チャリキルアニキの大車輪

快亭木魚

第三輪 三輪野郎より重い(脚本)

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快亭木魚

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〇ホールの舞台袖
  さらわれた妹マキを助けに来たチャリキルアニキ。
  謎の組織エキスパンズの集会に連れて来られた。
  エキスパンズの総帥が今、その姿を現す!
チャリキルアニキ「やべえ集会だぜ。身体中の車輪が震えてやがる」
総帥「私が!エキスパンズの総帥、センシャレイだ!」
チャリキルアニキ「やべえぜ!全身に戦車のドレスを着ている!」
チャリキルアニキ「戦車女、出てきただけで大盛り上がりだな」
クノウ「センシャ様は全身に戦車を着た一流ワキルスト!エキスパンズの皆の憧れさ!」
センシャレイ「輪を尊ぶのだ!輪を制する者が世界を征する!」
クノウ「輪を着る輪を着る輪を尊ぶ!」
チャリキルアニキ「輪を着た奴らがワーワー言ってるぜ」
クノウ「見ろよセンシャ様の身体中の戦車を!美しい車輪があんなに沢山咲き誇っている!」
クノウ「あの車輪のキャタピラで踏まれてぇ〜!」
センシャレイ「世界は輪で出来ている。惑星の軌道は輪を描き、水は波紋という輪を作り、木は年輪という輪を刻む」
センシャレイ「新しい元号がなぜ令和になったのか?諸君ならもう分かるだろう」
センシャレイ「万葉集からの引用というのは表向きの理由!真の意味は数字の0(レイ)と輪!」
センシャレイ「0と輪を重んじる時代にする!そんな意味が込められているのだ!」
センシャレイ「我々ワキルストが働きかけて輪を尊ぶ意味を込めた令和という名称に決めたのだ!」
センシャレイ「これが令和の真実!」
クノウ「そうだったのか!令和にそんな意味があったなんて!また世界の真実を知ってしまったぜ!」
チャリキルアニキ「騙されるなクノウ!こんなバカげた話があるか!嘘ついて信者を騙してるだけだ!」
センシャレイ「輪を着こなすワキルストとなることで世界に輪の素晴らしさを広げていく!」
センシャレイ「それが我々エキスパンズの使命なのだ!」
クノウ「輪を着る輪を着る輪を尊ぶ!」
センシャレイ「諸君が身につけている輪は幸せを呼び込む輪だ。身につけているだけで我々の輪の一員になれる」
チャリキルアニキ「確かにクノウも、その他の信者も皆首輪をつけている。多分あの首輪で思考を操ってるんだな」
センシャレイ「輪を広げよ!世界中に輪を広げるのだ!諸君の輪布施でエキスパンズの輪がより広がっていく!」
チャリキルアニキ「輪布施?輪を広げるお布施のことか。信者から金を巻き上げてるんだな」
センシャレイ「新たな仲間を連れて来るのだ!より多くの仲間を連れて来た者により位の高い輪を授けよう!」
クノウ「リキを連れて来た俺はより高い位の輪をもらえるんだ!真のワキルストに近づいていく!」
チャリキルアニキ「位の高い輪なんてモンに価値があるとは思えねえ」
チャリキルアニキ「クノウ!目を覚ませ!こんなところにいちゃダメだ!」
クノウ「リキ〜!お前もワキルストになってるじゃねえか!輪を操るワキルストならエキスパンズ内で活躍できる!」
チャリキルアニキ「こんな組織に入りたくねえ!」
チャリキルアニキ「このタイミングで電話かよ!」
フカダ「これからセンシャ様があなたを皆に紹介します」
フカダ「エキスパンズに協力する姿勢を見せれば妹さんは解放します」
チャリキルアニキ「てめえ・・・妹を人質にして俺を無理矢理てめえらの輪の中に取り込もうって魂胆かよ・・・」
チャリキルアニキ「クズだぜてめえらは!」
フカダ「もし反抗的な態度を示せば妹さんの身に何が起こるか・・・賢い判断を求めます」
チャリキルアニキ「この野郎!また一方的に切りやがった!」
クノウ「お前・・・今電話で喋ってたのはフカダ様だよな・・・?お前、フカダ様と親しく会話出来るのかよ・・・!」
チャリキルアニキ「俺の妹をさらった奴だ。親しいわけじゃねえ。電話で脅しをかけてくるひでえ奴だ」
クノウ「フカダ様と電話で直接会話・・・羨まし過ぎる!」
センシャレイ「今日は諸君に新入りのワキルストを紹介する」
センシャレイ「チャリキル!ステージ上に来なさい」
チャリキルアニキ「行くしかねえのか・・・」

〇コンサート会場
チャリキルアニキ「おら!出てきてやったぜ!」
信じやすい男下級信者「すごい!全身にチャリを着た男が出てきた!」
熱心な女下級信者「身体中に沢山の車輪がある!さぞかし熱心なワキルストなんでしょうね!」
センシャレイ「よく来たチャリキル。皆に自己紹介するんだ」
チャリキルアニキ「・・・」
クノウ「どうしたリキ?黙ってやがる」
センシャレイ「黙るのか。なかなか反抗的だな。いいだろう」
センシャレイ「自己紹介が恥ずかしいならこの輪を受け取れ。輪を首からかければ私達の仲間入りだ」
チャリキルアニキ「妹を人質にとって自分達の輪に入れってのがてめえらのやり方か。汚ねえな!」
チャリキルアニキ「しかもあんたの身体中の砲台は全て俺に向いている。いつでも撃てると言いたいんだろうな」
センシャレイ「妹がどうなってもいいのか?私に反抗的な態度をとれば只ではすまない」
チャリキルアニキ「てめえらの輪には入らねえ!」
センシャレイ「強制的に入れてやろう」
チャリキルアニキ「この野郎!輪投げしてきやがった!」
チャリキルアニキ「チャリの手裏剣、チャリケンで弾き落としてやる!」
クノウ「リキ!輪を叩き落とすなんて!」
センシャレイ「それが貴様の答えか。笑わせてくれる」
センシャレイ「チャリキルを捕らえよ!」
ティーチャーイチリ「残念だよリキ。先生は教えたはずだ。車輪の下じきにはならないよう生きろと」
チャリキルアニキ「イチリ先生!あんたもワキルストになってんだな!」
ティーチャーイチリ「そうだよ。今はティーチャーイチリと呼ばれている」
チャリキルアニキ「どけ先生!俺はこんな奴らの輪には入らねえ!」
ティーチャーイチリ「どかないよリキ。君を捕らえる」
チャリキルアニキ「なんだ?車輪のようなものが現れた!」
ティーチャーイチリ「一流のワキルストには輪は一つだけあればいい」
チャリキルアニキ「みるみるうちに車輪が大きくなる!チャリケンで攻撃だ!」
チャリキルアニキ「ダメだ!チャリケンが効かねえ!」
ティーチャーイチリ「君は逃げられない」
チャリキルアニキ「クソ!巨大な車輪にひかれた!動けねえ!」
信じやすい男下級信者「流石だティーチャー!不届き者を捕まえた!」
熱心な女下級信者「ワルなワキルストだったのね!センシャ様の輪を受け取らないなんて最低!」
ティーチャーイチリ「リキ。君のいいところはすぐ行動に出るところだ。小学生の頃から変わってない」
ティーチャーイチリ「そして欠点は考えずに動くところだ。小学生の頃から変わってない」
ティーチャーイチリ「勢いだけで進めるほど世の中は甘くないのだよ」
チャリキルアニキ「動けねえ・・・一理あるぜ・・・」
センシャレイ「チャリキルを連行しろ!」

〇地下の避難所
チャリキルアニキ「ちくしょう!捕まっちまうとは不覚だぜ!」
マキ「兄!兄も捕まったのか!」
チャリキルアニキ「マキ!こんなところで会えるとは!」
チャリキルアニキ「面目ねえ!捕まっちまった」
ティーチャーイチリ「君達は仲がいいな。小学生の頃から変わってない」
チャリキルアニキ「先生!なんでこんなことするんだよ!教え子を車輪の下じきにするような人じゃなかっただろ!」
ティーチャーイチリ「私は世界の真実に気づいたのだよ」
ティーチャーイチリ「残念だリキ。君には車輪の下じきになってもらう」
チャリキルアニキ「うう!車輪がますます重くなってきた!押しつぶされる!」
チャリキルアニキ「強い!手錠野郎より締めつけが強く!三輪野郎より重い!」
チャリキルアニキ「うわー!」
マキ「兄!」
  妹と再会するも車輪の下じきとなったチャリキルアニキ
  アニキはこのまま押しつぶされてしまうのか?
  続く!

次のエピソード:第四輪 四輪駆動の怪男児

コメント

  • 第三話も楽しく読ませていただきました!
    個人的には、他の方にも気軽に読んでいただきたいので、チケット無しでの閲覧をオススメします!

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