異世界での食事に備える(脚本)
〇城の会議室
瀬界ヒロシ「さあみんな、食べてみてくれ」
魔法使い「これは何ですか? 不思議な味だけど、とっても美味しい!!」
獣人「アタイもこんなの初めてだよ!」
瀬界ヒロシ「これはな・・・」
〇黒
???「おーい ヒロシー」
〇高い屋上
伊勢ワタル「昼寝してるとこすまんな 話があるんだ」
瀬界ヒロシ「異世界の夢を見てたのにー」
伊勢ワタル「今日はどんな内容だ?」
瀬界ヒロシ「異世界人に地球の料理を振る舞ってたんだ」
瀬界ヒロシ「こんな料理食ったことないって みんな喜んでた」
伊勢ワタル「へー どんな料理だ?」
瀬界ヒロシ「カレー」
伊勢ワタル「か、カレー?」
伊勢ワタル「とっておきの料理がカレーて 小学生か!」
伊勢ワタル「なんていうか・・・・・・ もうちょっと別のモンは出せなかったのか?」
瀬界ヒロシ「え、だって俺 レトルトカレーくらいしか作れねえし」
伊勢ワタル「しかも異世界なのにレトルトかよ!」
伊勢ワタル「まあいいや そんなお前にぴったりの 訓練をしてやろうと思ってな」
瀬界ヒロシ「また異世界に行くための訓練か?」
伊勢ワタル「そうだ」
瀬界ヒロシ「話の流れ的に 今度は食事関係ってことか?」
伊勢ワタル「察しがいいな 明日からは俺が昼飯を用意してやるから せいぜい期待しておいてくれ」
〇教室
瀬界ヒロシ「やっと昼の時間だ 腹減ったー」
瀬界ヒロシ(ワタルのやつ どんな料理を用意するつもりだ?)
瀬界ヒロシ(どんな料理でも好き嫌いなく食えるように 日本で馴染みのない国の料理とか?)
〇教室
伊勢ワタル「おう 待たせたな」
瀬界ヒロシ「腹が減ってしょうがねえ 早く料理を出してくれよ」
伊勢ワタル「すまなかったな 思い切り食ってくれ」
瀬界ヒロシ「おい ちょっと待て!!」
瀬界ヒロシ「食いもんじゃねえだろ!!」
伊勢ワタル「いや 食用に無菌室で育てられた高級食材だぞ」
瀬界ヒロシ「こんなの食えるか!!」
伊勢ワタル「お前なあ 異世界の食生活に備えてるんだぞ?」
伊勢ワタル「むしろこれぐらいならヌルいと思ってくれ」
瀬界ヒロシ「いや・・・・・・でも これを食うのは・・・・・・」
伊勢ワタル「世界中どこにも 昆虫食の文化はあるんだ」
伊勢ワタル「日本だって イナゴや蜂の子、セミなんかを食うぜ?」
伊勢ワタル「見たことのある生物なんだから 得体の知れないモンスターを食うよりも よっぽど簡単だろ?」
瀬界ヒロシ「でもこれ・・・・・・ ”G”だよな?」
伊勢ワタル「実物を見るのは初めてか?」
瀬界ヒロシ「んな訳ねーだろ!! 見たことあるから嫌なんだっつーの!!」
伊勢ワタル「大丈夫だって 俺も試しに食ってみたけど そんなに悪い味じゃなかったぜ」
瀬界ヒロシ「ええ? じゃあとりあえず一口・・・・・・」
瀬界ヒロシ「うっ」
〇教室
茂武ギャル子「伊勢〜 何やってんの〜?」
伊勢ワタル「新作動画の撮影してんだよ」
茂武ギャル子「また瀬界をオモチャにしてんの?」
伊勢ワタル「オモチャとは人聞きが悪いな・・・・・・ 費用のかかる訓練が無料でできるんだから win-winの関係なんだぜ?」
茂武ギャル子「今度は何をやらせてんの?」
伊勢ワタル「高級食材を食わせてやってる」
茂武ギャル子「へ〜 アタシも食べてみたいかも」
茂武ギャル子「瀬界〜 アタシにも一口」
「ゔぉえーーーっ」
伊勢ワタル「配信するときにはモザイクが必要かな?」
〇教室
担任「瀬界、ちょっといいか?」
瀬界ヒロシ「は、はい」
〇散らかった職員室
担任「一部の生徒から相談があってな」
瀬界ヒロシ「はあ・・・?」
担任「瀬界が教室でゲテモノを弁当にしていて」
担任「気色悪くて食欲が失せるから やめさせて欲しいと言うんだ」
瀬界ヒロシ「理解はできます」
担任「どうして好き好んでゲテモノを?」
瀬界ヒロシ「好きで食べてるというわけでも・・・・・・」
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