月代 - SAKAYAKI -

咲良綾

エピソード2.邂逅(かいこう)(脚本)

月代 - SAKAYAKI -

咲良綾

今すぐ読む

月代 - SAKAYAKI -
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇渡り廊下
  原沖麗は、入学式の朝に出会った
  ちょんまげ美少年との再会を果たす。
  
  彼は一体、何者なのか──
謎の美少年「良かった、無事だったんだね」
原沖 麗(はらおき れい)「あ・・・」
  思い出した。今朝この人は私にあのふざけたメモを残して・・・
  ・・・思い出したらだんだん腹が立ってきた
原沖 麗(はらおき れい)「『無事だったんだね』、じゃないわよ!」
謎の美少年「どこか痛いんですか?」
原沖 麗(はらおき れい)「ええそうねムカついて頭が痛いわよ、あなた何様なの? 殿様なの?」
原沖 麗(はらおき れい)「119番ってギャグのつもり? だったらツッコませてよハリセン持って来なさいよ!」
謎の美少年「頭が痛い? それはいけない。 電話しよう!」
原沖 麗(はらおき れい)「ちょ、まさか119番・・・ストーーーップ!!」
  あああ!
  マジでハリセン欲しい!!
原沖 麗(はらおき れい)「いきなり救急は慌てすぎでしょ! 学校で何かあればまず保健室じゃない!?」
謎の美少年「成程。 では、保健室へ行きましょう!」
原沖 麗(はらおき れい)「保健室もいいから手を放して! そもそも私、医学的な意味で頭痛いんじゃなくて」
謎の美少年「遠慮することはありません!」
原沖 麗(はらおき れい)「してない! ちょ、待っ・・・!」
  はっ。
  ヤバい、人が集まってきてる!
  これは下手に抵抗するより、早急にこの場を立ち去るべきなのでは?
原沖 麗(はらおき れい)「わ、わかったから。 行こう早く行こうさっさと行こう!」

〇警察署の医務室
謎の美少年「誰もいないようですね」
  良かった、不幸中の幸い!
原沖 麗(はらおき れい)「私はもう大丈夫教室に戻るから放してありがとうさようなら!」
  ・・・はっ。
  どうしてここにハリセンがあるの。
  養護の先生の愛用品か何か?
  だ・・・だめだ、
  渡りに船すぎて衝動が抑えられない!!!
原沖 麗(はらおき れい)「これで! ツッコミさせて!!」
謎の美少年「・・・・・・はい?」
原沖 麗(はらおき れい)「ツッコミ!! させて!!!」
謎の美少年「あ、はい。どうぞ」
原沖 麗(はらおき れい)「なんっっでわざわざ紙で渡して119やねーーーーん!!!!!」
謎の美少年「・・・・・・!」
原沖 麗(はらおき れい)「ぜえ、ぜえ、ぜえ・・・ あー、ちょっとスッキリした~」
謎の美少年「そのキレとスピード感・・・貴女はもしや、 原 沖 麗 さ ん !」
原沖 麗(はらおき れい)「え? なんで私の名前・・・」
謎の美少年「やはりそうですか! この邂逅(かいこう)をどれ程待ちわびたことか」
原沖 麗(はらおき れい)「ええと、以前どこかでお会いし・・・ てないはずですよね?」
月代 卒太(さかやき そつた)「そういえば、自己紹介がまだでしたね。 僕は月代卒太(さかやきそつた)です」
原沖 麗(はらおき れい)「さかやき・・・・・・」
月代 卒太(さかやき そつた)「剣道の大会で貴女の試合を見た日から、 貴女のことが好きでした」
原沖 麗(はらおき れい)「・・・・・・は?」
原沖 麗(はらおき れい)「つまり・・・ええと・・・」
原沖 麗(はらおき れい)「面をつけて顔がわからない状態の私を見て、惚れたってこと?」
月代 卒太(さかやき そつた)「はい」
原沖 麗(はらおき れい)「なんてマニアックな・・・!」
月代 卒太(さかやき そつた)「貴女にふさわしい男になろうと、 額を剃って髷(まげ)を結いました」
原沖 麗(はらおき れい)「だからどうしてそんなトンデモ思考にポップステップダイビングするかなああぁ!?」
月代 卒太(さかやき そつた)「武士こそ日本が世界に誇る真の男の姿。 そして髷(まげ)は武士の魂ですから」
月代 卒太(さかやき そつた)「加えて、自分の名前にも運命を感じたのです」
原沖 麗(はらおき れい)「は?」
月代 卒太(さかやき そつた)「剃り上げた額部分を月代(さかやき)といいます。僕の名は月代卒太」
月代 卒太(さかやき そつた)「これはもう 剃 る し か な い と !」
原沖 麗(はらおき れい)「・・・・・・・・・・・・ めまいがするわ」
月代 卒太(さかやき そつた)「え? ではやはり119に」
原沖 麗(はらおき れい)「ノットフォーミー救急車!! 救急車は! いらない!!」
月代 卒太(さかやき そつた)「あ、はい。 仰(おお)せのままに」
原沖 麗(はらおき れい)「大体、名前語呂合わせが運命だったら、私はこう言うことになるじゃない」
原沖 麗(はらおき れい)「原沖麗だから・・・  腹 を 切 れ い」
月代 卒太(さかやき そつた)「麗さんが望まれるのであれば、仕方ありません」
原沖 麗(はらおき れい)「え? ちょ、待って! 望んでない! 望んでないから切らないで!!」
月代 卒太(さかやき そつた)「わかりました、切りません」
  ・・・・・・なんか、変だ。
  さっきから絶対服従すぎませんかこの人
  もしかして私、異性というより、
  主君(しゅくん)として見られてる?
  彼氏になりたいんじゃなくて、
  家臣になりたいのか・・・?
  それはそれで、
  面白いかも・・・しれない・・・?
月代 卒太(さかやき そつた)「貴女のお側にいたいんです。 僕とお付き合いしていただけませんか?」
  これが乙女ゲームなら、選択肢が出てプレイヤーにお任せできるのに・・・
  選ぶの私か。マジか。
  なんか、ちょんまげも見慣れてきちゃったし
  好奇心が止まらなくなってきたのですが私はどうしたら
「ちょーっと待ったああああああ!!!!!」
  次回へ続く
  突然現れた乱入者・・・
  麗の前に現れたのは?
  
  次回 エピソード3.錯綜(さくそう)

次のエピソード:エピソード3.錯綜(さくそう)

コメント

  • ハリセンツッコミで麗ちゃんを認識出来る卒太くん…好きw

  • 怒涛のボケツッコミで笑いが止まりませんでしたw さすが!

  • 本当に、素材が罪でまさかハリセン出てくるとは…!🤣
    笑いをこらえるのに必死でした。
    あと、保健室の窓がいい具合に光ってて、月代に後光がさしてるようでしたw

ページTOPへ