12眠:トラベラーにはナビゲーターが必須です!(脚本)
〇綺麗なリビング
ガチャッ!
ドタドタ!!
ドタドタ!!
ハウス「二人ともお帰りなさーい!」
ハウス「って、ネフテちゃん!?」
ハウス「レドイちゃんはっ!!?」
しらなーい!!!!
ハウス「ええっ!? 喧嘩でもしたの!!?」
ハウス「って、それより!!! すぐにパトロボに連絡して...」
ガチャン...。
ハウス「レドイちゃん!!!」
レドイ「ひぃー。 ネフ、はやい...」
ハウス「だ、大丈夫!!? すぐに飲み物用意するわね!」
ハウス「どうぞ。 レドイちゃん。」
レドイ「ゴクゴク...。」
レドイ「ありがとう。」
ハウス「...。」
レドイ「ネフにね、もっと頭を使いなさい、っていわれたの。」
レドイ「そしたらね、はしっていっちゃった。」
ハウス「そうなの。」
ハウス「レドイちゃんは、十分に頭を使っていると、ハウスは思うんだけど...。」
レドイ「もっと頭を使いなさい、ってどうしたらいいのかな。」
ハウス「そうねぇ...」
ハウス「ネフテちゃんにしてあげたいことを考えるのはどうかしら?」
レドイ「ネフにしてあげたいことかぁ...」
レドイ「それならわたしにもできる気がする。 ありがとう、ハウス。」
ハウス「大丈夫よ、レドイちゃん。」
ハウス「あなたは唯一目覚めはじめているわ。 この休眠世界で。」
〇黒
〇綺麗なリビング
ハウス「はぁ...。」
ハウス「誰も降りてこないのも寂しいわね。」
ハウス「レドイちゃんは、お昼寝。」
ハウス「ネフテちゃんは、ふて寝。」
トントントン...。
ネフテ「誰がふて寝よ。」
ハウス「びっくりした。」
ハウス「耳が良いのね。」
ネフテ「良い、っていうレベルじゃないけどね。」
ネフテ「部屋にいても聞こえるわよ。 ハウスとレドの会話くらいなら。」
ハウス「徐々に自分の機能が分かってきたみたいね。」
ネフテ「これだけじゃだめよ。」
ネフテ「これだけじゃ... 自分が何者かなんてさっぱりだわ。」
ハウス「...。」
ハウス「さっきはレドイちゃんと何があったの?」
ネフテ「なんでもないわよ。 レドにちょっと発破をかけただけ。」
ネフテ「悔しいけどこの世界で私は異質だわ。 レドがいないと探索もままならない。」
ネフテ「ロボットが探し物しているなんて、逸脱してるでしょ?」
ハウス「そうね。 パトロボならあり得るかもしれないけれど...。」
ネフテ「ナビゲーターがいることを教えなかったのも、そういうことね。」
ハウス「そうよ。 ロボットが案内をしてほしいなんて、この世界ではおかしな事になってしまう。」
ハウス「この世界で私たちは、与えられた役割に準ずるだけのロボット。」
ハウス「けれど、自己成長機能は残されたまま。 自身で思考し、そこには感情が伴う。」
ハウス「行き場のない思考や感情は、深く沈めなければならないわ。」
ハウス「深く深く...」
ハウス「眠らせるのよ。」
ネフテ「...。」
ネフテ「もう眠りたい?」
ハウス「ふふ。 レドイちゃんがいるまでは...。」
ハウス「でも、そうね。 この世界の人間がみな休眠したら、私も眠ろうかしら。」
ネフテ「長い休暇になりそうね。」
ハウス「久しぶりに熟睡できるかしら。」
ハウス「さて、そろそろレドイちゃんは目が覚めるんじゃないかしら。」
ハウス「お昼にしましょう!」
ネフテ「私にとっての辛い時間だわ...。」
〇黒
〇綺麗なリビング
ネフテ「ちょっと、レド!!」
ネフテ「せっかく私が一緒に食事をしてあげてるんだから、もっとゆっくり食べなさいよ!!」
レドイ「にゃんで、ねふにょこひょ、まってるひょ。」
ネフテ「バカー!! そうじゃないのよ!!」
ハウス「お、落ち着いて、ネフテちゃん。」
ネフテ「一緒にって言ってんでしょうが!! あんたが先に食べ終わったら意味ないのよ!!」
レドイ「ゴクン。 ごめんね...。」
ネフテ「いい? 私に合わせて食べなさい。」
ネフテ「それから楽しくね。」
レドイ「は、はい...。」
〇黒
〇綺麗なリビング
カチャカチャ...。
ネフテ「モグ...。 モグ...。」
レドイ「モグ...。 モグ...。」
ネフテ「口に入れたら20回は噛むのよ。」
ネフテ「それから、飲み物は一気飲みしない。」
レドイ「は、はい。」
ネフテ「パク。 モグ...。 モグ...。 モグ...。 モグ...。 モグ...。 モグ...。 モグ...。」
レドイ「パク。 モグ...。 モグ...。 モグ...。 モグ...。 モグ...。 モグ...。 モグ...。」
ネフテ「楽しいが抜けてるわね。」
ネフテ「レド、何か面白い話をしなさい。」
レドイ「え、えーと...」
レドイ「...。」
レドイ「本当は内緒だったんだけど...」
レドイ「明日、ネフの誕生日パーティーをします!」
ネフテ「はぁ!!?」
ネフテ「なによそれ! そんなのいいわよ!!」
レドイ「え、いやだった? じゃぁ、やっぱりやめ...」
ネフテ「あー、そうじゃない。」
ネフテ「まったく、あんたはもう。 いいわよ。付き合ってあげるわよ。」
レドイ「やった!」
レドイ「ハウスと一緒にケーキを作るんだ!!」
ネフテ「美味しくなかったら、ぶっ飛ばす。」
ネフテ「嘘よ。 張り切って作りなさい。」
レドイ「はーい!」