寵姫は正妃の庇護を求む

香久乃このみ

第九話 出陣(脚本)

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〇貴族の応接間
  ◆あらすじ◆
  ウツラフ村が反乱軍に占拠され
  助けを求めてきた。
  ソウビはチヨミに協力を願う
チヨミ・アルボル「うん、かなり強い魔力を感じる。 ソウビは魔法を使えるはずだよ」
ソウビ・アーヌルス「そうなんだ!」
タイサイ・アルボル「だから、なんでてめぇが驚いてんだよ!!」
ソウビ・アーヌルス「いや、だって使ったことないし」
タイサイ・アルボル「どんだけ甘やかされて育ったんだ・・・」
ユーヅツ・アモル「チヨミ、タイサイ、 二人はテンセイと合流して 出陣の準備をしていてくれる?」
ユーヅツ・アモル「ボクはその間に、 ソウビが初級の治癒魔法を使えるよう 特訓しておくから」
ソウビ・アーヌルス「へ?」
チヨミ・アルボル「わかった! 頼むね、ユーヅツ」
タイサイ・アルボル「任せたぞ! 死なせない程度にな!」
ユーヅツ・アモル「うん」
ソウビ・アーヌルス「え? ちょっと!? 死なせない程度にってどういう・・・」
ユーヅツ・アモル「無駄口を叩いている暇はないよ、ソウビ。 ことは一刻を争うんだ」
ソウビ・アーヌルス「・・・・・・」
ユーヅツ・アモル「じゃ、特訓開始」

〇黒

〇西洋の街並み
チヨミ・アルボル「ソウビ、大丈夫?」
ソウビ・アーヌルス「ダイジョブデス・・・」
ユーヅツ・アモル「心配はいらないよ」
ユーヅツ・アモル「元々魔力は充分にあったから、 やり方さえ教えれば 初級の魔法をいくつか使えるくらいには なった」
チヨミ・アルボル「心配しているの、 そこじゃないんだけど・・・」
タイサイ・アルボル「・・・・・・」
テンセイ・ユリスディ「ソウビ殿、足元がふらついておられます。 自分が貴女を抱いて運びましょうか?」
ソウビ・アーヌルス「嬉しいけど、 テンセイにはこの村で 活躍してもらわなきゃいけないから」
ソウビ・アーヌルス「それにこれ、一時的に集中しすぎて、 頭の中が真っ白になってるだけ」
タイサイ・アルボル「・・・マジか。 あの短時間で魔法使えるように なったのかよ、コイツ」
ソウビ・アーヌルス「? タイサイ、何か言った?」
タイサイ・アルボル「なんもねーよ」
カニス卿「これはこれは、 簒奪王の一味ではないですか」
チヨミ・アルボル「カニス卿。 これは一体どういうことですか?」
チヨミ・アルボル「挙兵するだけならまだしも、 ウツラフ村の民に 迷惑をかけるのはやめなさい!」
チヨミ・アルボル「あなたたちが 一方的にここを拠点と定めたため、 村人が疲弊していると聞きました」
チヨミ・アルボル「速攻、ここから立ち去りなさい! 今鉾を納めれば、今回のことは・・・」
カニス卿「黙れ、アルボルの娘! 直接私に口をきける立場だと 思っているのですか?」
チヨミ・アルボル「っ!」
タイサイ・アルボル「てめぇ! 姉さんはこれでも王の妃だ! てめぇこそ何様のつもりだ!」
カニス卿「はて? 王の妃?」
カニス卿「私の前には、 卑しい身分でありながら王座を奪った男の 女房がいるだけで・・・」
ソウビ・アーヌルス「・・・・・・」
カニス卿「・・・・・・」
カニス卿「ソウビ様ぁあああ!?」
ソウビ・アーヌルス「ぇあ!? は、はい!」
カニス卿(まずい、まずいぞ・・・! この反乱は前王への忠誠によるというのが こちら側の大義名分)
カニス卿(前王のご息女であらせられる ソウビ様に弓を引いては その大義名分が揺らいでしまう!)
カニス卿「そ、ソウビ様? なぜあなた様が卑しい者どもと共に おられるのですか?」
カニス卿「どうぞこちらにおいで下さい」
カニス卿「私どもはあなたを本来の立場である 女王の座に戻っていただきたく、 行動を起こしたのです」
ソウビ・アーヌルス「私を女王に?」
カニス卿「えぇ、さようにございます」
ソウビ・アーヌルス(あれ? じゃあ、彼に従えば 傾国からの殺害ルートを逃れられる?)
カニス卿「さぁ、ソウビ様」
ソウビ・アーヌルス「・・・・・・」
ソウビ・アーヌルス「聞いてもいい? もし私が女王になったら テンセイはどうなるの?」
テンセイ・ユリスディ「ソウビ殿?」
カニス卿「テンセイ、ですか。 まぁ、簒奪王の一味ですから 極刑は免れないかと」
ソウビ・アーヌルス「簒奪王の一味・・・、極刑・・・。 それって、チヨミも?」
カニス卿「えぇ。 そこにいる不届き者どもは 全員そうなりましょうね」
タイサイ・アルボル「・・・・・・」
ユーヅツ・アモル「・・・・・・」
ソウビ・アーヌルス「じゃ、あなたには従えない」
カニス卿「は!?」
ソウビ・アーヌルス「彼らは私の大切な仲間だから。 極刑と聞いて、 あなたと手を組むわけにはいかない」
チヨミ・アルボル「ソウビ・・・!」
カニス卿「お待ちください! 貴女は本来の地位に戻れるのですよ!?」
カニス卿「我々と組めば、 あんな下賤の者の愛妾などと、 いいようにされなくて済むのですよ!?」
ソウビ・アーヌルス(おぅ、 ちょっと揺らぐな、それは。 でも・・・)
ソウビ・アーヌルス「テンセイ、 それに大切な仲間の身柄と引き換えに 手に入れたいものじゃない」
テンセイ・ユリスディ「・・・・・・!」
カニス卿「ちょちょ、ちょーっとお待ちを!!」
カニス卿「わかりました、 ソウビ様のお仲間につきましては 不問と言うことで!」
ソウビ・アーヌルス「・・・そんな簡単に?」
カニス卿「我々は前王への忠誠を 今も胸に抱いております。 その血を引くソウビ様のお言葉には ただ従うのみ!」
ソウビ・アーヌルス「チヨミをぞんざいに扱うのも やめてくれる?」
カニス卿「それがソウビ様のお望みであれば!」
ソウビ・アーヌルス「そう・・・」
ソウビ・アーヌルス(地位をいいことにやりたい放題のヒナツを 今のうちに王座から下ろし、 私が女王になれば)
ソウビ・アーヌルス(女王の夫としてテンセイを指名できるし、 問題は全て解決?)
ソウビ・アーヌルス(これってチャンスなのでは!?)
ソウビ・アーヌルス「えっと、じゃあ・・・」
ソウビ・アーヌルス「!?」
  第九話 出陣 ──終──
  
  第十話に続く

次のエピソード:第十話 共に剣を振るう者

コメント

  • いきなりのギャ~に笑いました。ユーヅツw
    そして2度目のギャ~は不穏…😨

  • なるほど…カニス卿はヒナツを引き摺り下ろしたいんですね…。たしかにヒナツは王の器ではないですね…😅
    カニス卿は今後ソウビの仲間になってくれるのかな?
    なったとしても頼りなさそうですが…😅

  • うわー😅おっさん…
    こんな小者じゃ驚異にならないって思われても仕方ないとか思っちゃいました。

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