4.崩れる幻想(脚本)
〇貴族の部屋
彼の婚約者は、
オーロラこそがふさわしい
ヴィクトル「・・・・・・」
オラオラ姫「統合国の大切な象徴となる結婚だ」
オラオラ姫「この身ではその『妻役』はつとまらん」
オラオラ姫「残念ながら」
ヴィクトル(なんだよそれ)
ヴィクトル(俺がどんだけ──)
ヴィクトル(ていうか『妻役』って・・・)
もしかして、彼女にとって──
この結婚は、本当にただの政略──
立ち上がって見下ろすと、
彼女は一瞬本当に怯えた顔をした
ヴィクトル「・・・・・・」
ヴィクトル「お話はよく分かりました」
ヴィクトル「誰にも言いませんから」
〇屋敷の書斎
使い魔「今から図書室で調べるんですか!?」
使い魔「こんな魔術師のいない国の本で、」
使い魔「魔法を解くヒントがありますかねえ」
使い魔「ぐー」
それでもやるしかないだろ
〇城の回廊
使い魔「殿下・・・何かいい方法見つかりましたか?」
ヴィクトル「・・・・・・」
使い魔(うう、全然喋ってくれない)
オーロラ姫「おはよう。あら、なんだか人が少ないわね?」
ヴィクトル「おはようございます 皆さん体調が優れないようです」
ヴィクトル(ただの二日酔いだが)
オラオラ姫(あ、あいつ、普通に顔をみせてる。良かった)
オラオラ姫「おは──」
オーロラ姫「な、なんで急に自分の顔殴ったの?」
オラオラ姫「何でもない!」
オラオラ姫(どうして急に昨夜の顔が浮かんだ)
オラオラ姫(しかも助けに来てくれた格好いい時の・・・)
オラオラ姫(一体どうしてしまったんだ。私の頭は)
ヴィクトル「あ、オーラ姫、朝の鍛錬の後でしたね お着替えをどうぞ」
オラオラ姫「い、いや、いい!」
オーロラ姫「どうしたの。着替えれば?」
オーロラ姫「オラオラだからどこでも平気なんでしょう?」
ヴィクトル「手伝います」
オラオラ姫「いいというのに・・・」
オラオラ姫(うわ、近い)
オラオラ姫(・・・肌がきれいだな)
オラオラ姫(でも目が鋭い。騎士みたいだ)
オラオラ姫(大きな手。肩も、首も・・・)
オラオラ姫(細身なのに引き締まってて・・・まるで、そう)
オラオラ姫(私みたいに)
オラオラ姫「っ────!」
オーロラ姫「逃げた!?なんで?」
オーロラ姫「・・・・・・・・・」
〇洋館の廊下
使い魔(あ、これは嫌われたと思ってるな)
使い魔(オーロラ姫を勧めるチャンスかも・・・!)
使い魔「殿下、あの、」
ヴィクトル「いやだ」
ヴィクトル「どいつもこいつもオーロラオーロラ」
ヴィクトル「あんな我儘で、何も考えていなさそうな女・・・」
ヴィクトル「俺は絶対に嫌だ!」
オーロラ姫「ふふっ」
使い魔「あ」
〇牢獄
地下牢屋
使い魔「即投獄・・・」
ヴィクトル「なんて女だ」
使い魔「物が多い・・・地下牢を物置にしてるんだな」
使い魔「うう、マレフィセントの王位継承者をなんという扱い」
使い魔「帰りましょう!殿下!」
使い魔「どうせ図書室でも収穫なかったんでしょう?」
ヴィクトル「いや、いくつか絞った」
ヴィクトル「準備が色々必要になるんだが・・・」
ヴィクトル「人手が足りない」
ヴィクトル「魔物ともう一匹契約しようかと思ってる」
使い魔「殿下・・・」
使い魔「ワシの召喚に、何を代償にしたか分かってますか?」
使い魔「寿命5年分ですよ」
ヴィクトル「・・・・・・」
使い魔「もう一匹って、そこまでする必要ありますか?」
使い魔「昨日よく分かったでしょう?」
使い魔「オーラ姫は殿下ほど」
使い魔「結婚に思い入れはないんですよ!!」
ヴィクトル「言うな!」
ヴィクトル「言うなよ・・・」
ヴィクトル「お前結構ズバッと言うよな・・・」
ヴィクトル「仕方ないだろ」
本当に腹立たしくなるけど
どうしても諦められそうにない
時計の中
オーロラ姫(何今の話・・・)
オーロラ姫(え、本当に本当のヴィクトル王子なの?)
オーロラ姫(ちょ、ちょっと、嘘でしょう?)
オーロラ姫(でも喋る鳥なんて初めて見た・・・)
オーロラ姫(なあんか、怪しい執事だったから)
オーロラ姫(牢に入れて、正体を暴いてやろうと思ってたのに・・・)
オーロラ姫(どうしよう)
オーロラ姫(話してる内容ほとんど分かんなかったけど、)
オーロラ姫(とりあえず、姉がオラオラでも王子は引かなかったってことよね?)
オーロラ姫(ということは、)
〇花模様3
ヴィクトル王子は、男色家ってこと!?
ヴィクトル「『どうしてそんなに頑ななんですか!』」
ヴィクトル「『むしろオラオラだから俺はあなたが好きなんだ!』」
オラオラ姫「『ヴィクトル・・・』」
わーわーわーわーわー!
オーロラ姫(なななななんて想像を!)
オーロラ姫(わ、私のせいじゃないわ)
オーロラ姫(作家志望のルイーザ嬢の作った薄い本のせいだわ。読みすぎたんだわ!)
オーロラ姫(でも、よく分かんないけど、)
オーロラ姫(お姉さまのために、彼は執事に変装してるってことなのよね?)
オーロラ姫(誰にも正体を告げずに秘密で・・・)
オーロラ姫(素敵・・・!素敵すぎる!)
オーロラ姫(ああ、身近でこんな小説みたいなことが起きてるなんてえ)
〇花模様3
ああ、半年後の二人の婚約式が・・・
すっごい楽しみ!!
ヴィクトル「この日を待っていた」
ヴィクトル「オーロラ姫」
オーロラ姫「えー!」
オーロラ姫(そうよ、そういえば私と結婚することになっちゃうのよ。彼は)
オーロラ姫(全く、お姉さまったら)
オーロラ姫(私だって王位と関係のない人生設計立ててたのに!)
オーロラ姫(そりゃ、お姉さまが一番辛いのは分かってるけど、でも)
オーロラ姫(諦めるのが早すぎるのよ!)
オーロラ姫(は!)
オーロラ姫(まさか、お姉さま、彼のこと好きになりかけてる?)
オーロラ姫(彼と私の婚約式を見ることになるのに!?)
オーロラ姫(ただの政略結婚の相手だと思ってたら、 実は好きな人だったなんて・・・)
オーロラ姫(・・・・・・よし!)
オーロラ姫(お父様に言って、政略結婚をやめてもらおう! 統合国より、二人の気持ちの方が大事よ!)
オーロラ姫「お父さま、執事姿のヴィクトル王子を見てなんて言うかしら。ふふふ」
オーロラ姫(二人には内緒の、サプライズプレゼント!)
オーロラ姫(・・・・・・)
オーロラ姫(これ、ルイーザ嬢の本のネタになるんじゃないかしら!メモメモ!)
〇牢獄
「きゃあっ」
オーロラ姫(い、いけない!倒れちゃった!)
「・・・・・・・・・・・・」
ヴィクトル(今の聞かれたか!?)
オーロラ姫(聞かなかったことにしなきゃ・・・!)
つづく
オーロラ姫、お気に入りになりそうです!
オーロラ姫、味方になってくれそう!?
それにしても薄い本の妄想とはw
いいキャラですね!😆
オーロラ姫の妄想に笑っちゃいました😁味方もでき、何かいい感じにオラオラ姫と王子の関係が進みそう✨
ご無沙汰している間にだいぶ進んでしまったようなので、ここから少しずつ追っかけて行きたいと思います♥️