6眠:子育てはシッター型ロボとやります。(脚本)
〇ファンシーな部屋
ネフがめざめた日、わたしは夕飯もたべずにねてしまった。
ひさしぶりにからだの底から、深くねむれた気がして...
それはそれは、きもちのいい目覚めだった。
レドイ「ふー。 よく寝た。」
だからハウスが...!
それは無理よ、ネフテちゃん...!
レドイ「ふふ。 ふたりともなかよしだなぁ。」
レドイ「わたしもいれてー!」
〇黒
〇綺麗なリビング
ネフテ「さっきから何なのよ!!」
ハウス「ね、ネフテちゃん...」
ネフテ「おんなじことしか言えないロボットか!!」
ハウス「ロボットなんだけど...」
ネフテ「無理無理無理って!!」
ネフテ「ムリムリ星人かコノヤロー!!」
ハウス「まあ!!」
ハウス「なんて言葉遣い!! そんなこと言っちゃだめでしょ!!」
ネフテ「あんたは私のお母さんじゃなーい!!」
レドイ「ハウスはレドイのおかあさんだよねー」
ハウス「れ、レドイちゃん、いつからそこに...」
レドイ「ねえねえ...」
レドイ「むりむりせいじん、ってなーに?」
ハウス「そ、それはね... あまり良い言葉遣いでは...」
ネフテ「2200年代の流行りよ。」
レドイ「へー、そうなんだ。」
ハウス「それほんと?」
ネフテ「...。」
ネフテ「とにかくっ!!」
ネフテ「この辺りをナビゲートしてくれるだけでいいのよ?」
レドイ「な、ナビ...?」
ネフテ「私は何も難しいこと言ってないと思うんだけど?」
ハウス「...。」
ハウス「ロボットだからってわけではないけれど、同じ答えになってしまうわ、ネフテちゃん。」
ハウス「この世界のロボットは役割が与えられている。」
ハウス「それを逸脱した行動はできないの。」
ハウス「私はハウス型ロボット。 人間が気持ちよく暮らす為に、料理、洗濯、掃除などをするロボットでしかない。」
ハウス「この世界を案内する、ナビゲートは、私の役割には入らない。」
ネフテ「...。」
ネフテ「じゃあ、レド。」
ネフテ「あんたが言いなさい。 ハウスへこの辺りを案内させるように。」
ハウス「まあ!なんてことを!!」
ハウス「あのねぇ。 いくらレドイちゃんであっても...」
レドイ「いいよ!」
レドイ「私が案内するよ!」
ハウス「そうね! さすがレドイちゃん!」
ネフテ「あんたはいいのよ!!」
ネフテ「私はハウスにお願いしてて...」
ハウス「残念だけど、ネフテちゃん。」
ハウス「この世界のロボットには、大事な優先順位がある。」
ハウス「『人類を尊重しなければならない』 は、確かに高い順位ではある。」
ハウス「けれどね、それよりも高い順位に、 『役割を逸脱してはならない』 があるのよ。」
ネフテ「ふん。 そんな七面倒くさそうなのが、なんで高いのか分からないけどね。」
ネフテ「はぁぁ...。」
ネフテ「わかったわよ。 レドと行ってくる。」
レドイ「やった!」
ネフテ「そんじゃまさっさと行くわよ。 準備しなさい。」