第9話「オレたちの戦いはこれからだ!!」(脚本)
〇立派な洋館
大禅師ジャック「まさか四天王が冥響寺スイではなく ネコだったとはね・・・」
大禅師ジャック「文字通り、常識を超えた存在だよ」
じいや「じいやもこの歳で価値観を 揺さぶられるとは思いませんでした」
じいや「世界は想像以上に広いのですね・・」
大禅師ジャック「それでだ、じいや」
大禅師ジャック「四天王は分かった じゃあ、最後の1人だ」
大禅師ジャック「彼らが支持する・・・ 「チャンプ」とは何者かい?」
じいや「・・・前回大会の覇者 チャンピオン、略して「チャンプ」」
じいや「申し訳ございません それ以上のことはまだ、何も・・・」
じいや「調べたところ、得た情報は 「サプライズ好き」な性格と」
じいや「年齢に合わぬ外見をしている、 くらいでして・・・」
大禅師ジャック「いや、ありがとう 性格が分かったのは大きい」
大禅師ジャック「エフェクトスタイルの予想に 繋がるからね」
大禅師ジャック「引き続き調査を頼む」
じいや「かしこまりました、ジャックさま」
じいや「ではどうぞお部屋に── すぐコーヒーをご用意致します」
大禅師ジャック「・・・・・・・・・」
大禅師ジャック「待ってくれ、じいや」
じいや「はい、なんでしょう」
大禅師ジャック「もう一つ、頼みがある」
大禅師ジャック「明日の朝から── 執事であることを忘れて欲しい」
じいや「執事であることを、忘れる──?」
じいや「冗談・・・というワケでは ありませんね」
じいや「ですがジャック様 貴方はもうじいやの教えなど・・・」
大禅師ジャック「そうだね、ボクはじいやから バトルの全てを教わった」
大禅師ジャック「お陰であらゆるエフェクターに 勝ち続けた・・・だけど」
大禅師ジャック「だけどね、じいや じいやの教えを受けていた時」
大禅師ジャック「ボクがじいやに勝てたのは・・・ 結局、最後の1回だけだ」
じいや「ジャック様・・・・・・」
大禅師ジャック「この通りだ、じいや」
大禅師ジャック「──ボクは強くありたい」
大禅師ジャック「大禅師の長男として 誰よりも強く!」
大禅師ジャック「もちろん、じいやよりも強くね」
じいや「・・・・・・・・・」
じいや「・・・致し方ありませんね」
じいや「ですがジャック様 どうか今日だけはご容赦を」
じいや「明日からはジャック様のために このじいや、修羅へと戻ります」
じいや「ですが、今日の夜までは・・・ 執事として勤めさせて下さい」
大禅師ジャック「もちろんだよ、じいや」
大禅師ジャック「さ、コーヒーを頂こうか シベットはまだあるのかい?」
じいや「シベットコーヒーもまだありますが もしご所望ならば・・・」
じいや「次は「ブラック・アイボリー」を お淹れ致しましょう──」
〇廃墟の倉庫
──同時刻、廃工場にて
獄亜久 飛童「・・・・・・で、」
獄亜久 飛童「なんの真似だ、この野朗」
獄亜久 飛童「俺様、前に言ったよなぁ? 次会ったら容赦なく潰して奪う」
獄亜久 飛童「なのに・・・」
獄亜久 飛童「なにひょっこり顔出してんだ このクソガキッ!!!」
野朗 仁太「うひゃあ!やっぱり バレてたぁ!」
野朗 仁太「へへへ・・・ 久しぶりだね、オジちゃん!」
獄亜久 飛童「オジちゃんじゃねぇっ! お兄さんだるぉおがっ!!」
獄亜久 飛童「学習しろやこの野朗っ!」
野朗 仁太「そうだった!ゴメン オジっ・・・お兄さん!」
獄亜久 飛童「ったく・・・ホント クソガキだなコイツ・・・」
獄亜久 飛童「それで、何しに来たんだ?」
獄亜久 飛童「いや何トボケたツラしてんだ! オラ外を見てみろやこの野朗!」
「もう夕暮れじゃねぇか! ガキはさっさと帰りやがれ!」
獄亜久 飛童「分かったかこの野朗!」
野朗 仁太「そうだね、でもお兄さん オイラお願いがあって来たんだ」
獄亜久 飛童「あぁん?お願いぃ? 何言ってんだテメェ」
獄亜久 飛童「タップギア!? 正気かテメェ!」
野朗 仁太「やろうよ、お兄さん・・・ いや、オジちゃんっ!」
野朗 仁太「オイラとエフェクトバトルだっ!」
獄亜久 飛童「だからオジちゃんじゃねぇって・・」
獄亜久 飛童「いや待てっ! コイツの目・・・」
この目は・・・
漢が決意した目だッ!
獄亜久 飛童「・・・そういやクソガキ 赤いガキとキザなガキはどうした?」
獄亜久 飛童「今日はいねぇのか?」
野朗 仁太「光星とジャックなら、いないよ オイラ1人で来たから」
野朗 仁太「・・・・・・・あのね」
野朗 仁太「・・・オイラ、弱虫なんだ」
〇池のほとり
野朗 仁太「いつまでも光星やジャックに 頼ってばかりじゃダメだ」
野朗 仁太「オイラもオイラの道を探さなきゃっ!」
野朗 仁太「でもオイラの道って なんだろう・・・」
野朗 仁太「オイラに足りない所・・・ まず思いつくのは・・・」
野朗 仁太「やっぱり泣き虫なとこだよね 泣いてばっかで闘えない・・・」
野朗 仁太「闘えない、闘う心・・・?」
野朗 仁太「そうだ!」
野朗 仁太「いやいや、せっかくだから エフェクトを使って・・・」
野朗 仁太「オイラに足りないのは・・・」
野朗 仁太「そうだ!オイラに足りないのは 闘う心っ!つまり・・・」
〇廃墟の倉庫
野朗 仁太「──オイラには闘志が足りない」
野朗 仁太「だから学びに来たんだ! 闘志の塊であるオジちゃんに!」
獄亜久 飛童「オジちゃんじゃねぇっ! さっきからワザと言ってんな!?」
獄亜久 飛童「だが、俺様を「闘志の塊」って 呼ぶのは悪くねぇな、クソガキ!」
野朗 仁太「そぉ?ちょっと嬉しいや!」
獄亜久 飛童「なるほどな、コイツ・・・」
獄亜久 飛童「ひとつ聞くぞクソガキ」
獄亜久 飛童「テメェの目標は何だ? 大会で勝つためか?」
野朗 仁太「う〜ん、大会はあんまり 考えてないなぁ」
野朗 仁太「オイラは光星やジャックと 肩を並べて戦いたい・・・」
野朗 仁太「・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・」
獄亜久 飛童「お、おい?どうした? 急に黙り込みやがって・・」
野朗 仁太「・・・ゴメン、違うやオジちゃん」
野朗 仁太「──オイラは、勝ちたい」
野朗 仁太「光星にも、ジャックにも もちろんオジちゃんにも」
野朗 仁太「帯刀先生にもフードちゃんにも あの怖そうなエフェクターにも!」
野朗 仁太「オイラと会った全員に 勝ちたいんだ!」
獄亜久 飛童「・・・へぇ、コレはなかなか」
獄亜久 飛童「カハハハハハッ! とんでもなく強欲なクソガキだ!」
獄亜久 飛童「赤ガキやキザガキはまだしも・・ この俺様に勝ちたいだとぉ?」
獄亜久 飛童「ハッ!ザコが粋がってんなぁ!」
獄亜久 飛童「冗談は寝言で言いなクソガキ!」
野朗 仁太「なんだとぉ!?」
獄亜久 飛童「──だが、悪くねぇ」
獄亜久 飛童「いいぜ、何回でも勝負して やろぉじゃねぇか!」
獄亜久 飛童「そういや俺様も超速攻が試せる 手頃なサンドバックが欲しくてよぉ!」
獄亜久 飛童「テメェを実験台にしてやるぜクソガキィ!」
野朗 仁太「オジちゃんっ!ありがとぉ!」
獄亜久 飛童「お兄さんだこの野朗ッ!!」
〇海辺
──同時刻、海辺
壱天 光星「う、うわあああああっ!」
壱天 光星「なんか分かんねーけど 負けたぁああっ!?」
クロサビ「にゃははははははは! 楽しいにゃああああ!」
クロサビ「コボウズ!もう一戦にゃ! さっさと立つにゃ!」
壱天 光星「うっ、うぅ・・・」
フードちゃん「しょうがない・・・」
フードちゃん「──エフェクトオン」
壱天 光星「おぉ、体がラクに・・・」
壱天 光星「ありがとな、フードちゃん!」
壱天 光星「よっしゃあ!行くぜ! もう一戦だクロ師匠ッ!」
フードちゃん「・・・・・・・・・」
フードちゃん「はやく終わらないかな・・・」
〇豪華な部屋
大禅師ジャック「なるほど、こんな戦術がっ・・!」
大禅師ジャック「やはり四天王、侮れないね!」
じいや「コーヒーです、ジャックさま」
大禅師ジャック「ありがとう」
大禅師ジャック「うん、この香りは──」
大禅師ジャック「良いね、さすがじいやだ」
〇廃墟の倉庫
獄亜久 飛童「オラどうしたクソガキィ! また1ターンで終わったぞ!!」
獄亜久 飛童「勇ましいのは威勢だけかぁ!! おぉんっ!?」
野朗 仁太「うぐぐ・・・まだだぁ!」
野朗 仁太「もう一回勝負だぁ!」
獄亜久 飛童「ハハッ!いいぜクソガキィ!」
獄亜久 飛童「しかしコイツ、クソザコだが・・・」
獄亜久 飛童「だんだん、倒れてから復活するまでの 間隔が・・・縮まってねぇか?」
獄亜久 飛童「だとしたらコイツのスタイルは・・・」
獄亜久 飛童「・・・いや、気のせいだ サンドバックとして叩き潰す!」
獄亜久 飛童「いくぜオラァ!覚悟しるぉっ!!」
野朗 仁太「うおおおおおっ! 負けるもんかぁああ!」
野朗 仁太「オイラのっ!」
〇豪華な部屋
大禅師ジャック「──ボクの」
〇海辺
壱天 光星「オレの・・・いや、」
聖騎士「イコウゾ ワガアルジッ!」
ルースターバトラー「ワタシハ チエアル ニワトリィィィイ!」
壱天 光星「オレたちの戦いは────」
壱天 光星「これからだ!!!」
一旦終了お疲れ様でした。
すっかりTapNovelの顔になりつつある作品になりましたね。
2ndシーズンも楽しみにしています。
……アニメ版はいつ放送なんですかね?
やはり仁太の師匠ポジは極亜久のオジちゃん!!
お兄さんからオジちゃんに言い直した仁太はすでにいい根性してますね…
しかし引きが不吉すぎる…笑
一旦連載終了お疲れ様でした😆
仁太覚醒激アツ展開が楽しみです🔥