第21話 愛の花、悪の華!③(脚本)
〇水玉2
アップル「素晴らしいミュージシャンに憑りついて、愛を汚す悪霊は許せない」
アップル「このウェディング・アップルが不滅の愛を教えてあげるわ!」
〇植物園のドーム
アップルが口上を言い終えると、世界がモノクロームに変化した。
植物園から逃げようと走っていた人々の体も静止する。
雪代椿「何が起こったの!?」
突然動かなくなった周囲の人々を、椿は戸惑いながら眺めた。
〇ライブハウスの控室
ホーディ「エビーダの奴、遅え。何をしてやがるんだ」
ジュロー「ライブの開演時刻が迫っている。 遅刻するのも美しいってほざくつもりか!」
ビーモン「・・・・・・」
ダーブラック「兄さん、ボク見てくる!」
〇植物園の中
エビーダ「静止した世界か。 ここでの戦いもまた、美しい!」
エビーダは巨大な食虫植物を操り、アップルの身体を拘束した。
アップル「しまった!」
手足を蔦(つた)に絡まれたアップルは身動きが取れない。
動けないアップルに、エビーダが釣り竿を振りかぶって鞭を打つ。
アップル「あぁぁぁーーーっ!」
〇植物園のドーム
熱帯ドームの中から、アップルの悲鳴が響いた。
雪代椿「アップルさんを助けなくちゃ。 その為にはカイを・・・」
〇レトロ喫茶
海老原カイ「世界で一番君を愛している」
〇植物園のドーム
雪代椿「カイを元に戻したい・・・」
エビーダ「あーはっはっはっ!」
アップル「あああぁぁぁっーーー!」
雪代椿「嫌! これ以上傷つけないで! そんなカイ見たくない!!」
椿は苦悶の表情で、熱帯ドームの扉を必死に叩いた。
雪代椿「カイ、カイ! 元に戻って下さい!」
雪代椿「悪霊さえ追い出せれば、きっと・・・わたくしにも何か出来ることがあるはず」
そのとき、椿のブレスレットの宝石から聖なる光が放たれた。
雪代椿「!」
女神「そう、あなたなら出来る。 一歩踏み出すのです」
雪代椿「あなたは・・・?」
女神「唱えなさい、勇気の愛天使、ウェディング・カミーリアよ!」
雪代椿「ウェディング・カミーリア?」
椿は戸惑いつつも、ブレスレットを強く握りしめて叫んだ。
〇カラフル
雪代椿「わたくしにも出来る」
雪代椿「マニフェステイション・オブ・ブレイブ・エンジェル・カミーリア!」
〇植物園のドーム
カミーリア「わたくしが守ってみせます。お二人を」
〇植物園の中
エビーダ「とどめだ!」
瀕死のアップルに向かって、エビーダが釣り竿を振りかぶる。
その寸前、入口から赤い光が差し込んで周囲をまばゆく照らした。
エビーダ「!?」
カミーリア「止めて下さい!」
エビーダ「何だ? お前は一体・・・」
アップル「桜ちゃん、じゃない・・・?」
カミーリア「わたくしどうなっているのでしょう」
カミーリア「ウェディング・カミーリアと唱えたらこのような姿に」
アップル「あなたは愛天使なのです。 一緒に戦いましょう!」
カミーリア「戦う?」
カミーリア「わたくしは・・・、戦いません!」
アップル「え!?」
カミーリア「カイを悪霊から取り戻すのです!」
カミーリア「思い出して、わたくしとの出会いを、愛を。わたくしはあなたを愛しています!」
カミーリア「ハート・オブ・ロマンティックLED!」
エビーダ「何だこの光は・・・。 愛してる、だと? グゥゥゥーーーっ」
エビーダの叫びとともに、食虫植物たちが悲鳴を上げる。
アップルを捕らえていた植物の蔦が緩み、解放されたアップルが地面に落ちた。
アップル「きゃっ」
カミーリア「悪霊よ、早く出て行って!」
エビーダ「何なんだお前は! 思い出す愛なんて、僕にはない!」
アップル「カミーリア、お色直しよ!」
カミーリア「お色直し?」
アップル「一緒に唱えましょう!」
〇カラフル
「ア・ブライズ・チェンジ・オブ・コスチューム!」
〇植物園の中
カミーリア「バージンロード!」
攻撃を受けたエビーダは、ついに弾き飛ばされて地面に倒れた。
エビーダ「くっ、よくも僕の美しい花々を──」
アップル「誠実な愛を悪で包むなんて許せない。 覚悟しなさい!」
エビーダ「醜きものの戯言など聞きたくない!」
アップル「ブーケ・プルズ!」
アップルの放ったリボンが、エビーダをぐるぐる巻きにして引き締める。
エビーダ「ぐあーーーっ」
アップル「これであなたの動きは封じたわ」
アップル「もう少しだわ! カミーリア、もう一度さっきので悪霊を追い出すのよ」
カミーリア「はい! バージンロード!」
カミーリアの攻撃を受けて、苦しそうに声をあげるエビーダ。
その声を聴いたカミーリアの脳裏に、ふとカイの姿が思い浮かぶ。
カミーリアはハッとして攻撃を止めると、エビーダの元へ駆け寄った。
カミーリア「ごめんなさい。あなたを傷つけるつもりは無かったの。どうしましょう」
アップル「ちょっと待って、カイさんにはまだ魔霊が取りついている!」
アップル「ラブリィ・ショット!」
アップル「こっちを向いて、はい──」
ズドォォォォォン!!
アップルが言いかけた直後、大きな衝撃音とともに天井に人影が現れた。
アップル「きゃ、何!? 今の?」
ダーブラック「あははっ、エビーダ格好悪っ」
ダーブラック「ん? あれは──」
ダーブラック「新たな愛天使の誕生!?」
椿の身に着けているブレスレットから、光が放たれてエビーダを包み込む。
エビーダから悪のオーラが消し飛び、カイの姿に戻った。
ダーブラック「愛の力で悪のパワーを薄めたのか?」
ダーブラック「まっ、まずいよ。兄さん、どうしたらいいんだ!? くそぉ~~~」
ダーブラックは逃げるようにして、その場を去っていった。
アップル「悪霊消滅!? やったわ!」
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これからのカイと椿さんに期待だね😊
素敵なお話有難う御座います!私はまだ未成年だからあれだけど、この作品のキャラクターにいつか声を当ててみたいなって思いました!無課金勢なのでログインボーナスの無料チケットを使って見てます!どのキャラクターも素敵で可愛く、格好よくて憧れますね(*^^*)これからのお話もじっくり読みたいです!長文失礼致しました!(macaron)