さいごのネフテとさよならのレドイ

宇野木真帆

8眠:ハーブは庭で育てています。(脚本)

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〇綺麗なリビング
ネフテ「...。」
  患者はどちらですか!!?
  に、二階ですっ!!
ネフテ「...。」

〇黒

〇綺麗なリビング
  また何かあれば連絡を...。
  はい。ありがとうございました。
ネフテ「ハウスっ!!」
ネフテ「レドは!?」
ネフテ「レドはどうしたの!!?」
ハウス「ネフテちゃん...。」
ハウス「レドイちゃんは、しばらく外出できないわ。」
ネフテ「...。」
ネフテ「どうして...?」
ネフテ「病気...なの?」
ハウス「いいえ。 筋肉痛よ。」
ネフテ「きん、にくつー」
ネフテ「筋肉痛!!?」
ネフテ「筋肉痛、ってあれよね。 激しく動いた後に、体が痛くなるやつ。」
ハウス「そうよ。」
ネフテ「はぁぁーー!!? ばっかじゃないの!!!」
ハウス「こら!ネフテちゃん!!」
ネフテ「普段どんだけ動いてないのよ!!」
ネフテ「せっかく外の世界を案内してもらおうと思ってたのに!!」
ネフテ「もうレドなんて知らないーー!!!」
ハウス「ふふ。 そういうことね。」

〇黒

〇綺麗なリビング
ハウス「落ち着いたかしら、ネフテちゃん。」
ネフテ「ふん。」
ネフテ「柄にもなく取り乱したわ。」
ハウス「まあ、座って待ってて。」
ハウス「お茶、淹れてくるから。」
ネフテ「はあ?」
ネフテ「なんで?」

〇黒

〇綺麗なリビング
ハウス「はい! 召し上がれ!」
ハウス「ハウスの特製ブレンドティーよ!!」
ネフテ「だからなんで?」
ネフテ「なんでロボット同士で、お茶を飲まなければいけないのかしら?」
ハウス「この家には人間がいる。」
ハウス「人が気持ち良く暮らせる為のロボット、それは誰だったかしら?」
ハウス「レドイちゃんが降りてきた時に、私とネフテちゃんがお茶を楽しんでいる。」
ハウス「そういう関係が大事なのよ。」
ハウス「家族だからね。」
ネフテ「かぞくねぇ...」
ハウス「そろそろ、レドイちゃんが降りてくると思うわ。」
ハウス「お茶でもいただいて、ゆっくりしていましょう。」
ネフテ「いやいや! 私にはそんな時間は...」
ネフテ「そんな時間は、ない。」
ネフテ「役割のないロボットなんて、何の価値があるんだか分かんないし。」
ネフテ「この世界からだって、置いてけぼりだし...。」
ハウス「...。」
ネフテ「ハイバンなんてね、我ながら天才的な名づけよ...。」
ハウス「そのことなんだけど...」
  ダン、ダン...。
  ダン、ダン...。
ハウス「あら、レドイちゃん。」
レドイ「からだじゅうが、いたい...。」
ハウス「昨日は疲れていたものね。 またマッサージをしましょう。」
ハウス「飲み物なら、ここにあるわよ。」
ハウス「ちょうどネフテちゃんと、お茶をしていたところなの。」
レドイ「ありがと。」
レドイ「わたしもお茶しよー。」
ネフテ「...。」
ネフテ「あんた、元気そうで良かったわね。」
レドイ「うん。 からだはいたいけど...」
レドイ「きのうはたのしかったからねー。」
ネフテ「そう...。」
ネフテ「じゃぁ、早く元気になりなさいよ。」
ネフテ「あんたがいないと、ナビゲートする人がいないんだから...。」
ネフテ「私が暇になっちゃうでしょ!」
レドイ「わかった。」
ネフテ「それじゃあねっ!」
ハウス(ふふ...。)
ハウス「それじゃあ! レドイちゃんが早く良くなるように、張り切ってマッサージするわよ!!」
レドイ「おねがいしまーす!」

次のエピソード:9眠:過去の記憶はネットワーク上にあるのです。

コメント

  • ロボットなどの機械は機能や役割ありきで存在するので、役割がわからないネフテが悩むのも道理ですね。何もしなくていいレドイちゃんはある意味人間らしい気もしつつ、自分のことをどう思っているのか気になります。

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