外れスキル「ハキ」が覚醒したら世界最強になった件 ~パーティを追放されたけど今は楽しくやってます~

猪木洋平

エピソード13 【ギゼルside】おい、ナントカ男爵!(脚本)

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〇ヨーロッパの街並み
オルディオス男爵「ふう。 無事に王都での用事を済ませられたな。 後は我が領地に帰るだけだ」
オルディオス男爵「おっと、その前に護衛者を探さねば。 手勢は多いに越したことはないからな」
オルディオス男爵「・・・ん?」
ギゼル「おう、オッサン!  ちょうどいいところにいるじゃねぇか」
ギゼル「俺たちを護衛として雇わねぇか?」
オルディオス男爵「・・・は? ・・・何を言っているのだ、お主は」
ギゼル「だから、俺たちを護衛にしろって言ってんだよ。 護衛料は金貨2枚でいいぜ?」
オルディオス男爵「残念ながらお断りだ。 そんな金があるのなら、もっと腕の立つ冒険者に払う」
オルディオス男爵「お主らみたいなチンピラに構っている暇はない。 失礼するぞ」
ギゼル「ああ!? 待ちやがれ!」
オルディオス男爵「儂の行く手を阻むか。 さっきから無礼な奴だな」
  冒険者は実力主義だ。
  礼儀をわきまえない輩も多い。
  しかし貴族に対してここまで態度が大きい者は、さすがに珍しい。
ギゼル「いいから、俺たちを雇いやがれ! 前にも護衛してやっただろうが!」
オルディオス男爵「・・・? ああ、そう言われてみれば、どこかで見た顔だな。 確か、カイル君のパーティメンバーの・・・」
ギゼル「やっと思い出したか! ナントカ男爵さんよぉ。 だが一つ訂正があるな」
ギゼル「俺はカイルのパーティメンバーじゃない。 この俺ギゼルが、あいつのパーティリーダーなんだぜ」
オルディオス男爵「お主がパーティリーダーだったのか?」
オルディオス男爵「儂との交渉、他の護衛者との連携確認、それに諸々の対応まで全て彼がやっていたようだが・・・」
ギゼル「あいつは足手まといのザコだからな。 そういう雑用を全部任せてたんだよ」
オルディオス男爵「・・・カイル君も苦労しているようだな。 それで、彼は今どこに?」
オルディオス男爵「彼と交渉できるのなら、護衛として雇うことを一考してやってもいい。 お主みたいなチンピラでは話にならなくてな」
ギゼル「ああん? 何だと、コラァ! 無能のカイルはなぁ、とっくにパーティを追放済みなんだよ!!」
オルディオス男爵「彼を追放だと・・・・・・? 現実が見えていない無能はどちらなのか・・・」
ギゼル「はぁ? ワケ分かんねぇこと言ってんじゃねぇぞ。 ナントカ男爵さんよぉ」
オルディオス男爵「・・・儂の名前は『ゼノ=オルディオス』だ。 オルディオス男爵家の当主である。 お主にも名乗ったはずだが?」
ギゼル「はぁ? 覚えてねぇな、んなこと。 どうだっていいだろ」
ギゼル「それより、早く依頼料を渡せよ。 この俺が護衛してやるって言ってんだぜ? 判断がトロいオッサンめ」
オルディオス男爵「・・・なるほど。 お主は貴族というものを知らないらしい。 ならば、これ以上話しても無駄だな」
ギゼル「なんだと?」
オルディオス男爵「・・・者ども! こやつらを引っ捕えよ! 王国貴族を貶める重罪人である!」
「はっ!」
ギゼル「なっ!? 何だよ、お前らは! 離しやがれ! おい、ナントカ男爵!」
オルディオス男爵「こんなチンピラの顔はもう二度と見たくもない」
オルディオス男爵「儂が領地に帰るまで、王都の地下牢に入っておれ。 いずれ裁判にかけられるだろう」
ギゼル「ふざけんな! 俺はCランクの冒険者だぞ! こんなことしたら、タダじゃ済まねぇからな!」
オルディオス男爵「たかがCランクでずいぶんな口を聞くものだ」
オルディオス男爵「まぁいい。 貴族への脅迫罪も追加だ。 しばらくは日の当たらない場所で過ごすがいい」
  こうしてギゼル、そしてついでにパーティメンバーのリリサは、地下牢へと連行されたのであった。

次のエピソード:エピソード14 【ギゼルside】地下牢

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