第六話 ゴリラと願いの学習帳(脚本)
〇星
また迷い子達が来たね
強い願いを持った迷い子達よ
どんな願いでも叶えてあげる
さぁ、キミ達は何を願う?
〇黒
〇エレベーターの中
〇神殿の広間
ケンタ「カチコミじゃあ!」
マサル「流れ星、覚悟しろ!!」
ケンタ「お命頂戴!!」
マサル「・・・」
ケンタ「流れ星のタマ取ったるでぇ!!」
マサル「いや、抗争じゃないんだから」
〇神殿の広間
ケンタ「すまんすまん つい言ってみたくて」
マサル「おいおい 悪ふざけすぎだろ」
ケンタ「マサルだってノリノリだろ」
マサル「ふっ、バレたか」
「はっはっは」
「・・・」
マサル「ここ・・・山の中なのか?」
ケンタ「前に来た時は普通の山だったんだが」
マサル「なんかラスボスが出てきそうな雰囲気だ」
ケンタ「気をつけろよマサル ぼくらをこんな姿にした奴だ 第三形態になって襲ってくるかも」
マサル「第一、第二形態はどんな姿だったんだ?」
ケンタ「知らん!」
マサル「おいぃ!?」
ケンタ「ノリで言ってみただけだ!」
マサル「ノリかよ!」
ケンタ「実は会った時は人影だけで はっきり見てないんだ」
マサル「そうか」
ケンタ「しかし願いを叶える力を持つ奴だ きっと恐ろしい姿に違いない ラスボスはそんなもんだ!」
マサル「ラスボスってなんか強いもんな!」
ケンタ「だが恐れることは無い ゴリラの力を信じろ!」
マサル「おう! まってろよ、ラスボスめー!」
ケンタ「そうだ、呼び出す時は 『彷徨える流れ星』と言うんだった きっと奥の扉にいるはずだ」
マサル「よし、一度練習しよう」
ケンタ「そうだな!」
「彷徨える流れ星 出てこーい!」
マサル「こんな感じだな」
ケンタ「じゃあ次は奥の扉で・・・」
彷徨える流れ星「呼びましたー?」
「・・・」
マサル「緊張してきたな・・・」
ケンタ「ああ、きっと奥の扉を開けると 恐ろしいラスボス姿の奴がいるんだ」
彷徨える流れ星「もしもーし?」
マサル「妖精っぽい何かが見えるんだが これはなんだろう?」
ケンタ「ほら、あれだよ ラスボス前の体力回復的なやつだよ」
マサル「なるほど 体力を回復してからラスボスに! 親切設計なんだな」
ケンタ「全力でぶつかれという心意気さ」
彷徨える流れ星「あのー?」
マサル「よーし、待っていろよー! 俺のゴリラパワー全開で 流れ星にアタックするぜ」
ケンタ「ああ! 流れ星はあの扉の中だ」
彷徨える流れ星「ワタシが流れ星ですよー!」
「・・・」
マサル「まさかこの小さい子が流れ星なんてなぁ」
ケンタ「ラスボスがこんな姿なわけが・・・」
彷徨える流れ星「ラスボスじゃなくてー ワタシが流れ星ですってば」
「・・・」
「えええぇぇえ!!」
彷徨える流れ星「そうです ワタシがみんなのアイドル 彷徨える流れ星でーす」
マサル「マジで・・・?」
ケンタ「このちびっ子が・・・?」
彷徨える流れ星「えへへ」
〇ジャングル
〇シンプルなワンルーム
彷徨える流れ星「入って入ってー まだ整理中だから片付いてないけど」
マサル「ああ・・・」
ケンタ「・・・」
マサル(なんか見覚えあるような部屋だな)
ケンタ(あれ? ここって・・・)
彷徨える流れ星「それで、キミ達は何を願うのかな?」
マサル「いや、願い事叶えたいんじゃねえ! 俺達はキャンセルしたいんだ」
ケンタ「そうだそうだ! 元の姿に戻してくれよ」
彷徨える流れ星「・・・」
マサル(まぁそう簡単にいくわけないよな)
ケンタ(何かさらに要求されるのか?)
彷徨える流れ星「キャンセルしたいのは いつの願い事?」
マサル「3ヶ月前の流星群の夜の願いだ!」
彷徨える流れ星「誰の願い事?」
ケンタ「ぼく達の願い事だ! 元の姿に戻してくれ」
マサル「ゴリラから人間に戻してくれ」
マサル(願い事キャンセルにも 他の代償を要求されそうだな)
彷徨える流れ星「了解ですよー」
マサル「そんなあっさり!?」
ケンタ「でも願い事叶えた全員が キャンセルする必要あるんだろ?」
彷徨える流れ星「それは最初に伝えた通り キャンセルには全員の同意が必要ですー なのでー」
彷徨える流れ星「こちらに名前とキャンセル理由を 全員分書いてくれたら受け付けますよー」
マサル「普通のノートにしか見えないが」
ケンタ「ぼくのエロブックと同じノートだ」
彷徨える流れ星「書きやすいノートなのです 好きなページに書いてよいですよー」
マサル「えぇ・・・ なんか適当すぎるんだが」
彷徨える流れ星「だいじょーぶですよー あふたーふぉろーはバッチリなのです」
マサル「不安だなぁ」
ケンタ「あの時願い事を叶えたのって 何人いるんだ?」
彷徨える流れ星「んーと、その姿の願いの時は 約束をしたのは7つ」
ケンタ「7人か・・・ ぼくとマサルとツルッチと 残り4人は誰だ」
彷徨える流れ星「それは個人情報になるので 教えられないですよー」
ケンタ「意外としっかりしてる!」
彷徨える流れ星「あの時は特別だったから 7つの願いを1回にまとめたのでー」
マサル「特別?」
彷徨える流れ星「本当は、願い事は1つだけだったけど トラブルが起きちゃったからなので」
マサル「トラブル?」
彷徨える流れ星「特別に1つの願いを7つに分ける事で 平和的に解決したんですよー」
ケンタ「平和的に・・・?」
彷徨える流れ星「だからキャンセルすると その時の7つの願い全てキャンセル!」
マサル「ふむう」
彷徨える流れ星「その為に全員分の承諾が必要なのでー」
ケンタ「知らない人だと厄介だな・・・」
彷徨える流れ星「喧嘩しないよう仲良く平和的にー」
マサル「とりあえず俺達が元に戻るには 他の奴らを見つけて承諾取れって事か」
彷徨える流れ星「そういうことですよー」
ケンタ「ところで他にも聞きたいことが・・・」
彷徨える流れ星「あっ! もう20時になるので営業時間終了! 質問は明日以降営業時間内でお願いですー」
「えっ!?」
彷徨える流れ星「またのお越しをお待ちしてますー」
〇星
〇川沿いの道
マサル「ここは・・・」
ケンタ「裏山前だな!」
マサル「まだ聞きたい事があったのになぁ」
ケンタ「とりあえず、今は残り4人を探そう」
マサル「後4人、キャンセルさせないと 俺達は元に戻れないんだな」
ケンタ「そうだな」
マサル「探すしかない・・・ 願いを叶えた奴らを」
ケンタ「しかしどうやって探す? 何も手がかりがないぞ」
マサル「大丈夫、俺達には秘密兵器があるだろ」
ケンタ「秘密兵器!? まさか・・・」
マサル「ああ、俺達の秘密兵器 その名は・・・」
マサル「ユキジチェッカーだ!」
〇動物
ようやく流れ星に会えたマサル達
しかしその為には後4人
願いを叶えた者を探さないといけない
果たして彼らは見つける事ができるのか
そしてマサル達の秘密兵器
ユキジチェッカーとは一体・・・
第七話へ続く・・・!
彷徨える流れ星「第七話は今までの総集編になります!」
残り四人の承諾を得られるか。
過去のコメントでも言いましたが、その内の一人は見当は付いています。果たして。
今後の展開を推理するにあたって、総集編は有り難いですね。
流れ星ェ……