第一話 拗れた人間関係(脚本)
〇シックなバー
ここは丸の内にあるバー【TAP】
仕事帰りの疲れた社会人に愛される隠れ家の様な場所である。
マスター「いらっしゃいませ」
マスター「...ツムギさん?」
鈴木ツムギ「気にしないでマスター、いつものカシオレをちょうだい」
鈴木ツムギ「ありがとう」
鈴木ツムギ「話聞いてくれるかしら」
マスター「...ハイ」
鈴木ツムギ「実はね」
〇オフィスのフロア
今までトラブルは多々あったけど順調に
デザイナーとしての仕事はうまく行っていたの
...でも
上司「ちょっと鈴木さん!!ファイルどこに行ったか知らない??」
鈴木ツムギ(ファイルは棚の中に戻すってルールなのに 全くこの上司は本当にいい加減な人 ちゃんと仕事して欲しいなぁ)
鈴木ツムギ「ファイルならFAXの上にありましたよ」
上司「フンッ」
後輩「せんぱーい、発注ミスっちゃいました! てへ☆ 糸の注文番号間違えちゃって〜」
鈴木ツムギ「そっ、そうなの!?わかったすぐに返品対応 するから」
後輩「はーい」
鈴木ツムギ(後輩は別に悪い人ではないけどミスが多いし仕事を覚えてくれないから早く一人前になって欲しいなぁ...)
こんな感じで厳しいだけの上司としっかりとしない部下のやらかしで私の胃痛は止まらなかった
〇ホテルのレストラン
他にも...先週、彼氏とのデートで
鈴木ツムギ「〜それでね」
ケンジ「あぁ、そうだね」
鈴木ツムギ「ねぇ、ちゃんと話聞いてるの?」
ケンジ「あぁ、聞いてるよ」
鈴木ツムギ「ねぇ、私たち...そろそろ結婚しない?」
ケンジ「えーと、うん、そうだね...でも最近仕事が忙しいからしばらくしてかな」
鈴木ツムギ「...そう」
彼氏とは5年付き合っているんだけど結婚を匂わせると最近はすぐに話を変えようとする
〇シックなバー
鈴木ツムギ「人間関係が本当に上手くいかなくって 疲れたの、もう」
マスター「難しいですよね...」
マスター「ティッシュいりますか?」
鈴木ツムギ「いただくよ、ありがとうマスター」
鈴木ツムギ「...しかもこれだけじゃなかったの」
マスター「えっ」
〇おしゃれな通り
今日の仕事の帰り道に見てしまったんだよね
後輩と彼氏がいちゃついていた現場を
〇シックなバー
鈴木ツムギ「ハハハ...もう信じられなくって」
マスター「...それは凄く辛かったですね」
鈴木ツムギ「もう31歳だよ、私。 婚活とか間に合わなそうだよね... 実家の母さんに絶対嫌味言われる」
マスター「婚活に関してはまだ間に合うと思いますよ。女性のお客様で35歳や40歳で結婚なされた方もいますし」
マスター「ツムギさんは真面目で素敵な方だから もっと良い方と結婚できますって」
鈴木ツムギ「マスターが後20歳若かったら告っていた かも」
マスター「ハハハご冗談を」
マスター「サービスのカシスソーダ(ノンアルコール)です」
鈴木ツムギ「カクテル言葉は...「あなたは魅力的」」
鈴木ツムギ「ありがとう、マスターに相談して本当に 良かった」
マスター「またいつでも相談にのりますよ」
〇清潔なトイレ
しかし翌日の職場での休憩中、
更に嫌な事実が発覚した
鈴木ツムギ(トイレの外から陰口が聞こえる)
鈴木ツムギ(しかも私のこと!?)
〇施設のトイレ
後輩「ツムギさんって本当ムカつきますよね〜」
上司「そうね、あの子本当に使えないんだから」
〇清潔なトイレ
何...言ってるの?私がどれだけ周りに気を遣って仕事していると思ってるの
...上司のミスで残業するハメになったり、私がやる必要のない仕事を手伝ったり
後輩にわかりやすく仕事教える為に貴重な時間を割いたりしてきたのに
...ケンジの事も身を引こうと思ってたのに
もう限界
「しかも私にケンジさんを紹介してくれてありがとうございます〜」
...え?
〇施設のトイレ
上司「私の甥っ子のケンジと鈴木さんが付き合ってるって知って」
上司「「あの地味な子と付き合うのやめた方がいいわよ〜」って言ってあげたのよ!!」
上司「ある事ない事吹き込んだらケンジも改心してくれて「ツムギと付き合うのやめようかな」って言ってくれたのよ!」
上司「嘘も方便よね〜良い事したわ〜」
後輩「そのおかげでケンジさんが先輩を諦めた時に私がアタックして両思いになれました〜 ありがとうございます♪」
後輩「ケンジさんも「今週中に先輩に別れ話する」って言ってたし〜」
後輩「結婚式場も見てきましたし〜上手くいけば〜来年6月に結婚できそうです♡」
ハァ?
〇清潔なトイレ
つまり
上司がケンジに大嘘をついて
ケンジが私を信用しなくなって
後輩がその隙にケンジにアピールして浮気してるって事?
最低!!!!!!最悪!!!!!なんなのコイツら!!!!!!!!!絶対許さない!!!!!
こうして私は決意した。
コイツらに復讐してやると
〇女子トイレ
絶対コイツら許さない。
私の心は殺意に満ちて溢れそうだった。
必ず復讐すると誓ってトイレを出た...
〇女子トイレ
あれから半年後
社員A「ねぇ、聞いた? ファッション部の上司さんと後輩ちゃん会社辞めるらしいよ」
社員B「えっ、そうなの!?知らなかった!! 何で?」
社員A「どうやら鈴木さんが関わってるらしい けど...」
社員B「鈴木って...あぁ!あの、地味だけど仕事が出来る人でしょ?」
社員A「何があったのかは謎だけど2人とも辞めるって事は地味な鈴木さんと何か複雑な事情があるんじゃない?」
社員B「あっ、ヤバい休憩時間終わっちゃう!」
社員A「急がなきゃね」
〇清潔なトイレ
鈴木ツムギ「...丸聞こえだっつーの」
鈴木ツムギ(にしても何で陰湿な人ってトイレで陰口言うのかな?聞かれてないって思い込んでるの?頭悪そう)
鈴木ツムギ(それに私はアイツらが隠してた悪事をバラしただけで法に反する事はしてないのにね...)
〇女子トイレ
「あ、良かったツムギ、電話に出てくれて。 やっぱり僕が間違っていたよ、だからさ...」
鈴木ツムギ「私は貴方に裏切られたのでもう知りません。 さようなら」
そのままケンジからの電話をブチ切りして直ぐに着信拒否した。
鈴木ツムギ「さてと、仕事頑張ろうっと」
〇シックなバー
タケル「もうそろそろ閉店かぁ...ツムギさん、またこなかったですね」
マスター「タケルくん、またかね。毎日聞いてるよ」
タケル「だって半年前に俺が休日だったあの日以来 すっかり姿を見せなくなってしまって心配で心配で...」
マスター「なんだ、ツムギさんの事が好きなら告白すれば良いのに」
タケル「えっ、お...俺はまだ見習いバーテンだし、ツムギさんだって俺なんか」
鈴木ツムギ「私がどうかしたの?」
タケル「うわぁ!ツ、ツムギさん!?」
マスター「ツムギさん久しぶりですね、何かいい事ありましたか?」
鈴木ツムギ「別に良い事は無かったけど決着は着いたかな」
鈴木ツムギ「実はね...」
ツムギはマスターとタケルにバーに来なかった半年間に何をしてきたかを全て話した。
ツムギの上司と後輩の事、元カレの事、毒親の事など"半年間の闘い"を聞いてタケルは涙し、マスターは複雑な表情を浮かべた。
こうゆう復讐劇は先に結果がわかっているからこそどうやったのか気になるし安心して読めます!ん?安心して読んで、大丈夫です、、よね😂👍
続き楽しみにしてます!
31歳、ちょうど公私に渡って悩み事が増える時期ですよね。上司や後輩の対応、恋愛や結婚など。そのあたりで全てに裏切られる絶望感はハンパなさそうですね。そして、どのようにツムギさんは復讐したのか、気になります!
信じてる人に裏切られるのは辛い。
人一倍頑張っているきたのに…何が気に入らなかったのか知らないけど、
嘘までついて…
謝られても心の傷は消えません。