絆の先にあるもの

Kazunari Sakai

エピソード8(脚本)

絆の先にあるもの

Kazunari Sakai

今すぐ読む

絆の先にあるもの
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇商業ビル
  出会いは不思議
  例えばその人が生まれた場所
  進学先や就職先
  それが変わると・・・
  そう・・・
  全く違った絆が生まれる
  エピソード8
  ──新天地へ降臨──

〇シックなカフェ
  カフェ「ロ―ズ」
浅田みなみ「あれ?木本さん今日はお一人?」
木本信雄「いや、もうすぐゾンビが来る」
浅田みなみ「えっ?ゾンビ?」

〇商業ビル

〇シックなカフェ
浅田みなみ「どっ・・・どうぞごゆっくり」
木本信雄「頬がこけて本当にゾンビみたいだな。 みなみちゃんも逃げてったわ」
大宮和英「典子と別れて、ろくなもん食ってないからな」
木本信雄「しかし電光石火の早業だよな。マンションの賃貸契約解約直ぐ引っ越し。典子、実家に戻ってから連絡ないのかよ?」
大宮和英「ああ、電話しても全く通話に応じない。今回はかなりお怒りだ。車まで売却したよ」
木本信雄「困りましたな。典子は普段温厚な性格だから、一度キレると許すのに時間かかるかもな」
大宮和英「くっそ──!満里奈だけは絶対許せない。まあ、満里奈を擁護してる信雄に言っても意味ないが」
木本信雄「そうかもしれないが会社を退職したのはお前の判断だろ?典子にひたすら謝るしかないよ」
大宮和英「そうだよな。お前には迷惑かけるけど俺の荷物はもうしばらく預かってくれ。引っ越し先決まったら取りに行くから」
木本信雄「ああ、それはいいけど。お前ホテル住まいだろ?宿泊代バカにならないし、良かったら俺ん家でもいいぞ?」
大宮和英「いや。それは申し訳ないからいいよ。宿泊してるホテルも気に入ってるから」

〇田舎町の通り(看板あり)

〇古いアパートの居間
  典子の実家 座敷
倉田典子「お母さん」
倉田真澄「困った娘ね。お父さんはまだご機嫌斜めよ」
倉田典子「ゴメンね。行き先決まったら荷物運ぶから、 段ボールに入れたままにしておくね」
倉田真澄「喧嘩するのは仕方ないけど、ちゃんと和英君と話し合って早めに解決しなさいよ」
倉田典子(それは当分無理)

〇広い公園

〇住宅街の公園
子供A「ねぇママ?あのおじちゃん、またいるよ」
女性A「見つめちゃダメ!指も差さない!」
女性A「同じもの買ってあげるからさっさと歩いて!早く!」
大宮和英(アイスクリーム舐めてる不審者に思われた?でもナイトパックまではまだ時間がたっぷりあるし・・・俺にはここかしか)
大宮和英(だけど惨めだなあ)
大宮和英(元を正せば夏目部長に新作ソフト音楽を白紙に戻すと言われ頭に血がのぼり)
大宮和英(しかも次の担当者まで決まってると言われ)
大宮和英(んっ?次の担当者って誰だった?)
大宮和英(そんな事はどうでもいい話。まずはこの状況から抜け出さないと)

〇空

〇散らかった職員室

〇田舎町の通り(看板あり)

〇古いアパートの居間
倉田典子(んっ?エレガントの編集長だわ)
倉田典子「もしもし?どうされました編集長」

〇散らかった職員室
エレガント編集長「倉田さん・・・失礼かもしれないが、 君はまだ新しい執筆先を探してる?」

〇古いアパートの居間
倉田典子「ええ、探していますが・・・なかなか見つからなくて」

〇散らかった職員室
エレガント編集長「そうか・・・実は私の友人がコラムの書ける人材を探していてね」
エレガント編集長「期間は3ヶ月なんだが、倉田君に声をかけてみようと思ってね」

〇古いアパートの居間
倉田典子「本当ですか!是非ともお願いします」

〇散らかった職員室
エレガント編集長「それは良かった。ただし採用する条件が1つあってね。その条件というのが採用先に常駐する事なんだけど・・・無理だよね?」

〇古いアパートの居間
倉田典子「全く問題ないです!是非とも私に譲って下さい」

〇散らかった職員室
エレガント編集長「君に連絡して良かったよ。報酬は月30万。それに家賃も食費も全て雇い主持ち・・・つまり無料だ」
エレガント編集長「どうする?他の人で採用が決まってしまうかもしれないが、詳しい話を聞きに雇い主に会ってみるかい?」

〇古いアパートの居間
倉田典子「会う必要ないです!編集長!私がやりますから絶対他にまわさないで下さい」

〇散らかった職員室
エレガント編集長「了解した!雇い主には早速伝えておくよ。詳しい事は今日の夜メ―ルで送るから。倉田君頑張ってな!」

〇古いアパートの居間
倉田典子「やった──! 幸運が舞い降りた」

〇田舎町の通り(看板あり)

〇空

〇インターネットカフェ
牛島良太(・・・これって大宮さんの?)
大宮和英「ナイトパック宜しく」
牛島良太「あっ!大宮さんいらっしゃいませ」
大宮和英「牛島君。今日も採用連絡なかったわ。この歳だとなかなか採用キツイな」
牛島良太「あの・・・大宮さんって「ステージ」の新作ソフト開発に携わってましたよね?」
大宮和英「ああ、それがどうかした?」
牛島良太「ネット記事が出てましたよ。新作ソフトの音楽部門、マリンが担当するんですね」
大宮和英「何っ────!」
牛島良太「ほら、ここに出てますよ!」
大宮和英(満里奈だったのか)
大宮和英(典子だけでなく俺も攻撃対象)
大宮和英(ふざけやがって!)
牛島良太「・・・」
牛島良太「大宮さん?」
大宮和英「何!」
牛島良太「大宮さん。インディ―ゲ―ムに興味ありませんか?」
大宮和英「えっ?」
牛島良太「実は俺、インディ―ゲ―ムのクリエイターで友人と共同でゲ―ムの開発をしています」
牛島良太「こうして師匠にお会い出来たのも何か特別な縁だと思うし」
牛島良太「私たちと一緒にゲ―ム開発してみませんか?」
大宮和英(個人規模でゲ―ム開発?考えた事もなかったな)
牛島良太「一度僕たちの事務所に来て下さいよ」

〇ビジネス街
  芸能プロダクション「F」

〇オフィスのフロア
前田美里「心配してたけどそれ聞いて安心したわ。典子ならどんな仕事でも実力発揮出来るわよ」

〇古いアパートの居間
倉田典子「ありがと美里。美里には一番最初に教えたくて・・・ 美里の声聞いたらますます力が湧いてきたわ」
倉田典子「おっ!メ―ルが来た。美里!詳しい話はまた今度ね。じゃあまた」
倉田典子(どれどれ?メ―ルメール)
倉田典子「んっ?・・・」
倉田典子「えっ?」

〇田舎町の通り(看板あり)

〇古いアパートの居間
倉田典子「ヤバい・・・詳細を聞いてから返事するべきだった。今さら断れないし」
  メ―ル文章
  倉田さんお疲れ様です。例の件詳細を送ります。頑張って下さい
  ──離島に暮らして情報発信──
  3ヶ月「日真島」に常駐し、情報発信して下さい
  あなたの情報で島の観光発展を大いに期待してます
  期間 ・・・
  月間報酬 ・・・
  詳細 ・・・
倉田典子(期間・・・初日が3日後?)

〇田舎町の通り(看板あり)

〇空

〇ゆるやかな坂道
大宮和英「まだ参加すると決めたわけじゃないからな」
牛島良太「はい。見学して頂けるだけでありがたいです」
大宮和英「インディ―ゲ―ムといってもクオリティの高さは要求されるから資金面でもかなり必要になる。何度も言うが俺は金ないぞ」
牛島良太「その点はご心配なく」
牛島良太「大宮さん。間もなく事務所です」

〇寂れた雑居ビル
牛島良太「大宮さん。このビルです」
大宮和英「・・・」

〇店の事務室
大宮和英「えっ?」
天野瑠美「初めまして大宮さん。天野瑠美と申します。宜しくお願いします」
大宮和英「牛島君の友人って女性だったの?」
牛島良太「はい。高校時代からの友人です。誤解されるのは嫌ですからハッキリ言っておきますが、恋人関係には一度も発展してないです」
天野瑠美「牛島から大宮さんの事を聞いてお会いするのを楽しみにしてました!」

〇空

〇バスの中
倉田典子(これは夢の中よ間違いないわ。私は夢を見てるの。バスに乗ってる夢をね)

〇駅のホーム
倉田典子(夢なら早く覚めてね。早くしないと電車に乗るよ)

〇船着き場
倉田典子(海はやり過ぎだよ。船?いろんな乗り物に乗る夢だね)

〇沖合
倉田典子(嘘でしょ?ねぇ!誰か早く嘘だと言ってよ)

〇島
  ──日真島到着──

〇寂れた雑居ビル

〇店の事務室
天野瑠美「ありがとうございます。こんなに早くお返事が頂けるとは思いませんでした」
天野瑠美「牛島と同じアパートですが住居もご用意したのでお使い下さい。家賃、光熱費等も無料で構いませんから」
大宮和英「凄い待遇だけど大丈夫なの?インディ―ゲ―ムとはいえ開発費はかかるし」
大宮和英「たとえ素晴らしい作品が出来ても、売り込むためには宣伝費用もかなり必要になるよ。ただでさえ儲かる確率は少ない市場なのに」
牛島良太「大宮さんにはまだ話してなかったですが、瑠美の親父エンタープライスの社長なんです」
大宮和英「エンタープライス?それって大手ゲ―ムソフト会社の?」
天野瑠美「はい。3年間の期限つきで親が支援してくれる事になってます」
牛島良太「それまでにこの3人で力を合わせ素晴らしい作品を作りましょう。ねっ!師匠」
大宮和英「確かに君たちが制作してるゲ―ムは斬新さもあって期待出来ると思うけど」
牛島良太「期待出来るゲ―ムなら瑠美の親父が権利を買い取ると言ってます」
天野瑠美「予算の関係もありますから、当面は狭いですけどこの場所が私たちの戦場です。大宮さん。期待してますね」
  和英
  ──新天地へ降臨──

〇海辺の街

〇役所のオフィス
  ──日真島役場──
村下幸三「いや──!あなたのようにキャリアがある方に来てもらえるとは光栄です」
村下幸三「ご不明な点がありましたら高橋が担当ですので何でも聞いて下さい」
高橋修平「倉田さん高橋と申します。初めての島暮らしですから戸惑う事も多いと思います。何でも聞いて下さいね」
村下幸三「高橋君。早速旅館へご案内しなさい」
高橋修平「分かりました」
倉田典子(落ち込んでいては何も始まらないわ。これだけ期待されてるからには、おもいっきりやるしかない!)
山路みゆき(・・・)

〇海辺の街
  典子
  ──新天地へ降臨──
  和英、典子の新しいステージが始まる
  エピソード9へ

次のエピソード:エピソード9

ページTOPへ