寵姫は正妃の庇護を求む

香久乃このみ

第十四話 予定の流れ(脚本)

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〇荷馬車の中
  ◆あらすじ◆
  王宮を追い出された
  ソウビ・チヨミたちは
  東の離宮へ向かう馬車に乗っていた。
チヨミ・アルボル「・・・・・・」
ソウビ・アーヌルス(浮かれてばかりもいられないな。 身分のはく奪こそなかったけれど、 離宮へ追いやられてしまう正妃チヨミ)
ソウビ・アーヌルス(これはゲーム本編と同じ展開だ。 ゲームではチヨミを追い払うよう 言ったのがソウビだったけど)
ソウビ・アーヌルス(今、その役割はラニが果たしている・・・)
ソウビ・アーヌルス(これって、 本来私の役割だった傾国ポジションが ラニに代わっただけの可能性あるよね?)
ソウビ・アーヌルス(だとすればラニはやがて民衆に恨まれ、 殺害されることに・・・!)
ソウビ・アーヌルス(それはいやだ! 私の代わりに あんな少女が殺されるなんて、 いくら設定上の妹だとしても)
ソウビ・アーヌルス(あっ、そうだ! この道行の中でもイベントが 起きるんだった)
ソウビ・アーヌルス(本来であれば、 ソウビを擁立したい貴族の命令を 受けた兵士が ならず者を雇ってこの馬車を襲う)
ソウビ・アーヌルス(正妃であるチヨミを亡きものにするため。ラニの周辺でも 同じことが起こるかもしれない)
ソウビ・アーヌルス「チ・・・」
チヨミ・アルボル「ソウビ」
ソウビ・アーヌルス「なに?」
チヨミ・アルボル「ごめんね」
ソウビ・アーヌルス「どうしてチヨミが謝るの? チヨミがこんな目に遭ってるのは、 私の妹のせいなのに」
ソウビ・アーヌルス(本来なら、『ソウビ』のせい だったんだし・・・)
チヨミ・アルボル「私を追い出す決定を下したのは、 ヒナツだわ。 ラニが何を言おうと、ヒナツは 理性ではねつけるべきだった」
チヨミ・アルボル「例えラニの言葉が原因だとしても、 責任はヒナツにあるのよ」
ソウビ・アーヌルス「チヨミ・・・」
ソウビ・アーヌルス(ゲームにはなかったセリフ・・・)
ソウビ・アーヌルス(私が傾国のままだったとしても、 チヨミはこんな風に言ってたのかな・・・)
チヨミ・アルボル「ところでソウビ、一つ聞いていい?」
ソウビ・アーヌルス「ん?」
チヨミ・アルボル「ヒナツが言ってたの」
チヨミ・アルボル「これまでヒナツが立てた戦功は、 私の策によるものだと ソウビが知ってたって」
チヨミ・アルボル「なぜ、王の娘であったソウビが、 一貴族に過ぎなかった私たちの 役割分担まで掴んでいたの?」
ソウビ・アーヌルス「それは・・・」
チヨミ・アルボル「馬車が止まった?」
タイサイ・アルボル「おい、何があった!」
「襲撃です! 盗賊かと思われます!」
ソウビ・アーヌルス(来ちゃった・・・! ラニの周りでも、やっぱり 本編のソウビと同じことが・・・)
チヨミ・アルボル「ソウビはここにいて! 私たちでなんとかするから!」
ソウビ・アーヌルス「気を付けて、 その賊たちの狙いはチヨミなんだ!」
チヨミ・アルボル「私? ・・・わかった!」
タイサイ・アルボル「って、待てよ姉さん! すぐ猪みたいに突っ込んでいく」
ユーヅツ・アモル「怪我をした時は治癒を頼むよ、ソウビ。 敵が入ってきたら、頑張って 自力で退けて」
ソウビ・アーヌルス「わ、わかった」
テンセイ・ユリスディ「心配はいりません、ソウビ殿。 自分が不埒者を ここへは近づけさせませんので」
ソウビ・アーヌルス「うん、ありがとう。 でも今回は、 チヨミを守るのを最優先にして!」
ソウビ・アーヌルス(原作ゲームだと、3ターン 耐えたところでメルクが来るはず。 前にチヨミが牢から逃がした隣国の王子)
ソウビ・アーヌルス(でもターン制には見えない 実際の戦闘だと、 いつ彼が来るか分からない)
ソウビ・アーヌルス(お願い、誰もケガしないで・・・!)

〇草原の道
タイサイ・アルボル「くっそ、斬っても斬ってもきりがねぇ! どんだけいるんだ、この賊は!!」
ユーヅツ・アモル「怪我をした者は馬車へ! ソウビに治してもらえるから!」
兵士「はいっ!」
テンセイ・ユリスディ「おぉおおぉおおおお!!」
テンセイ・ユリスディ「矜持があるならかかって来い! 俺が相手をしてやる!!」
チヨミ・アルボル「くっ・・・! ソウビの言ったとおり、 狙われてるのは、明らかに私だ」
チヨミ・アルボル「あなたたちは何者!? 一体誰の命令でこんな真似をするの!?」
賊「さぁな」
賊「あぁ、勿体ねぇ。 こんな別嬪、殺さずに売り飛ばしゃ いい値が付くだろうになぁ」
賊「だが、殺すって約束で 金をもらっちまった、 ここで死んでもらうぜ」
チヨミ・アルボル「下衆!!」
賊「ハハッ、隙ありだ!」
チヨミ・アルボル「後ろからも!?」
タイサイ・アルボル「姉さん!!」
メルク・ポース「おーっと、そこまでだ。 レディ一人に二人がかりとは、 情けない野郎もいたもんだねぇ」
タイサイ・アルボル「誰だお前は!」
チヨミ・アルボル「メルク!? どうして、ここへ・・・」
メルク・ポース「あの時は牢から出してくれて ありがとうな、チヨミちゃん。 恩を返しに来たぜ!」
メルク・ポース「ヒノタテ国第三王子 メルク=ポースここに推参!」

〇荷馬車の中
ソウビ・アーヌルス(よっしゃ、来たー!)
ソウビ・アーヌルス(あの祝宴の時に、 チヨミが牢から逃がしておいたメルク ここで参戦!!)
  第十四話 予定の流れ ──終──
  
  第十五話に続く

次のエピソード:第十五話 国境を越えて

コメント

  • イケメンが増えてよりどりみどり感が出てまいりました!さすが乙女ゲー!
    このルートでチヨミが誰と一番心を通わせるのか気になりますね……ソウビに持ってかれる気がしないでもないですがw

  • キラキラしてる王子来た~✨
    堅物だけどラブイベ時は甘く優しいテンセイにツンツンのタイサイ、飄々としているユーヅツと皆がどんな声なのか想像しながら読んでいます。アップテンポの戦闘回、次はどうなるのか楽しみです。

  • メルク、第三王子なんですね。
    勝手にショタかと思ってたら、わりと大人だった!w

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