さいごのネフテとさよならのレドイ

宇野木真帆

11眠:時代のトキメキはやっぱり2000年代!(脚本)

さいごのネフテとさよならのレドイ

宇野木真帆

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〇綺麗なリビング
  ゴクゴク...。
  ゴクゴク...。
  パク、パク。
  モグモグ...。
ネフテ「ちょ、ちょっと、レド...」
ネフテ「いくらなんでも、食べるの早過ぎよ。」
レドイ「へー、ほぉ?」
レドイ「ねふほぉ、たべにゃいんね?」
  パク、パク。
  モグモグ...。
レドイ「ゴクン...。 ごちそうさまでした。」
ハウス「今日も全部食べてくれて嬉しいわ。 美味しかったかしら?」
レドイ「うん。」
ネフテ「それで味が分かるのかしら...。」
ハウス「良かったわ。 おかわりでもどうかしら?」
レドイ「いらない。」
レドイ「ネフ、準備してくるね。」
ネフテ「あ、はいはい。」
ネフテ「あれで、いいわけ。」
ハウス「ドクターロボの定期健診では、特に何も言われてないわ。」
ネフテ「そうじゃなくて。」
ハウス「...。」
ハウス「そうね...」
ハウス「昔はもっと美味しそうに食べてくれてたのよ。」
ネフテ「昔って、いつよ。」
ハウス「レドイちゃんが、5歳くらいの時ね。」
ネフテ「昔過ぎるわ...」
ハウス「そうだ!!」
ハウス「ネフテちゃんが、一緒に食べてくれないかしら!?」
ネフテ「わ、わたしが!?」
ネフテ「そんなのい」
ハウス「とても良いアイデアだと思うの!! レドイちゃんは、ネフテちゃんのことを、お姉さんのように慕っているし!!」
ネフテ「お、おねえさん!?」
ネフテ「いやよ!あんないもうと!!」
ハウス「まぁ、そう言わずに! お昼はネフテちゃんの分も作っておくわね!!」
ハウス「さ、レドイちゃんにオイルを塗ってあげないと~♪」
ネフテ「ハウスも人の話聞かないんだった...」

〇黒

〇高級住宅街
レドイ「どこいこうか!」
レドイ「ショッピングもあそぶ所もたくさんあるよ!」
ネフテ「ハウスから聞いたわ。 3000年くらい経っても、案外残ってるもんなのね。」
ネフテ「でも、遊んでいる暇なんてないわよ。」
レドイ「そっかー。」
ネフテ「いいから来なさい。 図書館へ行くわ。」
レドイ「うわぁ。 ひさしぶりだ。」
レドイ「たしか、つきとほしの絵本があった気がするんだよねー。」
レドイ「ハウスがねるまえに読んでくれたんだ。」
レドイ「まだあるといいなぁ...。」
レドイ「あ、まってー! ネフー!!」

〇黒

〇中央図書館(看板無し)
レドイ「わぁ。 なつかしいな。」
レドイ「絵本は、どっちだったかな...」
ネフテ「ちょっと待ちなさい!」
ネフテ「絵本より先にレファレンスへ来て。」
レドイ「れふぁ?」
ネフテ「まったく。 歴史についての資料を探しにきたんでしょ。」
レドイ「そうだった...かな。」
ネフテ「私がそんなもの探してるなんて変じゃない。」
ネフテ「あんたが代わりに聞くのよ。」
ネフテ「怪しまれないようにね。」
レドイ「た、たよられてる?」
ネフテ「そうね。 頑張りなさい。」
レドイ「よーし! がんばるぞっ!!」

〇黒

〇図書館
レドイ「あ、あの、れきしの本をさがしていまして...」
レドイ「2289年、あれ? ちがうな...」
レドイ「えっと、2302年...じゃないな。」
「2298年から2310年」
レドイ「2298年から2310年の、れきしの本はありますか?」
ライブラ「かしこまりました。 少々お待ちください。」
レドイ「うまくできなかった...」
ネフテ「怪しまれなかっただけいいわ。」
ネフテ「さて、どのくらいヒットするかしらね。」
レドイ「なにもなかったら、どうしよう。」
ネフテ「いや、その可能性の方が...」
ライブラ「お待たせ致しました。 2298年から2310年の歴史の本ですが、」
ライブラ「申し訳ございません。 そのような資料はございませんでした。」
ライブラ「その前後の年代の本でしたらご用意できますが...」
レドイ「ど、どうするネフ...」
ネフテ「いらないわ。」
レドイ「え、えっと、いりません。 さようなら。」
ライブラ「はい、またお待ちしてます。」

〇黒

〇中央図書館(看板無し)
レドイ「なかったね、れきしの本。」
ネフテ「はなから期待してないわ。」
ネフテ「12年間の資料が何もないことは想定内。 ま、それって逆に不自然だけどね。」
ネフテ「つまりは、意図的に抹消されたってことよ。」
ネフテ「それが分かっただけでも十分。」
レドイ「ネフは、あたまいいんだね。」
ネフテ「あんたが考えなしなのよ。」
ネフテ「せっかく自由な人間なんだから、もっと頭を働かせなさい。」
レドイ「はーい。」
ネフテ「あ、いけない。 レドの絵本忘れてたわ。」
レドイ「いいよ、ターミナルで見る。」
ネフテ「それもそうね。 図書館の蔵書は閲覧できるんでしょう。」
レドイ「うん。 ...あれ?」
レドイ「じゃあ、ここ来なくても、ターミナルでさがせば...」
ネフテ「あ、あんたが図書館行きたいって言ったんでしょ!!」
レドイ「え、わたしいってな」
ネフテ「あんたが出掛けたい、出掛けたい、って言うから、付き合ってあげてんの!!」
ネフテ「ほらっ、早く帰るわよ! ハウスがお昼を作って待ってるって!!」
レドイ「う、うん。」
ネフテ「先行くわよっ!!」
レドイ「あ、まってー!」

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