エピソード9(脚本)
〇山中の坂道
星桐彦「なあ、委員長。俺の名前、なーんだ」
夏川乙女「星桐彦」
星桐彦「そう。星くん」
夏川乙女「嫌よ。呼ばない」
星桐彦「なんで。友だちなのに」
夏川乙女「友だちじゃない。 信じてみるって言っただけよ」
夏川乙女「それに、友だちって言葉で確認するものじゃないでしょう」
星桐彦「堅いなー、委員長は」
星桐彦「俺、もう“あなた”って呼ばれても返事しないからなー」
夏川乙女「・・・じゃあ」
星桐彦「ん?」
夏川乙女「そっちも変えてよ」
星桐彦「何を?」
夏川乙女「その“委員長”って言うの、やめて」
星桐彦「へ?」
夏川乙女「私の名前、知ってるでしょ?」
星桐彦「え? あぁ! うん」
星桐彦「夏川さん・・・」
星桐彦「いや、夏川か!」
星桐彦「なんか、友だちっぽさが上がったな!」
夏川乙女「友だちじゃないってば!」
〇玄関の外
星桐彦「んじゃ、明日は委員長・・・夏川の、その鍵のこと調べような」
夏川乙女「私のじゃない」
星桐彦「だから、そのことも含めてさ」
星桐彦「んじゃ、また明日な!」
夏川乙女「・・・うん、また明日」
夏川乙女「明日、か・・・」
夏川乙女「本当は、私にここでの明日なんかないのに」
乙女、ポケットから鍵を取り出してじっと見つめる。
〇一軒家
〇学生の一人部屋
〇学校の屋上
うわぁ!
6日目
姫路伊織「いたた・・・」
星桐彦「びっくりした・・・死ぬかと思った・・・」
バタンッ
姫路伊織「桐彦、大丈夫?」
星桐彦「ああ、うん・・・」
星桐彦「寝てる時に引き戻されるのは危険だな・・・」
姫路伊織「え?」
星桐彦「あ、いや、こっちの話」
扉に向かう桐彦。
姫路伊織「桐彦?」
星桐彦「伊織、もうすぐ本鈴だぞ」
星桐彦「授業遅れるなよ」
姫路伊織「あ・・・」
「うわ!」
姫路伊織「桐彦?」
〇階段の踊り場
階段の途中に立ち止まり、南京錠を見つめる乙女。
星桐彦「うわ!」
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