チャリキルアニキの大車輪

快亭木魚

第二輪 俺の二輪が火を吹くぜ(脚本)

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快亭木魚

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〇地下室
マキ「この野郎!人を騙して縛り付けるなんて最低だ!」
フーパーフカダ「殺しはしませんよ。おとなしくしていれば」
マキ「さっきから変な光当ててくるの何だよ!」
フーパーフカダ「あなたのキルスト反応を確認しています」
フーパーフカダ「テジョーザポリス!キルスト値の測定を願います!」
テジョーザポリス「こちらテジョーザポリス、テジョーザポリス」
テジョーザポリス「こちら手錠眼鏡でレツのキルスト値を測定中」
マキ「レツ?」
フーパーフカダ「共犯者のことです。連れを逆転させた隠語」
マキ「共犯者って!私もアニキも犯罪者じゃない!」
テジョーザポリス「キルスト光線発射から3分を経過」
テジョーザポリス「全く変化なし。本当にこの女が総帥の言う『幸福をもたらす者』なのか疑いあり、どうぞ」
マキ「その格好、警官だろあんた!警官なら助けろよ!」
テジョーザポリス「本官はこの『エキスパンズ』を守る使命あり、どうぞ」
テジョーザポリス「レツは非常に口が悪い、どうぞ」
テジョーザポリス「公務執行妨害で逮捕してマイ手錠で引きずり回したい、どうぞ」
テジョーザポリス「手錠で身体中を縛り付けて拷問・・・!想像しただけで興奮中、どうぞ」
マキ「うわ気持ちわりぃ!こんな警官が存在することに失望」
フーパーフカダ「テジョー!丁重に扱えとボスの命令です。拷問は許しませんよ!」
テジョーザポリス「了解。逮捕して手錠で締め付けたい願望をおさえる、どうぞ」
フーパーフカダ「今のところキルスト反応は出ていませんがこの後変化があるかもしれません。もう少し様子を見ましょう」
マキ「おい!変化って何だ?おかしな光線を勝手に浴びせやがって!兄にもこの光線を浴びせたんだな!」
テジョーザポリス「レツの態度が非常に悪い、逮捕許可を求む、どうぞ」

〇生徒会室
チャリキルアニキ「ちくしょう!電話を折り返してもつながらねえ!」
チャリキルアニキ「妹はどこに連れて行かれたんだ?なにか手がかりはないか!」
チャリキルアニキ「この新歓の案内チラシ、沢山刷ってやがるな」
チャリキルアニキ「「車輪の力でここまで来れたら」と言っていたよな」
チャリキルアニキ「そうだ!チャリをメガネにすれば何か見えてくるんじゃないか?」
チャリキルアニキ「頭のチャリを回転させてメガネにする! チャリグラスだ!」
チャリキルアニキ「すごいぞ!文字が見えてきた!」
チャリキルアニキ「7だ!数字の7が見える!」
チャリキルアニキ「地下という字も見える!7号館の地下だ!こざかしい真似しやがって!」
チャリキルアニキ「7号館の地下に行ってみよう!」

〇大学
チャリキルアニキ「7号館に来たぞ!」
チャリキルアニキ「チャリメガネで眺める!」
チャリキルアニキ「掃除用具入れの中に隠し扉があるぞ!」
チャリキルアニキ「やべえ奴らだ。キャンパス内に隠し扉を作るなんて!」
チャリキルアニキ「乗り込むぞ!」
チャリキルアニキ「さあ、チャリキっていくぜ!」
  マルチャリが隠し扉を見つけて侵入した模様。各自警戒せよ、どうぞ

〇地下に続く階段
チャリキルアニキ「地下へと続く階段だ」
チャリキルアニキ「全くやべえ奴らだ。人をさらうなんて」

〇地下道
チャリキルアニキ「薄気味悪い地下道だ」
チャリキルアニキ「手錠が飛んできた!」
チャリキルアニキ「間一髪で避けたぜ。なんだこのデカい手錠はは!」
テジョーザポリス「マルチャリの侵入を確認。手錠第一撃は避けられた、どうぞ」
チャリキルアニキ「なんだこいつは!身体中に手錠を着ている!」
テジョーザポリス「こちらテジョーザポリス、テジョーザポリス。これより不法侵入したマルチャリの逮捕に向かう、どうぞ」
チャリキルアニキ「不法侵入だと!てめえらは誘拐しただろ!ひでえ警察だぜ」
チャリキルアニキ「また手錠を投げてきやがった!チャリで防いでやる!」
チャリキルアニキ「この野郎!手錠を右肩のチャリに引っかけやがった!車輪の回転が止まる!」
チャリキルアニキ「やべえ!手錠に左肩のチャリも捕まった!両手が使えねえ!」
テジョーザポリス「マルチャリの身柄を確保!これより拷問に移行する!」
チャリキルアニキ「拷問はごめんだ」
チャリキルアニキ「手がふさがるなら足を使うしかねえ!」
チャリキルアニキ「チャリの回転の力で足を高く上げてから振り落とす!かかと落としを応用したチャリのネリチャギ・・・」
「ネリチャリだ!」
テジョーザポリス「こちらマルチャリによる蹴りを脳天に喰らい・・・大ダメージ!・・・どうぞ」
チャリキルアニキ「倒れた!よし!」
チャリキルアニキ「倒れる直前まで無線でしゃべり続けるとは・・・大した手錠野郎だ!」
チャリキルアニキ「先を急ぐぞ!」

〇地下室
チャリキルアニキ「地下室らしき場所まで来た!」
チャリキルアニキ「マキ!どこだー!」
チャリキルアニキ「電話だ!もしもし!」
フーパーフカダ「ポリスまで簡単に攻略してしまうとは流石!」
フーパーフカダ「あなたが順調に進んでくるだろうと思い、妹さんはいち早く移送しております」
マキ「やめろー!変な光線を当てるなー!」
フーパーフカダ「野蛮で乱暴な言葉遣い。困った人ですね」
チャリキルアニキ「マキの声が聞こえたぞ!てめえら!マキに危害加えたら」
チャリキルアニキ「俺の二輪が火を吹くぜ!」
フーパーフカダ「ご心配なく。あなたが協力的な態度を示してくれればこちらも考えます」
フーパーフカダ「これからある人をあなたの元へ向かわせます。話を聞いて我々エキスパンズへの理解を深めて下さい。では」
チャリキルアニキ「あ!また一方的に電話切りやがった!ふざけんなこの野郎!」
チャリキルアニキ「ある人を向かわせるってなんだ?誰か来るのか」
チャリキルアニキ「誰かが入ってくる!」
チャリキルアニキ「誰だ?姿を見せろ!」
イチリ先生「はい!大声で騒がない!」
イチリ先生「リキ君、静かにしようね!先生を怒らせないで下さい!」
チャリキルアニキ「おいおい!こいつは驚いた!」
チャリキルアニキ「小学校の時の担任の!イチリ先生じゃねえか!先生、なんでこんな場所にいるんだ!」
イチリ先生「いい質問だ!」
イチリ先生「先生はこの世の真実を知ってしまったんですね。リキ君にも知ってもらいたくてここまで来ました!」
イチリ先生「先生に着いてきなさい!今日は社会科見学ですよ!」
チャリキルアニキ「イチリ先生!妹がさらわれたんだ!」
イチリ先生「さらわれたのではありません。保護です。先生のあとに着いてくれば分かります」
チャリキルアニキ「着いていくしかねえか・・・」

〇暗い廊下
チャリキルアニキ「薄暗くて長い地下道・・・!あんまり長く歩きたくはねえな」
チャリキルアニキ「先生、俺をどこに連れていく気だよ?」
イチリ先生「すぐに分かりますよ」
チャリキルアニキ「イチリ先生は・・・いい先生だった・・・」
チャリキルアニキ「怒る時も理不尽に怒らねえ。一理あると思わせる説得力があったんだ」
チャリキルアニキ「今回は睡眠薬を盛られて妹をさらわれてる。一理ある答えじゃなきゃ納得いかねえぞ」
イチリ先生「リキ君、君は相変わらず元気で勇敢だ」
イチリ先生「いじめられている子を見つけたら必ず助けに行っていたね。先生、その正義感は気に入ってます」
イチリ先生「人生は車輪だ」
イチリ先生「愚か者は車輪の下敷きになり永遠に踏みつけられる」
イチリ先生「車輪を回す側にならなければ」
イチリ先生「自転車を着こなす今の君なら分かるだろう?」
チャリキルアニキ「分からねえな。何の罪もない妹がさらわれた理由になってねえ」
イチリ先生「今に分かるよ。さあ着いた」

〇コンサートホールの全景
チャリキルアニキ「おいおい!ここは武道館じゃねえか!」
イチリ先生「そう。コンサート会場として使われることも多い円形の会場さ」
イチリ先生「輪の力を引き出すにはもってこいの場所!」
イチリ先生「今日はエキスパンズの集会が開催されているんだ」
チャリキルアニキ「今いるここはステージの袖か。客席もステージもよく見える」
チャリキルアニキ「すげえ人が沢山いる!エキスパンズはこんなにデカい組織なのか!」
クノウ「よう!やっと来たな!リキ!」
チャリキルアニキ「クノウ!俺をエキスパンズの新歓に誘ってきた張本人!」
チャリキルアニキ「お前どうしちまったんだよ!」
チャリキルアニキ「首輪をして目がうつろだ。クノウ、お前はおかしくなってる!」
クノウ「チャリを着るリキにおかしいと言われたくないね」
クノウ「リキ。俺はエキスパンズに入って人生が変わったんだ。世界の真実に気づいたんだ!」
クノウ「これから総帥の講演が始まる!お前も聞けば必ず心の輪を動かされるはずだ!」
クノウ「総帥がステージ上に来るぞ!」
総帥「皆、よく集まった!」
クノウ「輪を着る輪を着る輪を尊ぶ!ワー!」
チャリキルアニキ「総帥の影が見えただけでこの盛り上がり!」
チャリキルアニキ「やべえ標語の大合唱だ・・・!とんでもねえ場所に来ちまったな・・・!」
  エキスパンズの集会に連れて来られたチャリキルアニキ。果たして何が起こるのか?
  無事に妹を助け出すことは出来るのか?
  続く!

次のエピソード:第三輪 三輪野郎より重い

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