!!」
ケンタ「な、なんだってー!?」
マサル「俺の愛車のマサル号が猪に・・・ なんてことだ」
ケンタ「マサルのネーミングセンスの無さにも ぼくはびっくりだよ・・・」
マサル「俺、猪に乗って通学するのか・・・」
ケンタ「今のゴリラで乗ったら潰れるんじゃ?」
マサル「確かに・・・」
ケンタ「そういや 今日は徒歩だったんだな」
マサル「ああ かーちゃんが海外出張行くからって 車で送ってくれたんだ」
ケンタ「マサルんち 色々大変だよな 3ヶ月前もそうだし」
マサル「・・・」
マサル(3ヶ月前・・・ 何かあったんだっけ 覚えていないな)
マサル(まぁ、いいか)
ケンタ「この後どうする?」
マサル「ああ 急いで流れ星に会いに行こう」
ケンタ「だな! 早く願い事をキャンセルしようぜ」
隣のおばちゃん「あら、まさるちゃん 帰ってきてたのかい?」
マサル「あっ! お隣のおばちゃん」
隣のおばちゃん「相変わらずここは見事なジャングルねぇ」
マサル「え? いや・・・」
隣のおばちゃん「まさるちゃんが小さい頃 ジャングルで迷子になってねぇ 懐かしいわぁ」
マサル「はぁ・・・」
隣のおばちゃん「そうそう、ラフレシアも元気よ まさるちゃんがお裾分けしてくれたお花」
マサル「え!? うちで増えた百合じゃなくて?」
隣のおばちゃん「やぁねえ 貰ったのはラフレシアよ すごく大きいお花がもうすぐ咲くわ」
マサル(おばちゃんにあげた花や記憶まで 全て変えられてる!? ラフレシアって臭いがやばい奴だよな)
マサル(ダメだ・・・! 早く願い事をキャンセルしないと おばちゃんちが花の悪臭で大変な事に)
マサル「おばちゃん! 俺、急いで元に戻してやるからな」
隣のおばちゃん「え?」
マサル「俺がみんなを元に戻す! おばちゃん、また後で」
隣のおばちゃん「ここの奥さんはまた何処か出かけたのね」
隣のおばちゃん「まさるちゃんはいい子なのにねぇ・・・」

〇ジャングル

〇川沿いの道
ケンタ「学校の裏山はもうすぐだ!」
マサル「おう!」
マサル(絶対に願い事はキャンセルさせる!)
ケンタ(ぼくのエロブック 絶対返して貰うぞ・・・!)
ケンタ(あっ そういやその事でゴリラに言う事が 何かあったような)
ケンタ(なんだったっけ・・・ まぁいいか 流れ星に会えば全て解決だ)
マサル「む?」
ケンタ「どうした?」
マサル「お、おい・・・ 裏山ってここだよな?」
ケンタ「え?」

〇岩山
マサル「なんかすっごく険しい岩山に!?」
ケンタ「これじゃあ山頂まで行けないじゃないか 流れ星がいる所までどうやって 行けばいいんだ・・・」
マサル「・・・」
マサル「俺が、やる」
ケンタ「マサル!?」
マサル「今こそこのゴリラの力を見せる時 この握力で岩山を登ってみせる!! できる気がする、なんとなく」
ケンタ「そうか・・・!! ゴリラなら岩山を登れそうだ 多分なんとなくだけど」
マサル「待っていろよ、流れ星!! 今会いにいくからな!」
「あのー ちょっとそこ避けてくれませんか?」
マサル「え!? あ、すいません」
山を愛する爺さん「エレベーター前は降りる人優先ですぞ 全く最近の若いもんは」
マサル「あ、ごめんなさい」
山を愛する爺さん「君達も山頂へ行くのかね? ここの山は良いぞ! エレベーターですぐだ」
マサル「エ、エレベーター・・・?」
ケンタ「マジかよ・・・」
マサル「何でこんな所に・・・」
ケンタ「ゴリラパワー必要無いな」
マサル「確かに・・・」
「・・・」
ケンタ「とりあえず行こうぜ!」
マサル「おう!」

〇黒

〇エレベーターの中
マサル(この先に流れ星が・・・)

〇黒

〇動物
  ようやく流れ星のいる裏山へ
  辿り着いたマサル達
  果たしてマサル達は
  おばちゃんの家をラフレシアの悪臭から
  守る事ができるのか
  第六話へ続く・・・!

次のエピソード:第六話 ゴリラと願いの学習帳

コメント

  • 流れ星の力が壮大過ぎて突っ込みが追いつかない……w
    果たして山頂で何が待っているのか。

  • なぁんだハリボテかと思ったらジャングルと化してた😂
    マサルの過去に、家庭事情に触れられ、動物園持ち主の事情とは…何やらきな臭い雰囲気が…?なんだかゾクゾクしてきましたね

  • マサルの家があんなことになっていたのも笑いましたが、チャリの変化具合に大爆笑でした^^競車両扱いには…ならないですよね。笑
    次回、ついに流れ星と対面しそうですが、冒頭の不穏なシーンがどうつながっていくのか。気になります!

コメントをもっと見る(4件)

成分キーワード

ページTOPへ