予約3.主催者とポテトサラダ(脚本)
〇洋館の廊下
宙に斬撃の線が残される。
一拍を置いて2つ目の剣閃とぶつかり合い火花を散らした。
芹沢 鴨姫「ふっ!」
鴨姫は短く強い呼吸を吐いて後方に飛ぶ。
さらに一回のバック転を決めて距離を取る。
長い髪を悠長に揺らしながら歩み寄ってくる人物は、短剣を指揮棒のように振り回して笑った。
重たそうな厚手のチョッキでほとんど半裸の体を隠している以外、そのような表情を見せる余裕などどこにもなさそうである。
しかし、慣れている。
芹沢 鴨姫「うん、こんなにホネのある人がいるとは思ってなかったよ」
冷や汗をかきつつも、鴨姫も楽しそうに言う。
殺し合しの結果、どうなるかというスリルに心躍っていた。
基本的には殺すことの方が好きだが。
女性?「殺した後の言いしれない高揚感!」
女性?「たまんないよなぁ」
芹沢 鴨姫「後のことはあんまし・・・?」
嫌な笑みを浮かべる相手に対して、鴨姫の答えはタンパクなものだった。
長髪の人物は渋い顔を手で覆う。
そしてわかってないなとでも言わんばかりに天井を仰いでため息を吐く。
女性?「もったいないよ、君!」
芹沢 鴨姫「君、じゃない」
芹沢 鴨姫「芹沢 鴨姫」
殺し合い相手が大雑把に呼称をつけてきたので、鴨姫はそう訂正するように求めた。
女性?「・・・あぁ、うん」
呼び直しを求められた側としては、空気の読めない発言にどう反応して良いかわからないといった様子だ。
これから死に行く者の名前など重要だろうか。
芹沢 鴨姫「貴方は?」
それでも鴨姫は聞く。
女性?「アンタにゃ関係ないだろ」
芹沢 鴨姫「・・・・・・」
相手のつっけんどんな返事に鴨姫は頬を膨らませて見せる。
だからといって返事が変わるわけではなかった。
女性?「そんなに不満なら力付くで聞き出してみろよ」
敵は乱暴に言い放つと短剣を構え直した。
しかし、戦場となった部屋の壁に取り付けられた時計をチラリと見た鴨姫は別の反応を示した。
芹沢 鴨姫「待った」
女性?「おぉっと・・・!」
女性?「何だよ、急に!?」
女性?「まぁさか、命乞い、なんてつまらないマネはしないでくれよ?」
流れに棹をさされたことに若干の怒りを露わにした。
そんな反応にさえ鴨姫はマイペースに答えるのだ。
芹沢 鴨姫「腹が減ってはと言うだろう?」
女性?「は?」
鴨姫の言葉を理解できないといった様子だ。
芹沢 鴨姫「小料理屋の予約の時間なのだよ」
当然、彼女も補足を加える。
女性?「あ、あぁ、1階の食糧室で何かやってる」
一応、小料理屋『人生』のことは把握しているようだ。
それがどうした、と言わんばかりの表情ではある。
女性?「まさか飯が食いたいから勝負をお預けって言わないだろうな?」
芹沢 鴨姫「別に逃げるわけじゃない」
芹沢 鴨姫「他にも獲物はいるのだし、楽しみは後に取っといても良いじゃないか」
鴨姫は、もう『人生』に行くつもりでナイフを大腿部に着けた鞘に収めていた。
女性?「おいおいおいおい・・・!」
当然、対戦相手はつまらなさそうだ。
しかし、殺し合いから一時撤退したとはいえ鴨姫に隙は見られない。
それどころか、邪魔をすれば刺し違えてやるぞとでも言わんばかりの気迫を背中から感じた。
ゆえに手が出せない。
女性?「チッ・・・」
例え勝ったとしても、向けられるのは恨みだけ。
命を奪う優越感もなければ、爽快感もない。
殺した後の楽しさがないと理解して止めた。
芹沢 鴨姫「まぁ、一度食べてみればわかるよ」
女性?「食い終わったら再開なんだろ」
女性?「まずかったらショーチしないからな」
まるで友人かのような会話をしつつ、1階にある食糧室横のキッチンへと向かった。
〇広い厨房
鴨姫たちが到着する少し前から、小料理屋『人生』ではトラブルが発生していた。
おいおい、何が支払いだぁ?
客であろう男が一人、野球バットを握りしめて声を荒らげる。
朝生 葉大「お気に召しませんでしたか・・・?」
店主兼料理長の葉大は、バットの先端の届かないところまで離れつつなだめようとした。
以前の職場でも、支払いを拒否する客は極めて少ないもののいなかったわけではないためありきたりな対応をする。
ここがそのような場ではないのに。
男「ここのもんはお前のかぁ?」
どうやら、葉大が食べ物を独り占めしているのではという難癖のようだ。
朝生 葉大「そんなつもりはないです」
朝生 葉大「調理の手間賃ということでご容赦ください・・・」
なんとか男性をなだめようとする。
食事も中途半端に支払いの話などしなければ良かったと後悔した。
このまま料理を残されたのでは悲しい。
メチャクチャにされたらもっと悲しい。
男「てめぇ、頭湧いてんのか?」
男性はやや怪訝そうにしながらも怒鳴りつけてくる。
彼の態度を脇に置けば、確かにこのような場面で小料理屋をしている葉大の頭は普通ではないのだろう。
朝生 葉大「そう言われると言い返せないんですが」
朝生 葉大「まぁ、無理に支払えとは言いませんので、どうか暴力だけは・・・」
手間を除けば何もかかっていないため、命を危険に晒してまで要求するのはバカバカしい。
それでも男性がバットを引かないのは、おかしな青年を信じられなかったからだろう。
朝生 葉大「あの、もう止めておきましょう」
葉大はなだめようと必死になった。
なぜなら、男性に危機がせまっていたからだ。
朝生 葉大「あの──」
男「あ?」
男「あ・・・」
間に合わなかった。
芹沢 鴨姫「ここでの騒ぎはご法度だよ」
芹沢 鴨姫「このキッチンをヘルズ・キッチンにさせないでおくれ」
鴨姫が忍び寄り、ナイフを男の首につきつけながら言った。
男「え、えっと・・・その・・・」
本気で人を殺したことなどないらしく、ナイフを突きつけられて戸惑っていた。
女性?「人殺しバージンがイキってんじゃないよ」
女性?「邪魔だからさっさと消えな」
葉大の見知らぬ女性まで出てきて男性を笑顔で威嚇した。
男「は、はぃぃぃ!」
彼は脅かされ、バッドを手放すと逃げるようにキッチンを出ていく。
芹沢 鴨姫「ふぅ、よーやく対価を支払えたかな」
鴨姫は満足げに言った。
朝生 葉大「助かりました」
朝生 葉大「そちらの方は?」
芹沢 鴨姫「あぁ、急な話で申し訳ない」
芹沢 鴨姫「今から一人増えても大丈夫だろうか?」
朝生 葉大「まぁ、先程の方が途中退席されたので」
いきなりの申しだったが、葉大は快く受け入れた。
朝生 葉大「今から準備しますね」
代金のバットを片付けた葉大は、テキパキと準備を終わらせていく。
女性?「・・・・・・」
料理が提供されるまでの間、怪訝そうに観察を続ける。
朝生 葉大「どうかしましたか?」
一応問いかけるが、当然なのは理解していた。
芹沢 鴨姫「待ってました生姜焼き!」
芹沢 鴨姫「付け合せはポテトサラダだね!」
女性?「・・・」
朝生 葉大「・・・毒見、しますけど?」
鴨姫のように、無警戒に料理に手をつけられるはずなどないのだ。
女性?「いや、いらねぇよ」
新客はなぜか葉大の申し入れを断った。
芹沢 鴨姫「いやー、美味しい!」
芹沢 鴨姫「おや、このポテトサラダはいつものとは違うね」
鴨姫のこのような笑顔と食事姿を見せられて、毒殺を疑うのこそ無粋と考えたのだろうか。
芹沢 鴨姫「もぐもぐ・・・ん?」
芹沢 鴨姫「ごくん」
芹沢 鴨姫「美味しいよ?」
無警戒な彼女の方がおかしいのだろうが。
朝生 葉大「いえ、なんでもないですよ」
朝生 葉大「ありがとうございます」
百の言葉を尽くすよりも雄弁に語る笑顔に、勝てないなと思わされる葉大。
女性?「ま、美味しいんじゃね?」
ぶっきらぼうながらも長髪を弄ってはまんざらでもない反応をしてくれる。
朝生 葉大「主催者さんからリクエストされたポテトサラダですよ」
朝生 葉大「奥さんが手作りできた唯一の品目なんだとか」
芹沢 鴨姫「ほほぅ」
料理への感嘆だけでなく、何か思うところがあってか空にした皿を見つめる。
女性?「ふん」
女性?「言いたいことがあるなら言えよ」
ライバルとして、鴨姫の思惑を察してか先を促す。
芹沢 鴨姫「いや、ずいぶんと穴のある推理だけどね」
鴨姫もそう前置きしてゆっくりと話し始めた。
芹沢 鴨姫「薄々皆気づいてると思うけれど、このゲーム、殺し合わせるのが目的じゃないのだよね」
女性?「あたいから逃げようってんじゃないだろうね?」
芹沢 鴨姫「早とちりがが過ぎるね」
鴨姫はライバルをなだめて先を続けた。
芹沢 鴨姫「静かに聞いておくれ」
芹沢 鴨姫「さすがに葉大も鈍くはないと思うのだけど?」
朝生 葉大「そりゃ、なんとなくは・・・」
問いに答えるも、雰囲気を除いては確証らしい確証もない。
鴨姫もその点は了承の上で推論を述べていく。
芹沢 鴨姫「そう思う理由としては、『ユダ』がいないってことだよ」
芹沢 鴨姫「補足するなら、裏切り者というより狂言者かな」
芹沢 鴨姫「私が主催側なら、誰が参加者を殺したか明かさない人狼を仕込むね」
朝生 葉大「疑心暗鬼にさせるってことですか?」
芹沢 鴨姫「そう」
芹沢 鴨姫「ゲームの脱出に関するルールは覚えているよね?」
今度は葉大ではない方が答える。
女性?「確か、カードキーを2枚揃えて一階の時計前まで持ってくるんだったか」
芹沢 鴨姫「うん」
芹沢 鴨姫「裏を返せば、カードキーさえ揃えば殺し合わずとも脱出できるってことだよ」
女性?「そうとも読み取れるけどよ、さすがに話がうますぎないか?」
芹沢 鴨姫「正解はさておき、賞金の山分けを出汁にすれば協力が可能だろう」
芹沢 鴨姫「館の構造から見て、個人の部屋は12個」
芹沢 鴨姫「私と貴方とで一人ずつ殺したけど、2億円くらいは得られただろうしね」
ここまでの話はなんとか納得ができる推論だ。
朝生 葉大「協力させないようにするための嘘つきを必要ということですね」
芹沢 鴨姫「理解が早くて助かるよ」
女性?「そこまではわかる」
女性?「わかるけどよぉ、こうも考えられるよな?」
そこで水を差す声があった。
女性?「あたしらが先に殺しちまったせいで、ユダが必要なくなったってさ」
芹沢 鴨姫「イレギュラーのせいで出てこれなくなったという可能性もあるのだけれど、それでも不十分だよ」
芹沢 鴨姫「私や貴方、仲睦まじい葉大を切り捨てて協力する参加者はでてくるだろう?」
芹沢 鴨姫「私が1枚目のカードキーを手に入れていることを主催者ちゃんが内通しているにしても、ユダは動かした方がゲームの目的に合う」
朝生 葉大「ぁ~・・・」
無防備に胸元をさらけ出して大事なものを見せつけてくるので、目をそらしてしまった。
どこまでが演技でどこまでが素の性格なのかわかったものではない。
もう一人の女性と言い、目に毒過ぎる。
芹沢 鴨姫「む?」
芹沢 鴨姫「説明が分かりづらかったかな?」
顔をそらす葉大を見て、また勘違いをする。
女性?「からかってんのか天然なのかわからんなぁお前・・・」
芹沢 鴨姫「そう、わかりやすく言うと天然の殺人鬼がいることがわかっていないと成り立たないゲームなんだよ」
繰り返し対象を履き違える鴨姫。
女性?「・・・まぁ良いや」
女性?「殺し合いって主旨に対して、偶然に助けられてる場面が多すぎるってことだよな」
芹沢 鴨姫「その通り!」
芹沢 鴨姫「葉大のことも、エンターテイメントとは言いつつ目的に合わない」
女性?「わかった、わかった」
両手を上げて鴨姫の説明を止めようとする。
女性?「怪しいところはあるが、あたしらには関係の話だ」
女性?「そうだろ?」
芹沢 鴨姫「まぁね」
芹沢 鴨姫「私たちがいたから『ユダ』が潜伏しているというのは有り得そうだけれど、やっぱりチグハグなのは感じられるね」
女性?「まだ穴だらけでガバガバのユルユルってわけだ」
なにやら危ない発言があったが2人ともスルー。
芹沢 鴨姫「警戒しすぎかもしれないけれど、脱出したと思ったら“お人好しだね”なーんて処刑もありえるからね」
芹沢 鴨姫「探りを入れておくに越したことはないと思っている」
いやな憶測だが、無いとも言い切れないのがあの主催者だ。
女性?「ずいぶんと買うじゃないか」
短い付き合いでも鴨姫の性格を理解してか、ライバルはガールフレンドの妙なほどの警戒心の理由を聞く。
芹沢 鴨姫「たまに主催者ちゃんが、私や葉大に向けるんだよ」
芹沢 鴨姫「燃えるような殺意に満ちた静かなほどの視線をさ」
朝生 葉大「俺たちに対する復讐が目的と?」
鴨姫の言葉を受け、気づかなかったまでも考えうる可能性を口にする。
芹沢 鴨姫「復讐かはわからないよ」
芹沢 鴨姫「それでも、何かはあるはず」
芹沢 鴨姫「私たちが集められた理由――何か共通点があるはず」
朝生 葉大「共通点、ですか・・・?」
鴨姫に言われて思案するも、それらしい点は思い当たらない。
顔を合わせられた参加者の内、記憶にある人物すら一人もいなかったくらいだ。
芹沢 鴨姫「無事に逃げ延びたいなら頑張ることだね」
他人事だと思ってか、彼女は笑顔で言うのだった。
女性?「あたしには関係ないことだね」
女性?「頑張ることさね」
お客様は辛辣だ。
芹沢 鴨姫「それはそうと、貴方はどうするんだい?」
芹沢 鴨姫「脱出するつもりはないように見えるけれど」
ライバルに聞いた。
女性?「出られるに越したことはねぇさ」
女性?「脱出を考えるのはギリギリになってからか、全員を殺し終えてからだな」
芹沢 鴨姫「貴方らしい反応をありがとう」
女性二人はマイペースのようで喜んばしいかぎりである。
朝生 葉大「では、俺は必死で生き延びますね」
朝生 葉大「そのためにも、お店『人生』の常連になって貰わないと」
葉大も生き残る戦略を取るべく、予約用のバインダーを掲げて見せる。
女性?「・・・」
女性?「・・・チッ、味には負けたよ」
バインダーをかっさらうと、渋々ながらも料理の腕を認めて次の予約を書き込む。
芹沢 鴨姫「ニヤニヤ」
女性?「何笑ってんだ」
芹沢 鴨姫「あ痛っ!」
新しい客の入荷にほくそ笑む鴨姫は、バインダーで額を叩かれるのだった。
女性?「六時間後だ」
彼女?
それとも彼――根木 薫はバインダーを支えしてくる。
朝生 葉大「またのご来店をお待ちしております」
どちらであれ、客への対応は変わらなかった。
しかし、違う反応を示す者が一人。
芹沢 鴨姫「へぇ、カオルちゃんっていうのか」
根木 薫「近っ!」
根木 薫「バグってんのかってぐらい距離感ちっか!」
相変わらずの心の距離に薫もやや驚く。
根木 薫「もしかして、一度でもご飯一緒したらおトモダチてタイプか?」
芹沢 鴨姫「薫ちゃんも、私のこと鴨ちゃんって呼んで良いよ!」
根木 薫「呼ばねぇよ・・・!」
迫ってくる鴨姫を押しのけた。
芹沢 鴨姫「薫ちゃんのいけずぅ」
根木 薫「薫ちゃん言うな!」
根木 薫「進んで男になるつもりはねぇけど、女扱いされるのも虫唾が奔る」
根木 薫「少なくとも、ちゃん付けで呼ばれるようなカワイイもんじゃねぇ」
彼女には彼女なりの悩みがあるのだろう。
朝生 葉大「人生、いろいろですね」
根木 薫「ふん、人生相談なんざあたしには必要ないよ」
そう言うと、薫は何かを葉大に投げ渡す。
朝生 葉大「おっと」
朝生 葉大「こ、これは・・・?」
根木 薫「手榴弾だよ」
根木 薫「ピンを抜いてポイってする爆弾」
見た目から、映画等の記憶を探ると答えはすぐに出た。
薫に教えられずともわかるのだが、手渡してきた理由がわからない。
しかし、しばしのにらみ合いの後にお店の支払いなのだと理解する。
朝生 葉大「あー、お代ですか」
根木 薫「足りないか?」
薫の問いに首を横に振った。
特定の値段設定があるわけではないので、例えカッターナイフの一本でさえ事足りる。
芹沢 鴨姫「薫ちゃんみたいなタイプは、お店を守る側かと思ったんだろうね」
相変わらずのちゃん付けだが、葉大の意図を察して説明する。
根木 薫「そこまではゼータクってもんだ」
根木 薫「手ぇ出さないだけマシだと思いな」
薫はそれだけ言うと、席を立ってキッチンを出ていく。
そして、鴨姫もしばしおかわりのポテトサラダを突っついてから外の様子を伺いつつ出ていくのだった。
すぐに外で薫とかち合って、争わないように気遣ったようだ。
朝生 葉大「ふぅ」
朝生 葉大「しかし、参加者の共通点と言われても・・・」
自分しかいないキッチンで1人つぶやく。
考えたところで答えなど出るはずもなく、地道に聞き出して行くしかなさそうだ。
朝生 葉大「まぁ、手始めに芹沢さんと俺の共通点から──」
朝生 葉大「――って、彼女のこと全然知らない?」
全く手がかりがないことに気づくのだった。
ポテトサラダは大好きです。お芋がペースト状のより、形が残っているタイプが好きです。お野菜たくさんの家庭的なのもいいですが、カリカリベーコンとフライドオニオンで仕上げて主菜っぽくしてもいいですよね!
……あっ、本作も楽しく読ませてもらいました。ゲームの謎に迫る大事な回ですね。決してポテサラ回と思ってませんからw