15眠:自由の女神は自らの手で。(脚本)
〇綺麗なリビング
ガチャン...。
ハウス「二人ともおかえりなさい!」
ハウス「秘密基地探しはどうだった??」
レドイ「だめだった...。」
ネフテ「初日ですぐ見つかると思ってないわ。」
ネフテ「そんながっかりしないの。 また午後も探しに行けばいいじゃない。」
ネフテ「ほら、レドは早く手を洗ってきなさい。」
レドイ「はーい。」
ネフテ「ハウス、悪いけど今日のお昼はパスで。」
ハウス「あら、どうしたの?」
ハウス「調子でも悪い?」
ネフテ「うん。ちょっと。」
ネフテ「またレドが昼寝した頃に降りてくるわ。」
ハウス「わかったわ。」
〇黒
〇綺麗なリビング
ネフテ「まずいわ、ハウス。」
ハウス「どうしたの!? ネフテちゃん!?」
ネフテ「さっきから、耳鳴りみたいなものが止まらないのよ。」
ネフテ「ついに、わたし、壊れちゃうのかもしれない...」
ハウス「そんな...」
ハウス「困ったわ。 メンテナンスを頼むわけにもいかないし、どうしましょう...」
ネフテ「レドと秘密基地探しをしている辺りから、ザーッ、ザーッって音が続いているのよ。」
ネフテ「頭がおかしくなりそうだわ。」
ハウス「それって、今朝の夢が関係しているのかしら...」
ネフテ「そうかもしれない。」
ネフテ「ごめん、ハウス。 やっぱり部屋でスリープしてくる。」
ネフテ「レドにもごめん、って謝っておいて。 午後の秘密基地探し、楽しみにしてたと思うから。」
ハウス「わかったわ。 また夜、様子を伺いに行くわね。」
ネフテ「うん。 ありがと。」
〇黒
〇本棚のある部屋
「ネフテちゃん、入って良いかしら?」
ネフテ「大丈夫よ。」
ハウス「具合はどう?」
ネフテ「昼間より、ずっと良くなったわ。」
ネフテ「一度、スリープしたからかもしれない。」
ハウス「そう。良かった。」
ネフテ「今はもう、意識をしなければ、聞こえないくらいに音が小さくなってる。」
ハウス「それなら日常生活に支障はなさそうね。」
ハウス「耳鳴りの原因って、よく聞こえるっていう機能のオーバーヒートかしら。」
ネフテ「それも考えられるわ。 だから出力を抑えるようにした。」
ネフテ「ねぇ、ハウス...」
ハウス「どうしたの、ネフテちゃん?」
ネフテ「ロボットが夢を見ることなんて、あるのかしら...」
ネフテ「私は...怖い。」
ネフテ「自分がどんどん、分けの分からないものになっていくのが、怖い。」
ハウス「ネフテちゃん...」
ハウス「...。」
ハウス「大丈夫。 ネフテちゃんには、レドイちゃんがついているわ。」
ハウス「人間の可能性は絶大よ。」
ハウス「ネフテちゃんのことも、この世界のことも、きっとレドイちゃんが自由にしてくれる。」
ハウス「もう少しの辛抱よ。」
ネフテ「うん。 ありがとう、ハウス。」
ネフテ「色々あって弱気になってた。」
ネフテ「目の前の事から、ひとつずつ、やっていく。」
ハウス「そうね。 今日はもうゆっくり休んで、また明日。」
ハウス「元気な顔を見せて。」
ハウス「それじゃぁ、おやすみなさい。」
ネフテ「レドにばっかり、負担はかけられないわ。」
ネフテ「自由は、自分の手で掴まないと...。」