さいごのネフテとさよならのレドイ

宇野木真帆

14眠:キーワード『夢』(脚本)

さいごのネフテとさよならのレドイ

宇野木真帆

今すぐ読む

さいごのネフテとさよならのレドイ
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇黒

〇黒

〇美しい草原
「ねぇ、エディン。 ーの街までは、ー?」
「あぁ、ー。 ーいったところだ。」
「ったく。 エディンバラの言ったことがー。」
(なにこれ...。)
(だれよ...。 このひとたち...。)

〇黒

〇ファンシーな部屋
ネフテ「っ!!」
ネフテ「な、なにっ!?」
レドイ「うーん、ネフ...。」
レドイ「どうしたの...?」
ネフテ「...。」
ネフテ「ごめん。 起こしたわ。」
ネフテ「私は昨日ここで寝てしまったのね。」
ネフテ「だからかしら... なにか、頭の中で変なものが見えたわ。」
レドイ「えー、おばけ...」
ネフテ「おばけ...?」
ネフテ「あぁ、そんな感じかもしれないわ。」
ネフテ「頭の中におばけがいる。 私じゃない、誰かがいる。 そんな感じね。」
レドイ「えー...こわい。」
ネフテ「いや、待って...」
ネフテ「...。」
ネフテ「...。」
ネフテ「らしくもない。動揺してたわ。」
ネフテ「でも変ね。 これは人間のもので、ロボットでは有り得ないはず...。」
レドイ「あ! もしかして夢?」
ネフテ「おぉ、レドにしてはやるわね。」
ネフテ「そうよ。 夢を見たみたい...。」
レドイ「それなら、あたまの中に自分じゃないひと、いるよね。」
ネフテ「うーん...。 夢は人間特有なのよ。」
ネフテ「わたしは...」
レドイ「人間だったりして?」
ネフテ「まさかね。」
ネフテ「なんだか、どんどん得体の知れない物になっていくのがイヤね...。」

〇黒

〇綺麗なリビング
ハウス「あら、おはよう。」
ハウス「二人で降りてくるなんて、めずらしいわね。」
レドイ「おはよう、ハウス。 ネフが夢を見たんだよ。」
ネフテ「普通はその反応よね。」
ネフテ「レドは分かってんだか分かってないんだか...。」
ハウス「それは..夢なのかしら?」
ネフテ「分からない。 私にとっては初めて見る人たちだった。」
ネフテ「薄紅色の髪の女性が二人。」
ネフテ「それから、空色、ううん。 もっと深い紺青色くらいの髪の男性が一人いたわ。」
ハウス「記憶にない人たち、の映像を見るのは夢ね。」
ネフテ「そうね。 でも、私には記憶どころかデータもない。」
ネフテ「もしかしたらあの映像は、私の失われたデータなのかもしれない、ということよね。」
ハウス「えぇ、その可能性も考えられるわ。 他に覚えていることは何かある?」
ネフテ「えーっと、たしか...」
ネフテ「エディン、バ、ラ...」
ネフテ「エディンバラ、という単語だけ覚えているわ。」
ハウス「エディン、バラ...」
ハウス「それは地名ね。 ヨーロッパの方に、エディンバラという場所があるわ。」
ネフテ「そこに何かあるのかしら...」
ネフテ「まぁ、でも、今日はレドと先約があるから、それはまたにするわ。」
レドイ「うん! ひみつきち探しだよね!」
ハウス「あら、懐かしいわね。 あれはレドイちゃんが6歳の時だったわ。」
ネフテ「そうよ! ハウスならその場所分かるんじゃないの!?」
ハウス「ごめんなさい。 場所までは分からないわ。」
ハウス「でも、あの時レドイちゃんは...」
ハウス「メッセンジャーごっこをしている時に、いれる所がなかったから、お家に入ったら、秘密基地があった、と言っていたわ。」
ネフテ「それだけ分かれば十分よ!」
ネフテ「この辺りの家をくまなく探せば、きっと見つかるわ!!」
ハウス「6歳の足だから、そんな遠くではなさそうね。」
ネフテ「それじゃぁさっそく行くわよ!!」
レドイ「うん!」
ハウス「あ、待って!! 朝ごはんは!?」
ハウス「レドイちゃんはオイルも塗らないと!!」

次のエピソード:15眠:自由の女神は自らの手で。

成分キーワード

ページTOPへ