寵姫は正妃の庇護を求む

香久乃このみ

第十三話 もう一度あなたと(脚本)

寵姫は正妃の庇護を求む

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〇貴族の部屋
  ◆あらすじ◆
  王宮から追放が決まった
  ソウビとチヨミ。
  ソウビは恥ずかしい叫びを
  テンセイに聞かれた。
テンセイ・ユリスディ「落ち着かれましたか?」
ソウビ・アーヌルス「はい、お騒がせしました」
テンセイ・ユリスディ「あの、先ほどのことですが」
ソウビ・アーヌルス「忘れてください」
テンセイ・ユリスディ「・・・・・・」
ソウビ・アーヌルス「忘れてください」
テンセイ・ユリスディ「かしこまりました」
ソウビ・アーヌルス(気まずいにもほどがある。 だけど・・・)
ソウビ・アーヌルス「ふふっ」
テンセイ・ユリスディ「ソウビ殿?」
ソウビ・アーヌルス「バカ騒ぎしたら、 ちょっとすっきりしたかも。 あはは」
テンセイ・ユリスディ「・・・・・・」
ソウビ・アーヌルス「テンセイはどうしてここへ?」
テンセイ・ユリスディ「ソウビ殿が東の離宮に移る際、 自分も共に参ることを お伝えに上がりました」
ソウビ・アーヌルス(あ、そうか・・・)
  原作準拠だ。
ソウビ・アーヌルス(チヨミと共にウツラフ村に行ったことで テンセイは騎士団長の役職を 解任されたんだよね)
  王の指揮下にある立場でありながら、
  勝手な行動を取ったとして。
ソウビ・アーヌルス(タイサイや、ユーヅツも・・・)
テンセイ・ユリスディ「ラニ殿のことで心を痛めておられる ソウビ殿に、このような話をするのは 無神経かと思いましたが」
ソウビ・アーヌルス「なに?」
テンセイ・ユリスディ「確認させてください。 ソウビ殿はもう、 ヒナツ王の寵姫ではないのですね?」
ソウビ・アーヌルス「うん、多分。 不愉快だ、出てけーって言われたから」
テンセイ・ユリスディ「そうですか、では・・・」
ソウビ・アーヌルス(えっ?)

〇黒
  テンセイの手が私に伸びる。
  そう思った次の瞬間、
  私の顔は
  テンセイの胸に押し付けられていた。
テンセイ・ユリスディ「自分はあなたを一人の女性として 愛しても、許されるのですね?」
(ほぁあああああ~~~~っっ!?)
(うわぁうわぁ、うわぁああああ!! いちゃラブな夢とは言ったけど、 急に来るとは思わなかったーー!!)
テンセイ・ユリスディ「ソウビ殿?」
(みみっ、耳の側でテンセイの声が! ほんのり掠れた 甘いウィスパーボイスが!!)
「あばば、チカい・・・ ハナシテ・・・」
テンセイ・ユリスディ「申し訳ございません。 今は、貴女に顔を見られたくないので、 このままで・・・」
テンセイ・ユリスディ「その、しまりのない顔を していると思いますので・・・」
(おびゃあぁああ~~~っ!?)
テンセイ・ユリスディ「前に貴女の心の内を知ってから、 自分の中で 貴女への想いが募ってゆきました」
テンセイ・ユリスディ「そして命を捧げると言ったものの、 貴女をこの腕に抱けない苦しみに、 胸かきむしられる夜を過ごしておりました」
テンセイ・ユリスディ「いっそ奪ってしまおうか、 全てを捨てて貴女を攫い、 どこか遠くの土地へ逃げてしまおうか」
テンセイ・ユリスディ「ここしばらく、自分は そんなことばかりを考えておりました」
テンセイ・ユリスディ「実際には何もできない、 小心者でありながら・・・」
「・・・・・・」
テンセイ・ユリスディ「今の自分は役職を解かれ、 何も持たぬ一人の男にすぎません。 それでも・・・」
テンセイ・ユリスディ「それでももし、貴女があの時と 変わらぬ気持を自分に持ち続けて くれているのなら、自分は・・・」
テンセイ・ユリスディ「貴女ともう一度、その、将来 伴侶となることを想定に入れた間柄に なりたい、そう考えております」
テンセイ・ユリスディ「いかがでしょうか・・・?」
「・・・・・・」
テンセイ・ユリスディ「ソウビ殿?」

〇貴族の部屋
ソウビ・アーヌルス「・・・・・・」
テンセイ・ユリスディ「気絶、しておられる・・・?」
テンセイ・ユリスディ「しまった、 抱く腕に力が入りすぎてしまったか!」
テンセイ・ユリスディ「ソウビ殿? ソウビ殿!? 目を開けてください!」
テンセイ・ユリスディ「ソウビ殿! ああっ、鼻血が! ソウビ殿!!」
ソウビ・アーヌルス(・・・ありがとう、世界)

〇空

〇草原の道
  数日後、私たちは東の離宮へと出発した

〇荷馬車の中
タイサイ・アルボル「荷馬車とかふざけてんのか、あの使用人! とことん俺らをバカにしてやがる」
タイサイ・アルボル「寝れんのかよ、この環境で!」
ユーヅツ・アモル「なんだよ、うるさいな。 昨夜は遅くまで本を読んでたんだ」
ユーヅツ・アモル「城を離れる前に、書庫の中の もう一度読んでおきたい本・・・」
タイサイ・アルボル「寝るなら最後までしゃべってから寝ろ!」
テンセイ・ユリスディ「ソウビ殿、腰は痛くありませんか? よろしければ、 自分の膝の上にお座りください」
ソウビ・アーヌルス「いやいやいやいや! 私だけそういうの、やっぱ、ね? みんなもいるし」
テンセイ・ユリスディ「そうですか。 気が変わりましたらいつでもどうぞ」
ソウビ・アーヌルス「あはは・・・」
ソウビ・アーヌルス(原作ゲームでは、想いを伝えるのは ラストだったからなぁ。テンセイが こんなに甘やかす人だったとは)
ソウビ・アーヌルス(すでに互いの気持ちを確認し合った 私たちは、後日談の雰囲気を 味わってるようなものかな)
ソウビ・アーヌルス(嬉しい、めちゃくちゃ嬉しい。 でも心臓に悪い・・・)
チヨミ・アルボル「・・・・・・」
ソウビ・アーヌルス(っと、浮かれてばかりもいられないな)
  第十三話 もう一度あなたと ──終──
  
  第十四話へ続く

次のエピソード:第十四話 予定の流れ

コメント

  • テンセイィーーッ😍
    これが乙女ゲー…… わかってきました❤

  • 推しとのイチャラブイベントに鼻血噴いて倒れるソウビ、好き💕w

  • なんという過剰供給……!わかります、そんなことになったら気絶して鼻血の海に沈むしかない!
    いやもう、いきなりエンディングになってびっくりしました(ちがいます
    それにしてもテンセイは紳士ですね。失態にも動じない懐の深さが良きです😊

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