〇宇宙要塞

〇謎の施設の中枢
ベーザイ「愛天使の正体は暴けたのか？」
ビーモン「・・・まだ、です」
ベーザイ「たかが小娘二人と思っていたが・・・」
ベーザイ「新たな愛天使まで現われた。 何をしているのだ？」
ビーモン「ベーザイ様、申し訳ございません」
ビーモン「ですが、愚かな人間共の洗脳は着々と進んでおります」
ビーモン「多くの若者たちを悪の心に染めています」
ビーモン「このエリアの人間共の悪霊化はすでに完了」
ビーモン「奴らは我々の意のまま。世界各地で心を取り込んだ時、一気に号令をかけます」
ビーモン「そうすれば、奴らはすぐにでも破壊活動を始めるでしょう」
ビーモン「今暫くお待ちください」
ベーザイ「よいだろう。 但し、愛天使を倒すことも忘れるな」
ビーモン「心得ました」
ジュロー「ケッ、失敗を重ねてきたお前らのせいだ」
エビーダ「！」
ダーブラック「くっ・・・！」
ジュロー「たかが小娘たちに無様な」
ホーディ「黙れジュロー、貴様は嫌味ばかり言って動きもせず、勝手を言うな！」
ジュロー「喚くな、ホーディ。 俺はな、すでに作戦を考えている」
ホーディ「な、なにぃ？」
ジュロー「鉄魔霊、作戦を開始せよ！」
鉄魔霊「ランラン、ラジャー！」

〇大きな木のある校舎

〇道場
武笠蘭「トリャッ！」
　　蘭は左足で蹴りを入れ、男の空手部員をなぎ倒した。
朝陽林檎「蘭、凄い！」
武笠蘭「ありがとう」
武笠蘭「みんな、この子は林檎。 中学時代は新体操で活躍してたんだ」
女子部員「へぇ、何かやって見せてよ」
女子部員「見せて！見せて！」
朝陽林檎「え～？ でも・・・」
武笠蘭「林檎、みんなが望んでる。頼む」
朝陽林檎「う～ん・・・じゃあ、道着の紐、借りるね」
　　林檎は蘭の道着の帯をするりと抜く。
武笠蘭「ちょっ・・・」
　　林檎の演技に、部員たちから「お～！」と歓声が上がった。
女子部員「高校では新体操やらないの？」
武笠蘭「林檎はね、恋する男探しで忙しいんだって」
朝陽林檎「蘭ってば」
武笠蘭「でも、理想の男なんていないと思うよ」
朝陽林檎「むっ・・・」

〇シックなバー
朝陽林檎「蘭ってば、そんなこと言うの」
雪代椿「きっと男の方に興味がないのですわ」
朝陽林檎「椿さんは、その後FRENZYのカイさんとは？」
雪代椿「まるで連絡がありませんの」
雪代椿「全国各地で演奏活動をしているようで、どこにいるかも事前に掴めませんし・・・」
朝陽林檎「そんな・・・」
雪代椿「わたくし、彼のことは忘れます」
朝陽林檎「えっ？」
雪代椿「あの方、わたくしよりもFRENZYの方が大切なのです。そうわかりました」
朝陽林檎「それでいいんですか？」
雪代椿「わたくし、過去にはこだわりません。 新たな人を見付けようと思っていますの」
　　椿はカウンターのパソコンを操作してWEBページを表示した。
　　『恋人を見つけよう』
朝陽林檎「はら～」

〇インターネットカフェ
　　インターネットカフェで、若者たちがパソコンでWEBページを眺めている。
女性「恋人が見つかる？」
　　『恋人を見つけよう』
　　『恋人が見つかるキューピットのバッジを無料で上げます』
女性「このバッジ、欲しい」

〇謎の施設の中枢
ジュロー「愚かな人間共め」
　　ホログラムで表示された若者たちの姿を見て、不敵な笑みをこぼす。
　　若者たちは『恋人を見つけよう』と書かれたWEBページを次々に開いていった。
ジュロー「恋人を探しにやって来るがよい。 ハッハハハ・・・」

〇森の中のオフィス
朝陽林檎「お疲れさまでした」
　　林檎がアイリスから出てくると、店の前で女性が看板を見つめていた。
風間さより「・・・・・・」
朝陽林檎「何か御用でしょうか？」
風間さより「ここ結婚プランナー会社ですよね」
朝陽林檎「はい。私、朝陽林檎。 ここでバイトしてます」
風間さより「そうなの。 実は友達にね、結婚式の相談をされたの」
風間さより「それで、いろいろ聞いてみようかな？ って思って・・・」
朝陽林檎「でしたら、まだスタッフがいます。 どうぞ中へ！」
風間さより「でも、やめるわ。 結婚式や披露宴なんて無駄って、友達に言うわ」
朝陽林檎「え～？ 無駄？」
風間さより「私自身はね、結婚に興味がないのよ」