チャリキルアニキの大車輪

快亭木魚

第八輪 八輪占い八卦良い(脚本)

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〇後宮の庭
センシャレイ「よくもエキスパンズのメンバーを痛めつけてくれたな!」
チャリキルアニキ「ざけんじゃねえ!強引にさらったのはそっちだろうが!」
チャリキルアニキ「マキ!隠れてろ。こいつは今までの奴らとは違う。俺の身体中の車輪が小刻みに震えてるぜ」
マキ「分かったよ。兄、無事でいて!」
センシャレイ「愚か者めが!目にもの見せてくれる!」
チャリキルアニキ「うわ!いきなり戦車から乱射してきやがった!」
チャリキルアニキ「あぶねえ!よけるだけで精一杯だ」
センシャレイ「すばやい身のこなし。物おじしない精神力。チャリキル、やはりお前は『害悪をもたらす者』だ」

〇大広間
  数週間前。
ミツワトライク「センシャ様が戦車を目にあてている!」
ティーチャーイチリ「これがセンシャ様による戦車の千里眼、『センシャガン』だ!」
センシャレイ「見えるぞミツワ。お前の過去が」
センシャレイ「トライクで全国18位までいったにも関わらず暴力沙汰で競技を離れているな」
ミツワトライク「なぜ知っているんですか!俺は言ってないのに」
センシャレイ「センシャガンでは千人の過去を見ることが可能だ」
センシャレイ「ミツワ。挨拶だけは立派なお前を挨拶係長に任命する。輪に磨きをかけて挨拶に励め」
ミツワトライク「ありがとうございます!ミツワ、三輪を回して挨拶に励みます!」
センシャレイ「聞けイチリ。エキスパンズの今後について八輪占いの結果が出た。八卦がかなり良い」
ミツワトライク「八輪占い?」
ティーチャーイチリ「センシャ様の八輪占いは中国の占いを元に独自に改良したものだ。戦車のタイヤ八輪の動きで占う」
ティーチャーイチリ「センシャ様!何が見えましたか?」
センシャレイ「男がひとりと女がひとり・・・」
センシャレイ「男は『害悪をもたらす者』、女は『幸福をもたらす者』だ・・・。女の方はぜひエキスパンズの一員にしたい・・・」
センシャレイ「だが男の方と結び付きが強い・・・。まず男をおびきよせなければ・・・」

〇炎
センシャレイ「男と女のイメージを絵で共有する」
センシャレイ「共通する特徴は意思の強い眼差し。共に10代後半から20代前半と見られる。探し出せ」

〇洋館の玄関ホール
クノウ「ミツワさん!予言の男に見覚えがあります。俺の同級生のリキに似ている」
ミツワトライク「本当か?よし。サークルの新歓に連れて来るんだ!」

〇大ホール
クノウ「リキ!新歓楽しいだろ?うちのサークルに入れよ!人との輪が広がるぜ!」
リキ「うーん・・・俺には輪を広げるってのが合わねえ。なんか気分がすぐれねえし」
リキ「さっきから変なライトがまぶしいんだが。何だよこれ」
クノウ「最新型のミラーボールだよ。リキ知らねえのか、おくれてるぜ」
クノウ「うちのサークルは科学に詳しい人もいて新しいテクノロジーに触れる機会も多いんだ。新しい自分に出会えるぜ!」
リキ「わりい。俺は遠慮しとくわ。体調が悪いんで帰る。じゃあな」
クノウ「おいリキ!あの野郎、勝手に帰りやがって」
ミツワトライク「キルスト光線を浴びせても変化がない。奴が予言の男なのか怪しいところだが」
ミツワトライク「念の為監視ドローンを飛ばす。様子見だ」

〇二階建てアパート
ミツワトライク「ドローンで監視中。リキは部屋から出て来ない。もう五日目だ」
テジョーザポリス「キルスト値に上昇が見られる模様、どうぞ!」
ティーチャーイチリ「カメラもっとアップに!カーテンの隙間かリキの姿をとらえるんだ」
リキ「身体がほてってきたぜ。上着を脱ごう」
リキ「ああチャリを着たい!全身でチャリを感じたい!」
テジョーザポリス「変化を確認!瞬く間に全身にチャリを着た!どうぞ!」
ティーチャーイチリ「ミツワと同じ!自分の好きな車輪を複数生み出せるタイプだ!」
リキ「ああチャリチャリチャリチャリああチャリチャリチャリチャリチャリチャリチャリチャリチャリチャリチャリチャリチャリチャリ」
テジョーザポリス「正気を失いかけている模様!ビースト化進行中!ビースト化進行中!どうぞ!」
ティーチャーイチリ「残念ながらビースト化してしまうか・・・」

〇シックな玄関
マキ「兄!来たよ」
リキ「はっ!妹の声だ!俺は一体何をやっているんだ」
テジョーザポリス「リキが正気を取り戻した模様、どうぞ!」
ティーチャーイチリ「部屋に入ってきたのは・・・妹か!」
マキ「どうなってんのそのチャリ?さわるよ」
テジョーザポリス「妹が触れることでさらに正気を取り戻している模様、どうぞ!」
リキ「今日もチャリキッて行くぜ!」
ミツワトライク「ビースト状態から正気に戻ることがあるんですか?」
ティーチャーイチリ「いや聞いたことがない。きょうだいの絆だけでは説明できない。おそらくあの妹も潜在的にワキルストの力を秘めている!」
ティーチャーイチリ「きっとあの妹こそが予言の『幸福をもたらす者』だ。あの意思の強い眼差し!特徴も一致する!」

〇開けた交差点
テジョーザポリス「マルチャリが外に出た。監視を続ける。どうぞ」
リキ「サークルの部室に行ってから・・・おかしくなった」
マキ「よし!この部室に行ってみよう」
ミツワトライク「きょうだいが揃って部室に向かってくるぞ!」
ミツワトライク「俺に任せて下さい!必ず二人ともとらえてみせます!」

〇謁見の間
センシャレイ「威勢よく立候補した割に簡単にチャリキルにやられたな、ミツワよ」
ミツワトライク「すみません・・・」
センシャレイ「テジョーもやられたな」
テジョーザポリス「不覚、どうぞ」
センシャレイ「イチリは一時的にチャリキルを捕らえたが結局逃げられたな」
ティーチャーイチリ「申し訳ございません!」
センシャレイ「チャリキルめ。まさしく『害悪をもたらす者』。許さんぞ」

〇後宮の庭
センシャレイ「チャリキル!私の輪を乱すお前を許すだろうか、いや許さない!」
マキ(まずいな。兄の表情が曇ってきた・・・)
マキ(む!頭の中にイメージが見えてきた!)

〇血しぶき
チャリキルアニキ「うわー!」
マキ「頭の中にわいたイメージ!これはきっと未来の暗示!」
マキ「兄の命が危ない!未来を変えなくては!」

〇後宮の庭
チャリキルアニキ「やべえ・・・反撃する隙がねえ・・・」
センシャレイ「チャリキル!覚悟しろ!」
チャリキルアニキ「ダメだ!よけきれない!」
チャリキルアニキ「弾が消えた?」
センシャレイ「何が起きた?確かに複数弾発射したはずだが・・・弾が消えている!」
マキ「兄!たまには兄の前に立たせてもらうよ」
チャリキルアニキ「マキ!その姿は!身体中にCDがついている!」
マキ「助けられてばかりは性に合わないんでね!」
チャリキルアニキ「お前が弾を消したのか?」
センシャレイ「ついに覚醒したのか!」
  マキがついに覚醒した!身体中にCDをまとったその姿!その力の正体はいかに?
  続く!

次のエピソード:第九輪 九輪草と決着点

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