第十話 共に剣を振るう者(脚本)
〇西洋の街並み
◆あらすじ◆
カニス卿の誘いを受ければ
傾国エンドを避けられると考えたソウビ。
その耳に届いたのは・・・
ソウビ・アーヌルス(え? なに?)
村娘「いやです! 離してください!」
兵士「話し相手になれと言っているだけだろう! 貴族の俺が 下賤な女に興味を持つと思うか?」
兵士「うぬぼれるな!」
村娘「話し相手なんてウソです! そう言って私の友人を傷つけたくせに!」
兵士「いいからこっちへ来い!」
チヨミ・アルボル「カニス卿、あれはなんですか?」
カニス卿「いや、あれは・・・はは・・・」
チヨミ・アルボル「占領した貴族が 民に狼藉を働いているというのは 本当だったのですね」
カニス卿「いや、まさかそんな! 村の者たちも我々の高い志を くみ取ってくれて、大変協力的で・・・」
村の青年「ウソをつくな!!」
村の老人「これ以上、女たちに手を出すな! 食料を奪うな!」
村の少年「出ていけ!!」
カニス卿「ソ、ソウビ様! 違うのです、これは・・・!」
ソウビ・アーヌルス(アウトだろ)
カニス卿「くっ!」
カニス卿「兵士ども! 簒奪王の一味の襲撃だ! かかれ!!」
テンセイ・ユリスディ「ソウビ殿、どうぞお下がりください!」
タイサイ・アルボル「どけ、邪魔だ、足手まとい!」
ユーヅツ・アモル「ソウビ、 怪我人が出たら手当をお願いするよ。 無理に戦おうとしないで」
ソウビ・アーヌルス「わかった!」
チヨミ・アルボル「私たちも 大切な民を斬り捨てたくはありません! 降伏を望む者は前に出てこないで!」
チヨミ・アルボル「この村での狼藉については 相応の罰を受けてもらいますが、 やむを得なく反乱に参加させられたと みなしましょう!」
ソウビ・アーヌルス(うおお、チヨミかっこいい!!)
カニスの率いる軍と、
チヨミをリーダーとした私兵の戦いが
始まる。
テンセイ・ユリスディ「せあっ!」
ソウビ・アーヌルス(おぉ、さすが騎士団長のテンセイ、 かっこよすぎる! 布越しに伝わる筋肉のうねりが最高!)
タイサイ・アルボル「はぁっ!」
ソウビ・アーヌルス(タイサイはスピード感のある シャープな動きがいいよね。 人気投票一位だけのことはある)
ユーヅツ・アモル「ふっ!」
ソウビ・アーヌルス(何気にユーヅツの魔法はエグいよね! 大勢を一瞬にして吹っ飛ばしてる。 さすが!)
ソウビ・アーヌルス(しかし、ゲームでは見慣れた光景だけど、 王妃自ら家臣数人と反乱軍に立ち向かう なんてかなり危ういなぁ)
カニス卿「ソウビ様」
ソウビ・アーヌルス「カニス卿、いつの間に!!」
カニス卿「ソウビ様には 我らの元へ来ていただきます。 我らが前王の遺志を継ぐ 忠臣であることの証として!」
ソウビ・アーヌルス「!」
ソウビ・アーヌルス(ヒナツは私を王家につながるものの 証として欲しがってた・・・)
ソウビ・アーヌルス「結局あんたたちも、 ヒナツと同じってことね」
カニス卿「我々をあの盗人と同列とおっしゃるか!? それは侮辱にございますぞ!」
カニス卿「ソウビ様! さぁ、駄々をこねずこちらへ!」
ソウビ・アーヌルス「くっ、離して・・・!」
カニス卿「カハッ・・・!」
ソウビ・アーヌルス(え・・・)
ヒナツ・プロスペロ「・・・・・・」
ソウビ・アーヌルス「ヒナツ!?」
村の少年「おおおー! ヒナツ王だ!!」
村の老人「我らと共に剣を振るう者、 ヒナツ王が来られたぞー!!」
ソウビ・アーヌルス「ヒナツ、来たんだ・・・」
ヒナツ・プロスペロ「・・・・・・」
ソウビ・アーヌルス(ヒナツ?)
チヨミ・アルボル「くっ、う・・・!」
ソウビ・アーヌルス「あっ、チヨミが危ない!!」
ヒナツ・プロスペロ「どけ!!」
ヒナツ・プロスペロ「怪我はないか」
チヨミ・アルボル「え、えぇ」
チヨミ・アルボル「ありがとう、ヒナツ」
ヒナツ・プロスペロ「(ジロッ)」
兵士「あ、あぁ・・・」
フィデリス「なにをしている!」
フィデリス「奴さえ倒せば、王座を本来の持ち主に 返すことが出来る! むしろ、好都合ではないか!」
フィデリス「行け! 兵士ども!」
兵士「おぉおおおおお!!」
ヒナツ・プロスペロ「らぁああああっ!!」
ソウビ・アーヌルス(強い・・・!)
ヒナツ・プロスペロ「俺が王であることに不満のあるやつ・・・」
ヒナツ・プロスペロ「出てこい! 俺はここだ! 来てやったぞ!!」
フィデリス「ひ、ひいいぃいい!!」
兵士「逃げろ! 殺される!!」
兵士「どけ! うわぁあああ!!」
村の青年「逃がすか!!」
村の老人「我らもヒナツ王と共に!!」
テンセイ・ユリスディ「民を守るぞ!」
タイサイ・アルボル「わかった! 姉さん、 視界に入ると気が散るから隠れてて」
チヨミ・アルボル「心配してくれてるんだ、ありがとう」
ユーヅツ・アモル「攻撃力を上げるよ、はぁあっ!」
ヒナツ・プロスペロ「おらぁあああっ!!」
ソウビ・アーヌルス「・・・・・・」
ソウビ・アーヌルス(やっぱり、民衆に望まれて 王の座に就いただけのことはあるんだ)
ソウビ・アーヌルス(嵐のような圧倒的な強さ・・・)
ソウビ・アーヌルス(ただの色ボケじゃないんだ)
〇空
〇西洋の街並み
ヒナツ・プロスペロ「抵抗する者はもうおらんな」
テンセイ・ユリスディ「はっ。 首謀者のカニス卿、そして共謀者の フィデリスは捕らえておきました」
ヒナツ・プロスペロ「よし」
ヒナツ・プロスペロ「ははっ、やはり 自ら剣を振るうのは気持ちが良い! 俺はやはりこういうのが性に合う!」
チヨミ・アルボル「ヒナツ・・・!」
村の少年「ヒナツ王、ばんざーい!!」
村の青年「我らが戦神! ヒナツ様!!」
ソウビ・アーヌルス「・・・・・・」
ソウビ・アーヌルス(ちょっとだけ、見直したかな)
ソウビ・アーヌルス(あれ? 村人が喜んでるよね? 本来ならここで村人の心が ヒナツから離れるはずだったのに)
ソウビ・アーヌルス(てことは! もしかして 国が亡ぶルート回避した!? 傾国ルートから逸れたんじゃない!?)
ヒナツ・プロスペロ「・・・・・・」
ソウビ・アーヌルス(え? ヒナツがこっちを見てる)
ヒナツ・プロスペロ「どうだ、ちゃんと見ておったか? 俺の雄々しい姿を!」
ヒナツ・プロスペロ「惚れ直したか! ははははは!」
ソウビ・アーヌルス(うわぁ、調子乗ってる)
ソウビ・アーヌルス(でも、チヨミも助けてたし、 今回ばかりはほめてあげても・・・)
ラニ・アーヌルス「えぇ、大変素晴らしゅうございましたわ」
ソウビ・アーヌルス「えっ?」
第十話 共に剣を振るう者 ──終──
第十一話に続く
戦ってる最中に筋肉のうねりまで見ているソウビが、可愛い。細かく観察してて、ちょっと笑いました。ここから流れが変わるのかな?
英雄色を好むって言うのはやっぱり真理だったのね。
こうしていればヒーロー(に見えなくもない)なのに、どこを間違って簒奪王になったのやら😞💨
そして妹ちゃんの存在が…気になります!
ヒナツがちゃんと強かった…!
そしてカニス卿はやっぱりアカン奴だった…😅
ラニはもしかして…?