絆の先にあるもの

Kazunari Sakai

エピソード7(脚本)

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〇空
  出会いは不思議
  例えばその人が生まれた場所
  進学先や就職先
  それが変わると・・・
  そう・・・
  全く違った絆が生まれる
  エピソード7
  ──同棲解消──

〇散らかった職員室
倉田典子「理由をお聞かせ頂けませんか?私のコラムは読者の受けも良く人気コ―ナ―だったはずです」
倉田典子「こちらで連載ストップの話が出た後直ぐに、 プレステージからも同じ連載ストップの話がありました。偶然とは思えません」
エレガント編集長「倉田さん。実は君の後任が内定していてその作家でコラム連載が決まっているんだ」
倉田典子「えっ?」
エレガント編集長「最近頭角を現したマリンを知っているだろ?あの子が次の後任。おそらくプレステージさんにも彼女から話があったと思う」
倉田典子(満里奈が?)
エレガント編集長「彼女は幅広い年齢層から高い支持を受けている。実際彼女が持ってきたコラムの内容も素晴らしかった」
エレガント編集長「彼女は音楽だけでなく作家としても大成するよ。販売部数が伸び悩む当社としてもマリンの提案は渡りに船だったからね」
倉田典子(そんな事情があったなんて)
エレガント編集長「だが不可解な点もあるんだ?」
倉田典子「えっ?」
エレガント編集長「うちでコラムを引き受ける条件が、君・・・つまり倉田さんの後任ならって事なんだよ」
倉田典子(何よそれ?)

〇繁華街の大通り
倉田典子(間違いない。私が攻撃対象になってる)
倉田典子(しかも私から大手出版社を取り上げた事で私は致命傷を受けた事になる)

〇ビジネス街
  芸能プロダクション「F」

〇オフィスのフロア
前田美里「どうしたの典子?」

〇繁華街の大通り
倉田典子「ちょっと緊急事態発生で聞いてもらいたい事があるんだけど」

〇オフィスのフロア
前田美里「もしかして満里奈?」

〇繁華街の大通り
倉田典子「えっ? 何か知ってるの?」

〇オフィスのフロア
前田美里「典子会って話そう。ここに来れる?」

〇繁華街の大通り
倉田典子「分かった。直ぐに行くわ」

〇ビジネス街

〇小さい会議室
  「F」会議室
前田美里「満里奈がこの前「エレガント」と「プレステージ」で打ち合わせあると言っていたから、何か企みでもあるのかと問い質したけど」
前田美里「その時は典子への恩返しと言っていたからそれを信じたの」
倉田典子「そんな事があったんだね」
前田美里「私への復讐が目的だと思っていたけど典子まで?もしかすると今後和英や信雄も攻撃対象になるかもね」
倉田典子「いったい満里奈は何がしたいの?」
前田美里「春斗が死んだ責任を「J」のメンバーに償わせる為?」
倉田典子「それは見当違いでしょ!」
前田美里「とにかく、こうなった以上私達も対策を考えるしかないよ。和英は大丈夫?何かされてない?」
倉田典子「うん、彼は大丈夫。今日も変わりなく会社に行ったから」

〇空

〇インターネットカフェ
牛島良太「1200円になります」
大宮和英「待って!割引券がある」
牛島良太(先に出せよ!レジやり直しじゃないか)
牛島良太「100円引きで1100円になります」
牛島良太(10円玉10枚かよ)
大宮和英「・・・」
牛島良太「まだ何か?」
大宮和英「新しい割引券も下さい」
牛島良太(あ──マジ鬱陶しい!)

〇空
大宮和英(このまま永遠に無職?)
大宮和英(いやいや俺はス―パ―エリ―ト社員だった。また直ぐに輝きを取り戻せるよ)
大宮和英(そうは言っても現実は毎日漫画喫茶通い。そろそろ典子に相談するか)
大宮和英(いやダメだ!退職してからかなりの日数が経っている。今さら言えない)
大宮和英(やっぱり新しい就職先が決まってから 典子に話そう)

〇マンションの入り口

〇綺麗なダイニング
倉田典子(大手2社の契約が無くなったと言う事は8割の収入源が断たれたという事。早く新たな執筆先を探さないと)
倉田典子(ここの家賃、光熱費、食費、その他諸々。和英に言ってその間助けてもらうしかないな)
倉田典子(おっ!帰ってきた)
大宮和英「ただいま」
倉田典子「お帰り!あのね和英。食後に相談があるんだけど」
大宮和英「ゴメン。仕事で疲れたから何も食べずに直ぐ休みたいんだ」
倉田典子「そうなんだ。疲れてるならしょうがないね。分かったまた今度にする」
倉田典子(相談は明日にして私は新たな執筆先を探そう)

〇空

〇お台場

〇休憩スペース
木本信雄「満里奈。朝早くから収録で申し訳ない。最近忙しくなったけど体調は大丈夫?」
マリン「心配しないで。木本さんに会うと直ぐ元気復活。あなたは私のカンフル剤だから」
篠田由美子(フフ❤️この子やっぱり木本さんの事。 表情みればバレバレ)
篠田由美子「木本さん。マリンが忙しくなったのは それだけ需要が増えたって事。当社としても喜ばしい限りです」
木本信雄「篠田さんも大変だと思いますが、体調崩さないように何とか乗り切りましょうね」
篠田由美子「木本さんって女性にモテるでしょ?どんな人に対しても優しく接してくれますよね」
マリン(木本さん。最初はあなたも復讐タ―ゲットだったのよ。でもね・・・)

〇幻想空間
  ──回想──

〇ホストクラブ
マリン「水割りお作りしますね」
木本信雄「マリン今日は体調不良でしょ?」
マリン「えっ?」
木本信雄「君の表情ですぐ分かるよ。だから内緒で休んでな!全部俺がやるから」
木本信雄「大丈夫。バレないようにやるから安心して!」
マリン「ありがと」

〇幻想空間

〇休憩スペース
マリン(フフ❤️)
篠田由美子(んっ?)
篠田由美子「木本さんごめんなさい。会社から電話ですので少し席を外します。マリンまた後で」
マリン「ところで木本さん。約束したように美里さんとは会ってませんよね?」
木本信雄「ああ、君がこの業界で軌道に乗るまで持てる力を全て君に捧げるよ。春斗のためにも」
マリン「それを聞いて安心した。私も木本さんの言うことを素直に聞いて頑張るね」

〇インターネットカフェ
牛島良太「オンラインゲ―ムするならカップル専用ボックスがあるけど」
顧客A「ねぇ?どうする」
顧客B「うん。そこがいい」
顧客B「それとゲ―ムでお奨めありますか?」
牛島良太「お奨め?そうですね」
大宮和英「この店で対応してるオンラインゲ―ムなら、ソフト会社「ステージ」のカップル大作戦がお奨めだ」
牛島良太(ゲッ!いつの間に?)
顧客B「じゃあそれにする!」

〇インターネットカフェ
大宮和英「朝っぱらからカップル専用でゲ―ム?世も末だな。俺は9時間パックで個室宜しく」
牛島良太(何者?)
牛島良太「あの?ゲ―ムにお詳しいですね。俺もカップル大作戦お気に入りです」
大宮和英「具体的にどこが?」
牛島良太「ゲ―ムも凄く面白いけど、それより俺はバックで流れる音楽ですね!ゲ―ムと最高にマッチしてるから」
大宮和英「んっ?君はセンスがいいな!あれは俺が作った曲だよ」
牛島良太「えっ、マジっすか!と、言うことは? あなたは大宮和英さん?」
大宮和英「えっ?俺の名前を知ってるの?マニアックなヤツだな」
牛島良太「はい。俺ゲ―ム業界に興味があって大宮さんは俺が一番リスペクトしている人物です。まさかご本人にお会い出来るとは」
牛島良太「ここの会員登録の時、俺じゃなかったから何度も会っているのに気づかなくてすみません」
牛島良太「師匠お願いです。電話番号教えて下さい!これからもいろいろ意見をお聞きしたいので」
大宮和英「ああ、いいよ」
牛島良太(こんな偶然あるんだ。これで懸案だったピ―スが埋まるかも)
牛島良太(んっ!待てよ?ステージの社員が何でここに入り浸りなんだ?まさか偽者?)
大宮和英「君との会話で10分過ぎた。9時間パックは今この時間からにしてくれよ」
牛島良太(ゲッ!けち臭!)

〇空

〇マンションの入り口

〇綺麗なダイニング
倉田典子(今日も収穫無し。新たな執筆先探すのもなかなか厳しいな)
倉田典子(おっ!帰ってきた。今日は絶対話さないと)
大宮和英「ただいま」
倉田典子「お帰り!和英ちょっと話があるんだ」
大宮和英「何?」

〇マンションの入り口

〇綺麗なダイニング
倉田典子「ゴメンね。本当は昨日話つもりだったけど、 和英が疲れてるみたいだったから・・・つい」
倉田典子「その間和英に負担かけるけど、なるべく早く新しい執筆先見つけるから助けてね」
大宮和英「ゴメン。実は典子に言ってなかった事がある。辞めたんだよね俺」
倉田典子「えっ?何を?」
大宮和英「会社辞めて今無職」
倉田典子「はぁ?何よそれ!えっ?いつ?何で?」

〇マンションの入り口

〇綺麗なダイニング
倉田典子「何でそんな重大な事隠してる訳?嘘つくにしても限度ってものがあるでしょ!」
倉田典子「キャバクラにこっそり行ってたって話とはレベルが違うわ!」
倉田典子「どうするのよ!家賃、光熱費、食費!その他諸々。どれも待ってくれないよ!」
倉田典子「それに会社辞めて毎日「行ってきます」? どこに「行ってきます」よ!」
大宮和英(典子ってこんなに怒る人だった?)
大宮和英「もうそんなに怒るな!しばらくは貯金崩して生活すればいいだろ!」
倉田典子「えっ?何言ってるの?」
倉田典子「結婚は?この前その話もしたよね?」
大宮和英「優先順位があるでしょ!落ち着いたらまた貯めればいいよ」
倉田典子「和英って計画性ないんだね。今ハッキリ分かったわ」
倉田典子「そうと分かれば・・・」
倉田典子「同棲解消しましょう」
大宮和英「・・・」
大宮和英「えっ?」
倉田典子「それと・・・これも返す」
倉田典子「婚約も解消するから」
大宮和英「ちょっと待ってよ。そこまでしなくても」
倉田典子「早くしてくれるかな。ここは私が契約してるマンションよ。行動に移してもらわないと」
大宮和英「何を?」
倉田典子「出てけ」
大宮和英「えっ?」

〇マンションの入り口
  ここから出ていけ!バカヤロー
  ひゃ──!典子ちょっと待って。キャラ変してる
  うるさい黙れ!顔も見たくないわ!
  出ていかないなら実力行使に出るわよ
  緊急事態の為エピローグは無し
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