エピソード10(脚本)
〇教室の教壇
長井が出席簿の角で桐彦の頭を小突く。
星桐彦「痛え!」
教室中の生徒たちがどっと笑う。
星桐彦「って、あれ?」
星桐彦「夏川は?」
長井宏幸「夏川? お前、夏川の居場所知ってるのか?」
星桐彦「あれ? 教室に来てもない?」
長井宏幸「だから、それを知っとるのかと」
星桐彦「あ、あいたた!」
長井宏幸「ん?」
星桐彦「あー、急に腹痛が、差し込みが・・・いたた・・・ちょっと保健室に・・・」
長井宏幸「は? 何を馬鹿なことを」
星桐彦「いや、これはマジで・・・ほんと」
長井宏幸「あ! コラ! どこがマジだ! ピンピンしてるじゃないか!」
〇学校の裏門
あたりを見回すがそこには誰の姿もない。
星桐彦「夏川・・・」
〇階段の踊り場
姫路伊織「あの子はダメ」
〇学校の裏門
首を横に振る桐彦。
星桐彦「伊織のことは、とりあえずあとだ」
〇マンションの共用廊下
ピンポーン
何度も呼び出すが応答はない。
星桐彦「夏川!」
応答はない。
星桐彦「帰ってないのか?」
星桐彦「連絡先も知らないし・・・どこ行ったんだよ」
〇繁華な通り
星桐彦「うーん・・・こんな探し方じゃ、きりがないか・・・また明日つかまえて・・・ん?」
星桐彦「ゆめみ・・・堂?」
青年「おや、俺がみえるの?」
星桐彦「え?」
青年「いやいや、冗談」
青年「あれ? お兄さん、前も来てくれたでしょ?」
星桐彦「え? いや」
青年「とぼけちゃって」
青年「買って行ってくれたじゃない、“ふたりの鍵”」
星桐彦「・・・え? “ふたりの鍵”?」
星桐彦「いや、それこそ俺がなんで・・・俺にそういう相手、いないし」
青年「いやいや、隠さなくたっていーじゃん」
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