チャリキルアニキの大車輪

快亭木魚

第五輪 五輪選手のご冗談(脚本)

チャリキルアニキの大車輪

快亭木魚

今すぐ読む

チャリキルアニキの大車輪
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇地下広場
チャリキルアニキ「クノウ!目を覚ませ!」
ヨンリンクノウ「お前捕えルオンオン」
マキ「手足に四駆をつけて走って体当たり!ひでえ暴走行為だな!」
チャリキルアニキ「あぶねえ!よけるのに精一杯だ」
チャリキルアニキ「ダメだ完全に理性を失ってやがる」
チャリキルアニキ「クノウ!てめえを止める!」
ヨンリンクノウ「オーンオン」
チャリキルアニキ「体当たりしてくる気だな!来い!今度はよけねえ!」
チャリキルアニキ「チャリ回し蹴りだ!」
チャリキルアニキ「手ごたえはある!だが倒れねえ!」
チャリキルアニキ「強くなったじゃねえかクノウ!でもよ」
チャリキルアニキ「輪に入って流されるなよ!」

〇田舎の学校
  リキ小学生時代
クソいじめっ子上級生「おい女!お前なんかムカつくんだよ!」
クノウ(小学生)(上級生こえ〜合わせないと俺がいじめられる!)
クノウ(小学生)「そうだそうだ!先輩には従えよ!」
トイ(小学生)「あんたすごく嫌!感じの悪さフォルテッシモ!」
クソいじめっ子上級生「その表現がムカつくぜ!ぶん殴ってやる!」
リキ(小学生)「やめろー!」
リキ(小学生)「このクソ上級生が!年下いじめて何が楽しいんだ!」
クソいじめっ子上級生「なんだてめえは?ちびっ子が!てめえもいじめるぞ!」
クノウ(小学生)(ヤベえよリキ!歯向かったら殺されちまう!)
リキ(小学生)「この野郎!負けるか!」

〇田舎の学校
クノウ(小学生)「リキ〜お前負けてんじゃね〜か〜うう」
リキ(小学生)「ああ!さすが上級生だ!勝てねえ!」
リキ(小学生)「だが気持ちじゃ負けてねえ!ってかなんでお前が泣いてんだ!」
クノウ(小学生)「上級生にボコられるお前を見てることしかできなくて・・・悲しくなったんだ」
クノウ(小学生)「俺は輪の中に入って一緒にいじめることしか出来なかったのに」
リキ(小学生)「輪に入って流されるなよ!」
クノウ(小学生)「リキ。お前はすげえよ。身体の大きい上級生に立ち向かって。すげえ勇気だ」
リキ(小学生)「俺はいつでも心のペダルを踏んで自分を前に進めてんだ!」
クノウ(小学生)「心のペダルとか意味分からんがなんかすげえ勇気を感じるぜ」
トイ(小学生)「逃げるふりしてこっそり影から見てたけど、あのリキって人すごく殴られて痛そうだった」
マキ(小学生)「兄は大丈夫だよ!気持ちは強いから!」
トイ(小学生)「マキのお兄さんなの!」
マキ(小学生)「そうだよ!うちらは仲良いんだ」
トイ(小学生)「いいなあ。私はお姉ちゃんと仲良くないからなあ」
リキ(小学生)「困ったら俺の所に来いよ!俺が正面から受け止めてやるぜ!」
クノウ(小学生)「いや頼りねえし」

〇地下広場
チャリキルアニキ「クノウ来い!俺が正面から受け止めてやるぜ!」
チャリキルアニキ「うう!四駆のパワーはすげえ!チャリのペダルを漕ぎまくっても押される一方だ!」
チャリキルアニキ「だが!柔よく剛を制す!」
チャリキルアニキ「車輪が回転する力を利用して背負い投げする!車輪の一本背負い、その名も」
チャリキルアニキ「一輪背負いだ!」
ヨンリンクノウ「ぐわあ!」
マキ「やったぞ兄!四駆野郎を投げ飛ばした!」
チャリキルアニキ「気を失ったようだ。先を急ごう」
チャリキルアニキ「う!」
マキ「兄!フラついてるじゃないが!大丈夫?」
チャリキルアニキ「ちょっとチャリキリ過ぎちまったな・・・かなり疲労が溜まってるぜ」

〇地下倉庫
マキ「地下倉庫らしき場所に来た」
チャリキルアニキ「すまん。ちょっと休ませてくれ・・・。ずっとペダルを漕いでたからクタクタだ」
チャリキルアニキ「腹減った・・・喉も乾いた・・・」
マキ「OK!兄は休んでて。近くに食料や水がないか探してみる」
マキ「兄はこのデカい箱の中に隠れてて!」
マキ「箱の中に入ったらすぐ寝ちゃった。よっぽど消耗したんだな」

〇暗い廊下
マキ「とはいえここはエキスパンズのアジト。どこを歩いてるかも分からない」
マキ「参ったな・・・。ワキルストに見つかったらまた捕まっちまう」
マキ「そう言えば捕まってから携帯見てなかったな。地図とか見れないか」
マキ「あ!トイから何回も着信きてる!かけ直してみよう」
マキ「もしもし?声聞こえる?」
トイ「やっとつながった!マキ、大丈夫?」
マキ「ごめん、今大変なことになっててさ。今日のバンド練習行けないや」
トイ「そんなのどうだっていい!もっと大変なことになってるんじゃない?声にプレストな焦りを感じた」
マキ「さすが。声聞いただけで察してくれる耳の良さ」
トイ「例えばさ・・・変な集団に追い回されたりしてない?」
マキ「え?そんなことまで分かるの?当たりだよ。ヤバい集団に捕まって逃げてるとこ」
トイ「うわあ。嫌な予感が当たった。マキ、その集団は多分エキスパンズだよね?」
マキ「なんでそこまで分かるん?」
トイ「エキスパンズには私も嫌な目にあってるから知ってるんだ。今どこにいる?近くに何が見える?」
マキ「地下道。倉庫がある。さっきまでは地下広場で四駆野郎に絡まれてた」
トイ「OK。大体分かる。すぐ向かうよ」
マキ「あぶねえって!気持ちは嬉しいけどトイまで巻き込めない」
トイ「いや。私はとっくに巻き込まれてるから大丈夫。すぐ助けに行くから待ってて」
マキ「切れた!」
マキ「トイはなんでエキスパンズを知ってる?輪を着たところとか見たことないけどな・・・」
マキ(いま物音が聞こえた!誰か来る!)
マキ(一旦隠れよう!)

〇怪しい実験室
マキ(この部屋に隠れよう。見つかりませんように!)
フーパーフカダ「この部屋からキルスト値をわずかに感じます」
フーパーフカダ「隠れても無駄ですよ。我々の輪から逃れることは出来ません」
フーパーフカダ「フープイリュージョン!」
フーパーフカダ「全身のフープを回してバランスをとり輪による感知能力を上げる!どんな角度からも見つけますよ」
マキ(身体柔らか!あの輪っかどうなってんの!絶対絡まるだろ)
マキ(ヤバ!体勢を変えて近づいてくる!)
フーパーフカダ「この部屋にいますね。分かりますよ」
マキ(このままでは見つかる!なら、こっちから出て行ってやる!)
マキ「待て!私はここだ」
フーパーフカダ「あら、妹さんの方でしたか」
フーパーフカダ「探しましたよ。よく私のフープから抜け出せましたね」
マキ「支部長!よくも捕まえてくれたな!」
フーパーフカダ「抵抗しても無駄です。今度は倍の数の輪で拘束しますから」
マキ「身体中にフラフープ巻いてるくせに!フラフープで人を捕まえるなんて最低だ!」
マキ「フラフープは腰とかでぐるぐる回して遊ぶものだろ!使い方分かってるのか!」
フーパーフカダ「失礼な!私は元五輪候補選手ですよ!」
フーパーフカダ「体操競技の中でもフープを得意としていたぐらいです」
マキ「へえ驚いた!元体操選手とはね。どおりで身体が柔らかいわけだ」
マキ「なら尚更分からんな。なんで選手だった人が競技用具使って人を捕まえてんだよ」
マキ「五輪選手のご冗談にしちゃキツイよ。フラフープで締めつけられたの痛かった」
マキ「エキスパンズ内でチヤホヤされて元アスリートとしての気概を失ったのか?」
マキ「フラフープを投げてきた!」
マキ「やめろ!こっちに投げてくんな!」
フーパーフカダ「投げたフラフープが・・・」
フーパーフカダ「自分の手元に戻ってきた!どういうこと?手を触れずに攻撃を跳ね返せる?」
マキ「良かった!フラフープよけれたみたい」
フーパーフカダ「自覚はないようですね。次は確実に仕留めます」
マキ「速い!投げたフラフープが見えない!」
マキ「ぐわ!フラフープで首を絞めてきた!苦しい・・・」
フーパーフカダ「あなたに何が分かる?競技に人生をかけても五輪に出場出来なかった私の何が分かる?」
フーパーフカダ「挫折した私をエキスパンズは救ってくれたのです」
マキ(苦しい・・・!息が出来ない!)
フーパーフカダ「エキスパンズを!私を!侮辱したあなたを!許すでしょうか!いえ!」
フーパーフカダ「絶対に許しません!」
  リキは眠りマキにはフーパーの輪が迫る!
  絶体絶命のピンチ!果たしてきょうだいはこの状況を打開できるのか?
  続く!

次のエピソード:第六輪 六輪相手の修羅場だぜ

成分キーワード

ページTOPへ