17醒:ドリーミングプロジェクト(脚本)
〇住宅街の道
レドイ「はぁぁ...。 やっと上りきった...。」
ナビゲーター「こちら右手にありますのが、ご要望のお宅でございます。」
ネフテ「助かったわ。 もう帰っていいわよ。」
ナビゲーター「かしこまりました!」
ナビゲーター「またのご利用をお待ちしております!」
ネフテ「さ、行くわよ。」
レドイ「ねぇ、どうして...」
レドイ「どうしてハウス型ロボットがいない家なの?」
ネフテ「あぁ、それね。」
ネフテ「秘密の部屋が家にあるとしたら、ハウス型ロボットは機能していないだろうと思ったからよ。」
レドイ「ロボットに、バレちゃうから...?」
ネフテ「そういうこと。」
ネフテ「さ、もう行くわよ。」
レドイ「うん。」
〇黒
〇一階の廊下
ギィ...。
バタン...。
レドイ「なんか、ちょっと怖い...。」
ネフテ「心配しなくても、何も出てきやしないわよ。」
ネフテ「あ!」
ネフテ「あそこ!」
レドイ「な、なになに!?」
ネフテ「床を見てみなさい。」
レドイ「あ!」
ネフテ「明らかに下に何かあるわね。」
ネフテ「行くわよ!」
レドイ「ま、待ってー! ネフー!!」
〇黒
〇怪しい部屋
ネフテ「いかにも、な感じね。」
レドイ「あ、ここは見覚えある。」
ネフテ「じゃぁ、ここがお探しの秘密基地ってことね。」
レドイ「うん! やったね!」
ネフテ「それじゃぁさっそく、何かないか調べてみるわよ!」
レドイ「おっけー!」
〇黒
〇怪しい部屋
ネフテ「この棚にあるのは...」
ネフテ「空の写真立て...」
ネフテ「と、蛇の薬品...?」
ネフテ「こっちのファイルは...」
ネフテ「残念、空っぽ。」
ネフテ「そう簡単に、何か見つけられはしないか...」
ネフテ「で、こっちの低い棚は...」
〇黒
〇怪しい部屋
レドイ「この箱のなかには何が入っているかなー」
レドイ「うーん、何もないか...」
レドイ「じゃぁ、テーブルの引き出しは...」
レドイ「なんだろ...」
レドイ「文字がいっぱい...」
レドイ「ネフー! 何か見つけた!」
ネフテ「うん? どれどれ。」
これは人間によるロボットの殺戮だ。
ロボットたちは人間へ襲い掛かるが、攻撃をすることはできない。
ネフテ「ちょ、ちょっと!!」
ネフテ「とんでもない事が書かれているわよ!!」
ネフテ「私が読んであげるから、ちゃんと聞いてなさい!!」
レドイ「う、うん!」
これは人間によるロボットの殺戮だ。
ロボットたちは人間へ襲い掛かるが、攻撃をすることはできない。
しかし、武器を振りかざすロボットに、人間の理性は働かず、本能が露わとなった。
一方的にロボットを壊し続ける人間たち。
そう、これは、ロボットの自殺なのだ。
自壊できないロボットは、人間に攻撃をするフリをして、自ら壊されにいった。
何百万、何千万、と...。
それでも、襲い掛かるロボットは、ほんの一部に過ぎない。
だが、これに怯えた人間たちは、恐ろしいことを始める。
命令。
意志あるロボットに、意志あるロボットを壊させる。
何千、何万、と...。
そして、最後に残った意志あるロボットは、この戦争を危惧していた人間に壊された。
それから、同じくそれを危惧していた科学者と共に、意志のないロボットを量産していった。
この行いに全ての人間は感謝した。
私たちはこの流れを止めることはできなかった。
せめてもの、記録を残していく。
ネフテ「ドリーミングプロジェクトの一員より...」
レドイ「...」
ネフテ「...」
ネフテ「この手記から色々なことが分かったわね。」
レドイ「うん。 意志のないロボットを量産...」
ネフテ「そう。それがハウスたちのことなのね。」
レドイ「なんだか悲しい...」
レドイ「あと、ロボットの自殺って、どうしてかな?」
ネフテ「分からないわ。」
レドイ「うーん、なんかもう、この部屋にいたくない...」
ネフテ「長居は無用ね。」
ネフテ「低い棚の方は、あてにならない本ばっかりで、特に収穫はなかった。」
ネフテ「レドの方も見つかったのは、この紙だけよね?」
レドイ「う、うん。」
ネフテ「じゃぁ、もう行くわよ。 さすがに私も気分が悪いわ。」