第六話 斑(ブチ)呑めせ(脚本)
〇ゴリラの飼育エリア
ススキノのヤクザ「久しぶりだな、トー裏キッズ」
ススキノのヤクザ「お前らが逃げたあと、札幌のオヤジにヤキ入れられたべさ。 借りはキッチリ返すからな!」
優心(ゆうしん)「ああ・・・ありがとう!」
優心(ゆうしん)(なんかよく分からないけど、助かった! 札幌のボスに連絡は必要かな?)
優心(ゆうしん)「あっ!あいつらは・・・」
ススキノのヤクザ「お前は隠れろ!」
充(あたる)「旭川のボス、それはオモチャの日本刀かな? 模造刀携帯でも、銃刀法違反だがな」
旭川のボス「なんだ、テメェらは! ここが誰のシマなのか分かっていないようだな?」
充(あたる)「分かっているさ── 北海道警察警部田中充だ。 お見知り置きを」
旭川のボス「サツだァ? だから何だ?」
旭川のボス「ここは俺がシメてんだ。 俺が法律なんだよ!」
〇ゴリラの飼育エリア
三郎(さぶろう)「アラ、あん時のゴリラ・・・動物園は観光かな? それとも、捕獲されちゃったの?」
ススキノのヤクザ「あの時は飯前だったからやられたが、今日旭川ラーメン食ったから、エネルギー満タンだべさ!」
ススキノのヤクザ「借りは、返〜す!」
三郎(さぶろう)「ウッ」
三郎(さぶろう)「お〜・・・? 脳みそ揺れたわ・・・やるじゃん♪」
ススキノのヤクザ「今度はその少ない脳みそを、ふっ飛ばしてやるべさ!」
三郎(さぶろう)「腹いっぱいだから勝つとか、漫画の主人公だけなんだよ・・・」
三郎(さぶろう)「主人公なら、俺だろがあっ!」
〇拷問部屋
旭川のヤクザ「目が、目が見えない!」
旭川のヤクザ「クソッ! ヤツはどこに居る?」
旭川のヤクザ「グフッ!」
旭川のヤクザ「ヤベー! じーさんに当たったのか!?」
樹(いつき)「オラアアッ!!」
旭川のヤクザ「グッ!」
その一発をヤクザにブチ込んだのがトリガーだった。
樹(いつき)「ウァあああ嗚呼ああ嗚呼!!!!!!」
俺の中の何かがハジけた。
〇ゴリラの飼育エリア
充(あたる)「オイッ三郎! こっちが本命だぞ!? 遊んでないで、助けろよ!」
三郎(さぶろう)「るせー! トー裏キッズじゃねえし。 お互い、勝手にやろうぜ!」
優心(ゆうしん)「見つかったらヤバイ! 今のうちに旭川のボスの鍵が何処かに無いか、捜そう」
優心(ゆうしん)「モニタールームがあるって言ってたな」
〇拷問部屋
蒼斗「樹!樹! 帰って来い!!」
樹(いつき)「ハッ!」
蒼斗(あおと)(虐待サバイバーのフラッシュバックが、度を越した攻撃的行動に繋がったか・・・)
蒼斗(あおと)(自分じゃ歯止めをかけられないとか、ヘビーだな!)
蒼斗(あおと)「落ちつけ、大丈夫だ。 もうこいつは攻撃できない」
樹(いつき)「俺・・・たまに、頭がおかしくなるんだ」
樹(いつき)「こんなに殴ったのに、記憶が全然ない」
蒼斗(あおと)「ああ、分かるよ」
蒼斗(あおと)「とりあえず、そいつの身体のどこかにここのルームキーがあるはずだ。 探して、脱出しよう」
〇ビルの地下通路
優心(ゆうしん)「樹、蒼斗! 良かった!!」
樹(いつき)「優心! 札幌のボスに連絡取れた?」
優心(ゆうしん)「そっ、それが札幌のボスは先に手を回してくれていて、ススキノのヤクザが家系ヤクザと戦っているんだ!」
優心(ゆうしん)「しかも旭川のボスと警察も鉢合わせたみたいで、やりあっているんだ!」
優心(ゆうしん)「メチャクチャだよ!」
蒼斗(あおと)「都合が良いのか悪いのか・・・」
蒼斗(あおと)「俺たちは、、旭川のボスの鍵を回収したいな」
優心(ゆうしん)「今モニタールームを見てきたけど、どこにも無かった。 身につけている可能性が高い!」
蒼斗(あおと)「結局、旭川のボスに直接聞かなきゃならないのか・・・」
樹(いつき)「あいつらが捜してるのは俺たちだろ?」
樹(いつき)「行こうぜ!」
蒼斗(あおと)「それしかないか。 作戦を練ろう!」
〇ゴリラの飼育エリア
ススキノのヤクザ「ゼーゼー・・・」
ススキノのヤクザ「ヤベェ。もう、動けないべさ・・・」
三郎(さぶろう)「ハァハァ、あのゴリラ、体力無限か? この三郎さまの足を止めるとは・・・」
ススキノのヤクザ「悪いが、お前との決着はこの次だ」
三郎(さぶろう)「おう。 俺も動けねーよ」
三郎(さぶろう)「今度ケリつけるからな!」
樹(いつき)「こちらは一悶着終わったようだな!」
充(あたる)「クウウッ!」
旭川のボス「真剣白刃取りをする輩が居るとはな! やるじゃないか」
充(あたる)「ゴリラの腕が切れなかったから模造刀だとは思っていたが、なかなかどうして! 少しでも力を緩めたらやられるな・・・」
旭川のボス「だが、もうオシマイだぜ!」
旭川のボス「爆発!?」
旭川のボス「ウオッ!!目が、見えない!!」
〇ゴリラの飼育エリア
旭川のボス「グハアッ・・・」
充(あたる)「な、何が起こった!? テロか?」
充(あたる)「三郎!近くに居たら、返事してくれ! 爆発の副作用のせいで、何も見えない!!」
三郎(さぶろう)「俺も見えないぜ・・・まさか、トー裏キッズか!!」
充(あたる)「あいつら、またも小賢しい手を使いやがって・・・!」
〇諜報機関
旭川のボス「フガフガ!!」
樹「口のガムテープは剥がしてやるよ」
樹(いつき)「ここなら警察が来たらすぐ分かるし、逃げ道もある。 潜伏するには持ってこいだな!」
蒼斗(あおと)「拷問室にあったスタンガンが自分の首を絞めることになるなんて、最悪のシナリオだったな?」
樹(いつき)「さあ、『鍵』を預かるぜ」
旭川のボス「・・・『鍵』を集めて、最終的にどうなるのか、お前たちは知ってるいるのか?」
蒼斗(あおと)「知らないから、集めているんだよ。 アンタの鍵はどこだ?持っているのか?」
旭川のボス「哀れなもんだな。自ら食べてくださいと、火の中に飛び込む家畜のようだ」
旭川のボス「せいぜい、旅を満喫するがいい」
樹(いつき)「身体中探しても、鍵は無かった。 どこに隠した?」
旭川のボス「ゴリラの寝床の中だ」
樹(いつき)「ウソも大概に・・・!」
旭川のボス「本当さ。 お前たちが倒したじーさんがゴリラ使いであり、鍵の管理者だった」
旭川のボス「お前たちに鍵は取れないだろうな!」
〇ゴリラの飼育エリア
樹「ゴリラが寝てるぜ!今のうちに忍び込もう」
〇ゴリラの飼育エリア
樹(いつき)「ゴリラが怒って、糞を投げてくる!!」
〇ゴリラの飼育エリア
樹(いつき)「ゴリラの寝床に忍びこむにはどうしたらいいんだ?」
蒼斗(あおと)「殺すか、麻酔銃で眠らせるか・・・」
優心(ゆうしん)「まだ警察がウロウロしている。 あまり、派手なことはできないよ」
ススキノのヤクザ「俺に任せろ」
優心(ゆうしん)「え! 家系ヤクザとの戦いで、燃え尽きてなかった?」
ススキノのヤクザ「旭川ヤクザの備蓄をタップリ頂いた! 元気100倍だべさ!」
樹(いつき)「カッケー! メシで体力回復するなんて、漫画の主人公かっ!?」
〇ゴリラの飼育エリア
ゴリラ「ウホホ!?」
ススキノのヤクザ「お前の寝床の鍵はいただくぜ!」
ゴリラ「ウホッ❤️」
〇動物園の入口
ススキノのヤクザ「簡単に鍵は手に入ったぜ!」
ススキノのヤクザ「なぜかゴリラがついて来ちまったがな! ペットにでもするべさ!」
ススキノのヤクザ「ほらよ」
樹(いつき)「・・・アンタはこの鍵を集めたら、俺たちがどうなるか知っているのか?」
樹(いつき)「旭川のボスが言うように、火の中に飛び込むようなもんなのかな?」
ススキノのヤクザ「さあな。 末端の俺はそんなこと知らねえし、興味もねえ」
ススキノのヤクザ「ただし、忠告はできるぜ」
ススキノのヤクザは、声のトーンを落とすと、俺の耳元で囁いた。
誰も、信じるな。
自分さえも、必要なら疑え、と。
〇外国の駅のホーム
蒼斗(あおと)「これで最後の鍵は富良野か」
優心(ゆうしん)「樹、鍵を受け取る時に、ヤクザと何を話していたの?」
樹(いつき)「それが・・・」
ヤクザから言われたことを話そうとして、俺は
樹(いつき)「ゴメン、大したことじゃなかったわ」
何となく、2人には言えなかった。
〇黒
誰も信じられなくて、自分さえも騙して生きて
その先にあるものって、何だろう。
ヤクザ達の三つ巴の戦いは燃えますね👍
それと樹君が結構不安定ですね。いつか取り返しの着かないことしてしまうかも😱
物語の目的であるカギ集めがどのような結末を迎えるのかも気になります。次回も楽しみにしてます!
利害関係人?勢揃いで絶体絶命のピンチだったなんとか旭川もクリアですね。誰も信じるな…ですか。悲しい言葉ですが、だんだんとそうなりそうな展開に向かっている気もします…
ごった返しの旭川の乱戦もどうにかケリがつきましたね!。それにしても、札幌・小樽に続いて旭川も観光はゼロなのですね。蜂●や●頭火は無理だとしても、せめてモルメンくらいは食べさせてあげたかったですね。ぜひ富良野ではオムカレーだけでも!
ちなみに山頭●は本店の味がズバ抜けて美味しいですよね。札幌では、いそのか●おの醤油や175担々麺が好きです。味噌は安定の信●やけ●きあたりも(コメント返し返し)