異世界転生に本格ミステリぶっこんだら、新感覚ざまぁになりました!

高岩唯丑

エピソード14(脚本)

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高岩唯丑

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〇西洋の街並み
ジョマ「ふむふむ」
  そう呟いたジョマが、少し考える素振りをして、口を開く。
ジョマ「残りませんね・・・・・・なのでその場合は、被害者の血液を魔法で追跡します」
  魔法とは、なんという便利な物か。
ロク「それで少なくとも、短剣までたどり着けるね」
ジョマ「はい、そこまでたどり着ければ、短剣を持っていれば、犯人にたどり着けますし、」
ジョマ「捨てていても、そこから魔力紋を追跡すればいいです」
  なかなか隙が無い。少し楽しくなってきた。
ロク「じゃあ、短剣を破壊したら・・・・・・ダメか」
  自分で言っておいて、自己解決。破壊しようと、魔力紋も血液も、消滅するわけではない。
ジョマ「もうお手上げですか?」
  ジョマが勝ち誇ったように笑う。
ロク「まだまだ」
  悔しいというより、僕は楽しくて、いろいろな可能性を思い浮かべる。抜け道を一つ見つけたような気がして、僕は笑みが零れた。
ロク「そうだ・・・・・・短剣を消滅させてしまえば」
  そういう魔法が存在していれば。
ジョマ「あぁ、確かにそれなら辿れなくなりますね」
  ジョマが驚く様にして、考え始める。僕はそこでふと思いつく事があった。
ロク「ダメだ・・・・・・そもそもの前提を忘れていた」
ジョマ「どういう事です?」
ロク「相手を排除したいから殺す、その為に短剣を操って刺した」
ロク「・・・・・・追われないためにどうすればいいか、という遊びの出題なら、それで正解だけど、現実は違う」
  ジョマは少しついてこれていない様で、不思議そうな顔をしている。
ロク「・・・・・・単刀直入に言えば、短剣を消滅させる魔法があるなら、排除したい人間にその魔法を使えばいい」
ジョマ「あぁ、そうですね」
  そっちの方が遥かに安全だ。死体が無いから、ただの行方不明だ。犯人は追われる事がない。
  わざわざ、短剣を操って刺し殺し、追われるリスクを作って、短剣を消滅させるなんて、現実的ではない。
ロク「だとすれば、魔法を使わずに、短剣でただ殺せば」
  さらに思いついた内容を、僕は続けざまに、ジョマに問いかける。
  ジョマが明らかに、面倒くさそうな表情に変わったけど、気にしない。
ジョマ「はぁ・・・・・・それは無理ですね」
  露骨にため息をついたジョマが、否定した。
ロク「どうして?」
ジョマ「結構な人が護身術程度に魔法を使えます・・・・・・無抵抗に刺されてくれると思いますか?」
ジョマ「それに、例え抵抗できなかったとしても、生活必需魔法である、治癒魔法を使えない人は、ほとんどいません」
ジョマ「・・・・・・すぐさま治せるほど、強力な治癒魔法を使えなくても、死にはしません」
  この世界で魔法を使わずに人を殺すのは、難易度が高いらしい。僕は気分が乗ってきてしまい、さらに可能性を探りたくなる。
ロク「じゃあさ・・・・・・」
  僕が言葉を続けようとした所に、ジョマは遮る様に声をあげた。
ジョマ「もう! やめてください! 頭使いすぎて、発狂しそうです!」
  頭を抱えながら、悶えるようにするジョマ。僕は少し残念な気分になりながら、話を中断した。

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