〇華やかな広場
　　私、甘宮苺果（あまみやいちか）、中学一年生！
　　魔法少女「ピュアストロベリー」の正体なんだ！
　　でも、最近現れた新しい魔法少女「バケツ・プリンセス」の人気に押され気味・・
　　そんな時、妖精のピヨりんが私のバディを見つけてくれたと思ったら・・・
　　悪の組織「副流會」の幹部「ニコタイン将軍」だった!?
　　なんやかんやあって結局バディを組むことになっちゃったけど・・
ニコタイン「ピュアニコタイン、推して参る！」
　　これからどーなっちゃうのー!?

〇店の入口
　　パティスリー・アマミヤ

〇ケーキ屋
お母さん「苺果、これ片付けといて」
苺果「はーい！」
　　お母さんのパティスリーは今日も大忙し！
　　学校がお休みの日はいつもお店を手伝ってるんだ！
苺果（それはまあいいんだけどさ・・・）
ニコタイン「母上どの、こちらの掃除は完了したでござる！」
苺果「納得いかねー！」
ニコタイン「苺果どの、お客さまにお尻を向けてはいかんでござるよ」
苺果「アンタに客商売を教わるほど落ちぶれちゃない！」
お母さん「ニコタインくんが来てくれてホント助かったわぁ、ありがとうねえ」
苺果「お母さん、なんでこんなやつバイトに雇ったの!?」
ニコタイン「苺果どの、某は正社員でござる」
苺果「なお悪いわ！」
お母さん「だってニコタインくん、前のところにもう戻れないっていうから」
苺果（その前のところが問題なんだって・・・）
お母さん「二人ともありがとうね、一旦、お店も落ち着いたみたいだから」
お母さん「おやつ持って、お部屋にあがってていいよ」
ニコタイン「かたじけないでござる!!」
苺果「・・・いやアンタは働けよ、正社員なんだから」

〇可愛い部屋
苺果「ふー、今日も忙しかったぁ〜」
ニコタイン「苺果どの、このお茶請けいけるでござるよ」
苺果「あ、ほんとだおいしー」
苺果「ってちがーう！」
苺果「私の部屋でくつろぐなー！」
ニコタイン「見事なノリツッコミ、最高でござるな」
苺果（ダメだこいつ、完全にウチに馴染んだつもりでいやがる・・・）
苺果「こんなことしてる場合じゃないでしょ！」
苺果「さっさと副流會のボスを倒しに行かなきゃ！」
ニコタイン「む。ハッツガーン様をでござるか？」
苺果「そうだよ！今まで居場所がわからないから誰も攻められなかったけど」
苺果「アンタならわかるんでしょ！」
苺果（えへへ、バケプリを出し抜いて私が倒したら、一気に人気もうなぎのぼりに・・・！）
ニコタイン「それは不可能でござる」
苺果「なんで!?」
ニコタイン「副流會のアジトは神出鬼没」
ニコタイン「常に位置が変わるから、某にも今どこにあるかわからんでござる」
苺果「ええー!?」
ニコタイン「それに・・・」
苺果「それに・・・？」
ニコタイン「チーム名を「アメリカンスピリッツ」か「わかば」のどっちにするか決めかねてるでござる」
苺果（逆になぜその二択・・・）
苺果「ってそんなことどうでもいいよ！」
苺果「なんなのそれ！じゃあアンタ何のために魔法少女側についたの!?」
ニコタイン「基本給26.５万円のためでござる」
苺果「それはうちの給料でしょ!?」
苺果（しかもそこそこもらってやがる・・・！）
苺果「うう〜!!」
ニコタイン「おや、クッキーいらんでござるか？」

〇ケーキ屋
ピヨりん「おっかさんの苺ショートまじうめえっすわ」
お母さん「うふふ、ピヨりんくんはお世辞が上手ね〜」
苺果「ピ〜ヨ〜り〜ん〜！」
お母さん「じゃあピヨりんくん、ゆっくりしていってね」
ピヨりん「うぃ〜っす」
苺果（こいつはこいつで、なんでフツーにお母さんとしゃべってんの・・・？）
ピヨりん「んだよ苺果。ニコタインとはうまくやってっか？」
苺果「逆だよ!!」
苺果「なんなのあいつ!?なんであんなやつ連れてきたの!?」
ピヨりん「おいおい、随分じゃねーか。あいつを引き抜いてくるの苦労したんだぜ」
ピヨりん「世界征服を企む副流會の中にあって、奴は随一の武闘派だったからな」
苺果（そういえば、ニコタインは怪人の中でも特にハッツガーンへの忠誠を誓ってたはず）
苺果（どうやって引き入れたんだろう・・・）
ピヨりん「あれは寒い夜のことだった・・・」

〇荒野
ピヨりん「・・・・・・」
ピヨりん「YOU 、魔法少女やっちゃう〜？」
ニコタイン「やっちゃう〜☆」

〇ケーキ屋
ピヨりん「って感じだった」
苺果「もったいないからその程度でシーン分けないでよ・・・」
ピヨりん「とにかく、せっかく見つけてやったバディなんだ、即解消なんかすんなよ」
ピヨりん「あとバケプリには死んでも負けんなよ〜！」
苺果「あ、待ちなさーい！」
苺果（めんどくさくなるとすぐ逃げやがって・・・）
苺果「何今の・・・外から!?」

〇店の入口
おねえさん「副流會よ〜!!」
スモーキー「もっきぃ〜・・・」
苺果「げ、こいつ、こんなところまで・・・」
苺果（あれ、でもおかしいな？）
苺果（「ぴゅあぴゅあ☆あらーと」は鳴ってなかったのに）
苺果「それに・・・」
スモーキー「もっきぃ〜・・・」
苺果「なーんか、様子がおかしいような・・・」
苺果「でもまあいいや！今のうちに倒しちゃお！」
苺果「らぶりーはーと❤️ちぇーんじっ！」
ピュアストロベリー「紅色ほっぺは甘〜いしるし！ピュアストロベリー！」
ピュアストロベリー「今日もストロベリベリ❤️ハッピー☆」
ピュアストロベリー「こういう時に限って、ギャラリーなしかぁ」
ピュアストロベリー「まあいいや、早くカタ付けてオヤツの続きを・・・」
スモーキー「モキ」
ピュアストロベリー「えっ？」
スモーキー「モッキイイイイ!!」
ピュアストロベリー「あっつ、アチ、あっちいいい!!」
ピュアストロベリー「何!?なんなの!?」
スモーキー「モキモキモキィー!!」
ピュアストロベリー「こ、こいつただのザコ戦闘員じゃないの!?」
ピュアストロベリー（明らかに今まで戦った奴らと違う・・・!?）
？？？「いや、彼はただのザコ戦闘員でござるよ」
スモーキー「も・・・もきいいい!!」
ニコタイン「遅くなってすまなかったでござる」
ピュアストロベリー「ニコタイン!?」
ピュアストロベリー（ニコタインのくせにちょっとカッコいい登場とBGM・・・）
ニコタイン「お茶請けのクッキーを平らげるのに時間がかかってしまったでござるよ」
ピュアストロベリー「ぜ、全部食べたの!?私の分も!?」
ピュアストロベリー（前言撤回、ただの食い意地張ってる怪人だこいつ！）
スモーキー「も、もき・・・」
ピュアストロベリー「あ、目を覚ました」
スモーキー「もぎぎぎっ!!もぎぃーっ!!」
ピュアストロベリー「あいだだだっ!?何!?」
ニコタイン「御免ッ！」
スモーキー「モキュゥン・・・」
ピュアストロベリー「ど、どうしたのこいつ!?」
ピュアストロベリー「スモーキーはいつも、倒したら正気に戻るはずなのに・・・!?」
ニコタイン「ストロベリーどの。こいつの処理は某に一任してもらえなかろうか」
ピュアストロベリー「え、ああ、いいけど・・・」
ニコタイン「かたじけない。某はこの男を病院に連れて行くでござるよ」
ピュアストロベリー「待って！」
ニコタイン「なんでござるか？」
ピュアストロベリー「いや・・・その・・・」
ニコタイン「心配しなくても、ストロベリーどのの分のクッキーはちゃんと買って帰るでござるよ」
ピュアストロベリー「・・・よろし、く」
　　今日もただ、圧倒的な力でニコタインが敵を蹴散らしただけ──
　　──本当にただそれだけなのだろうか？
　　そんな疑問が、私の頭の中にこびりついたように消えなかった。

〇病院の廊下
　　その後、病院にて──
病室から聞こえる声「モギイイイイ!!ぐ、ぐるじ・・・モギャアアアア!!!」
医師の声「な、なんて力だ・・・！取り押さえるんだ！」
病室から聞こえる声「た、助けて・・・だずげでええええええ!!!!」
ニコタイン「・・・・・・」
ニコタイン「少し・・・ほんの少しだけ、待っていてくれでござるよ・・・」
　　──続く

〇華やかな広場
ピュアストロベリー「私に隠された「ストロベリーパワー」を発動するのに必要なのは・・・みんなからの人気!?」
ピュアストロベリー「ただでさえ人気ないってのにさー、どうすりゃいいの!?」
ニコタイン「ここは足を使っていくしかないでござるな」
ピュアストロベリー「なにこれぇ・・・」
ニコタイン「ビラ配りにござる！」
ピュアストロベリー「ええー!?」
ピュアストロベリー「次回、「発動!!誰が為のストロベリーパワー!?」」
ニコタイン「次回も・・・ニコタインイン🍻ホッピー！でござるよ！」
ピュアストロベリー「アレンジ加えんなっ！」