チャリキルアニキの大車輪

快亭木魚

第七輪 車輪七輪からの炎(脚本)

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〇洋館の玄関ホール
チャリキルアニキ「熱い!炎が足に当たった!」
マキ「ペットボトルの水かけるぞ!」
マキ「よし。とりあえず火は消えた。ペットボトルまでくれたトイに感謝」
チャリキルアニキ「ありがとう。やべえぜ、あの炎!どんな仕組みだ?」
チャリキルアニキ「チャリメガネで見極める!」
ミツワトライク「おら!もういっちょ行くぞ!」
マキ「炎が来るぞ!」
チャリキルアニキ「見えた!炎の輪だ!高くジャンプして避ける!」
チャリキルアニキ「よし!避けた!」
ヨンリンクノウ「ウギー!ブルンブンブンブーン!」
チャリキルアニキ「あの炎の輪!ヤベえぜ!三輪車と四輪車の車輪の摩擦で火をおこしてやがる!」
ミツワトライク「そうだ!俺の三輪とクドウの四輪!合わせて七輪!」
ミツワトライク「ワキルストコラボ技!『車輪七輪からの炎』だ!」
チャリキルアニキ「七輪は火をおこすコンロ」
チャリキルアニキ「その語源は、わずか七厘の量の木炭で火力出るから説、少額の七厘で買える量の木炭で火を得られるから説、」
チャリキルアニキ「右に避けます、空気穴が七つあったから説などがある」
チャリキルアニキ「その七輪を車輪で再現するとは・・・恐ろしいやつらだぜ!」
マキ「兄、炎避けながら七輪の解説すんのすごいな!」
マキ「なんでそんな七輪詳しいん?」
チャリキルアニキ「左にジャンプします、チャリでソロキャンプに行く時に使うんさ」
ミツワトライク「やるなチャリキルよ。だがいつまで避けてられるかな?」
チャリキルアニキ「うわアチ!アチアチアチャリ!」
チャリキルアニキ「確かに避けてるだけじゃ消耗する一方だ。どうする?」
マキ「兄!車輪の回転で風を起こせるんじゃないか?」
チャリキルアニキ「そうか!よし!引き続きチャリを漕いでエネルギーを送ってくれ!車輪を回転させて風を起こす!」
マキ「がってんだ!」
ミツワトライク「そうはさせねえ!七輪で焼いてやる!」
チャリキルアニキ「うおおお!チャリよ回れぇ!風を起こせ!」
チャリキルアニキ「チャリの扇風機、チャリ扇風機!」
マキ「やった!風で炎を消した!」
ミツワトライク「マジか!七輪が消されるなんて!」
ミツワトライク「この野郎!連続で炎を出せば消しきれないはず!」
チャリキルアニキ「させねえ!マキ!目が回るからしっかりつかまってろ!」
チャリキルアニキ「扇風機を回しながら旋風脚を繰り出す!」
チャリキルアニキ「チャリ旋風脚だ!」
マキ「チャリの回転と旋風脚の回転が合わさり竜巻が起きた!やべえ目が回る!」
ミツワトライク「ぐわあ!飛ばされる!」
ヨンリンクノウ「ブオーンブオーン」
チャリキルアニキ「よし!2人を吹っ飛ばした!今のうちに逃げるぞ!」
チャリキルアニキ「クノウ!苦悩の果てにビーストになっちまって!」
チャリキルアニキ「何とかしてやりてえが今は自分達が逃げるのが優先だ」
チャリキルアニキ「じゃあなクノウ」

〇後宮の庭
チャリキルアニキ「よし!中庭に出たぞ!」
マキ「トイから電話だ!」
マキ「もしもしトイ!中庭に出たよ!」
ピアノトイ「いい調子!今から私も中庭に向かう。道案内するよ!」
チャリキルアニキ「助かるな。協力的だ」
マキ「トイはいい子なんだ」

〇音楽室
  2週間前。
トイ「はい、弾くよ〜!」
トイ「ピアノ演奏に合わせて歌って!」
マキ「ラララーララ♪ララララ♪」
マキ「ああ〜!ダメだダメだ!ストップ!巻き戻し!最初からやり直し!」
トイ「また?マキ、すぐ巻き戻すじゃん!今の歌い方、アタックもリズムも良かったと思うけどなあ」
マキ「ごめん!何度も同じフレーズ弾かせて!」
マキ「歌ってるとさ。分かるんだよ。このまま歌い続けると事故るなっていう予感がある」
マキ「ライブ本番では歌い直しって出来ないからさ。練習中はなるべくこだわっておきたい」
マキ「より良い未来へ辿り着く為の巻き戻し、歌い直しなんだ。分かって欲しい!」
トイ「言われなくても分かってるさ!よし、また最初から弾くよ!」
マキ「ありがと!この曲が完成したらまたCDにしようよ。今撮ってるメイキング映像もつけてさ」
トイ「またCDにするん?デジタルで十分じゃね?」
マキ「手に残る形にしたいんだよ。ジャケや歌詞カードや特典も手作りしてさ。面白いよ」
トイ「なるほどね。マキがやりたいんなら付き合うよ」
マキ「ありがたいよ、トイ!ありがトイ!」
トイ「混ざっちまった!」

〇後宮の庭
マキ「トイは私の無茶な要望にもこたえてくれる。ありがトイ存在なんだ」
ピアノトイ「マキ!無事で良かった!逃げ道はこっち!」
マキ「ありがとうトイ!本当にありがトイ!」
チャリキルアニキ「ありがトイ言い過ぎじゃね?」
チャリキルアニキ「デカい爆発音だ!」
ピアノトイ「う!耳に響いた!このグランディオーソな響きの爆発音は!」
センシャレイ「トイ、お前が手助けしていたのだな」
ピアノトイ「やっぱり!お姉ちゃん!」
チャリキルアニキ「トイは!?センシャレイの妹だったのか!」
ピアノトイ「お姉ちゃん!関係ないマキやマキのお兄さんを巻き込むのはやめて!」
センシャレイ「トイ。お前は分かっていない。我々ワキルストの輪を広げることが世界の幸福につながるのだ」
ピアノトイ「お姉ちゃん!昔はそんな人じゃなかったのに!」

〇洋館の一室
  レイとトイの過去
センダトウ「我がセンダ家は由緒ある家柄。レイ、トイ。共にセンダ家の名に恥じないよう育って欲しい」
レイ(小学生)「わたくし、センダ家の長女、センダレイとして立派なレディになりますわ!」
トイ(小学生)「あたし、次女のセンダトイは、え〜っと頑張る。ですわ〜」
センダトウ「流石だ、レイ。冷静に礼を尽くす令嬢になって欲しい。そんな意味を込めた名前の通りに育ってくれているな」
センダトウ「トイはお姉様を見習いなさい。人生を問い、時には玩具トイのような遊び心も持って欲しいという思いを込めた名前だったが・・・」
センダトウ「トイはレイに比べて成績が悪い。遊ばないで勉強しろ」
トイ(小学生)「は〜い。頑張る」

〇豪華な客間
センダトウ「ピアノはトイの方がはるかに上手いな」
トイ(小学生)「ピアノ弾いてるのは楽しい〜」
センダトウ「レイ。お前の方が遥かに早く始めているのにトイに追い抜かれているぞ。長女なんだからもっとしっかりしないとな」
レイ(小学生)「申し訳ございませんお父様」
センダトウ「お仕置きが必要だな」
レイ(小学生)「痛い!」
センダトウ「エアガンだ。死にはしない。教育とは痛みだ。痛みから逃れる為に練習するんだ!」
センダトウ「撃たれたくなかったらもっと練習しろ!」
レイ(小学生)「頑張ってもっと練習しますわ」

〇英国風の部屋
センダトウ「レイ!また同級生に暴力を振るったそうだな!」
センダトウ「次の選挙が近いんだ!私にとって今が大事な時期なのは分かるだろう?」
センダトウ「センダトウまたトウセンダ!センダトウまたトウセンダ!」
センダトウ「このキャッチコピーを現実にする為にどれだけ私が苦労してきたか!」
レイ(中学生)「痛い!そうやってエアガンを撃つのがお父様の教育なのですか?」
センダトウ「お前の為を思って!やっているんだ!私の心も痛いんだ!」
センダトウ「センダ家の恥になるような行動はするな!」
センダトウ「ああ時間がない。私はもう行かねば。しっかり反省しろよ」
レイ(中学生)「お父様の教育は・・・間違っている!」

〇貴族の応接間
センダトウ「レイ!久しぶりに姿を見せたと思ったらなんだその格好は!戦車を着るなど悪趣味な!」
センシャレイ「父よ。私はもうかつてのレイではないのだ」
センダトウ「今日のパーティーは重要なんだ!私の邪魔をするな!」
センシャレイ「やれやれ自分勝手な父だ。お仕置きが必要だな」
センダトウ「うわー!」
センシャレイ「戦車から発射した玩具の弾が当たっただけだ。死にはしない」
センダトウ「うう・・・父を撃つなんて・・・育て方を間違えた・・・」
センシャレイ「父。あなたが教えてくれたのだ。問題ある人物には痛みをもって教えるべきと」
センシャレイ「哀れなセンダ家の長女センダレイはもういない」
センシャレイ「私は『戦車』を操り『千の者』を導く『選ばれし者』!」
センシャレイ「センシャレイだ!」
センダトウ「悪夢だ・・・育て方を間違えた・・・」
センシャレイ「今日は完全に父と決別する素晴らしき日だ。『センシャ記念日』と名づけよう」
センシャレイ「命を助けられただけでも感謝するがいい。さらばだ」

〇後宮の庭
ピアノトイ「お姉ちゃんは変わっちまった!」
ピアノトイ「お父様を撃って出て行って・・・そっからはエキスパンズの人集め!」
ピアノトイ「強引な勧誘繰り返して今回はマキとそのお兄さんを狙った!なんでこんなことをやるの?」
ピアノトイ「う!」
チャリキルアニキ「ピアノの妹を撃ちやがった!」
センシャレイ「安心しろ。身体にまとったトイピアノを一台破壊しただけだ」
センシャレイ「耳が良すぎるのも大変だな。トイよ」
ピアノトイ「発砲音で耳が痛い!うう・・・」
センシャレイ「耳元で戦車の轟音を聞かせただけで気絶する始末。トイ、やはりお前は弱い」
チャリキルアニキ「てめえ!とんでもねえアネキだぜ!」
  対峙するアニキとアネキ!
  チャリキルアニキとセンシャレイの意地のぶつかり合いが始まる!
  続く!

次のエピソード:第八輪 八輪占い八卦良い

コメント

  • 炎を避けながら七輪の解説をするアニキ、カッコいい!新たな刺客も個性的で期待度MAXです!次回も楽しみです!

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