さいごのネフテとさよならのレドイ

宇野木真帆

5眠:寝顔が怒っているようだったので。(脚本)

さいごのネフテとさよならのレドイ

宇野木真帆

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〇綺麗なリビング
ハウス(はぁ...。)
ハウス(よろしく、か...。)
ハウス(結局、リビングに連れてきてしまったけれど、本当に良かったのかしら...。)
レドイ「ここに座って。」
ハウス(でもまあ、レドイちゃんが嬉しそうにするなんて、何時ぶりかしら。)
???「ちょうどいいわ。 腰を据えて話したかったところよ。」
レドイ「なんのはなしするー?」
???「まずはここが何処で、何年の世界なのか、知りたい。」
ハウス「ここは東京25区の住宅エリア。 そして今は5420年よ。」
???「東京は知っているわ。」
???「でも...」
???「時代の方はとんでもない。」
???「私は2200年代のロボットよ。」
ハウス「に、2200年代!!?」
ハウス「それって、私よりも前じゃない!!」
レドイ「ふふっ。 ハウスより年とってるんだねー。」
ハウス「ふふ。 そうね、おばさんだわ。」
レドイ「ふふ、おばさんだってー!」
???「そういうのいいから。 真面目に話しましょう。」
ハウス「...。」
レドイ「はあい...。」
ハウス「それで...」
ハウス「どうしてセルフプログラムをインストールしているのに、自分の役割が分からないのかしら?」
ハウス「人間に関わるロボットは、何かしらのアクシデントで、データが飛んでしまったとしても、」
ハウス「ネットワーク上にある簡易記憶や、セルフプログラムを、自動インストールされるように造られている。」
ハウス「人間の手を煩わせない為にね。」
???「...。」
ハウス「もしかして! 2200年代のロボットには、セルフプログラムの自動インストール機能がない!?」
???「失礼ね。 あるわよ。」
ハウス「じゃあ、どうして...」
???「さあね。」
???「私の最新データは2298年で止まったまま。」
ハウス「更新されない!?」
ハウス「それって、ネットワーク上に、登録がないってこと!!?」
???「だから、この世界のことが何も分からない。」
???「自分が何者か、ということも大事だけれど、まずはこの世界のことを知っていくつもりよ。」
???「よろしくね。」
???「ハウスだったかしら?」
ハウス「えぇ、そうよ...。」

〇黒

〇綺麗なリビング
???「それで...」
???「なんでレドイは寝てるのかしら?」
レドイ「ぐー...。 ぐー...。」
ハウス「レドイちゃんはね、あなたが起きてくるのを、ずっと待っていたのよ。」
ハウス「夜も、何度も目覚めては、あなたの様子を窺っていた。」
ハウス「...。」
ハウス「あなたが目覚めたことが、とても嬉しかったのね。」
???「なぜ!?」
???「見ず知らずのロボットなんでしょ!?」
???「...。」
???「どうして...」
ハウス「わからないわ。」
ハウス「それこそ、レドイちゃんに聞いてみないと...」
???「ほらっ! 起きなさいよ!!」
ハウス「あっ、ちょっと!!」
???「起きなさいってば!! いつまで寝てんのよ!!」
レドイ「はっ!」
レドイ「そうだ!」
レドイ「名前を決めないと。」
???「はあ? あんた起き抜けに何言って、」
ハウス「それは良いわね、レドイちゃん!」
ハウス「いつまでも呼び名がないのは良くないわ。」
???「...。」
レドイ「なににしよっかなー」
レドイ「なににしよっかなー♪」
???「別に、名前なんて...」
???「ハイバンでいいわよ。」
ハウス「...。」
レドイ「きーめた。」
レドイ「ネフテだよ。」
ネフテ「...。」
ハウス「まぁ! いいじゃない!!」
ハウス「ネフテちゃんね。」
レドイ「そう、ネフだよ。」
レドイ「...?」
レドイ「ネフだよ。」
ネフテ「わ、わかってるわよ!」
ネフテ「そう何度も言わなくたって!!」
ネフテ「ネフテね。 そう記憶しとくわ。」
レドイ「よろしくねー、ネフ。」
ネフテ「はいはい。 よろしく、レドイ。」

次のエピソード:6眠:子育てはシッター型ロボとやります。

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