エピソード8 狩り(脚本)
〇森の中
2週間ほどが経過した。
カイル「エミリア、背後からハインドイーグルが来るぞ!」
エミリア「はい! うりゃあああぁぁっ!!!」
ドカッ!!
エミリアの剣はハインドイーグルを捉えた。
奴は木に叩きつけられて絶命する。
カイル「よし! ナイスヒットだ!」
エミリア「えへへ。やりました!」
カイル「・・・しかし、剣の横っ腹で殴る作戦がこうもうまくいくとはな」
エミリア「はい! こっちの方が当たりやすいですね」
エミリア「カイルさんのアドバイスのおかげで、私も戦えるようになりました!」
カイル「おう。 ま、普通なら剣に変な負荷がかかるからやらないんだが・・・」
カイル「この頑強な剣なら大丈夫だろうと思ってな」
エミリア「そうですね。自慢の剣です!」
Eランク冒険者には明らかに不釣り合いな剣。
それを何故エミリアが持っているのか気になるところだが、聞いてもはぐらかされてしまった。
カイル「エミリアの『怪力』もスキルレベルが上がったんだったか?」
エミリア「はい。 と言っても、カイルさんのようにいろんなことはできませんけど」
エミリア「私の場合は、少しだけ出力が上がったみたいです。 できれば制御力の方が上がってほしかったんですけど・・・」
カイル「ままならないものだな」
エミリア「でも、カイルさんのアドバイスのおかげで戦えるようにはなりましたし、ここからですよ」
エミリア「それに、カイルさんもまたスキルレベルが上がったのでしたか?」
カイル「ああ。『ハキ』がスキルレベル5になった。また新しい能力を得たのだが・・・」
エミリア「そうなんですか? でも、戦闘は今まで通りだったような・・・」
カイル「移動系の能力なんだ。 今は森の中にいるから使えないんだが」
エミリア「へえ・・・。 気になりますね。 早く見たいです」
カイル「まだ練習中でね。 後でまた見せるよ。 それよりも、今日はこの辺りにしておこう」
エミリア「え? まだ日は高いですが・・・」
カイル「そろそろ狩り場を変えようと思ってるんだ。 トレントの数も減ってきて、俺たちにとって旨味が少なくなってきたからな」
カイル「次の狩り場候補の情報収集をしたい」
エミリア「なるほど! いろいろ考えてくださっているのですね。 私はカイルさんに付いていきます!」
こうして、俺はエミリアと共に冒険者ギルドに向かい始めたのだった。